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【特集】品川リフラ Research Memo(1):最適生産体制の構築、基盤整備から、次期中期計画へ

品川リフラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

品川リフラクトリーズ<5351>は、1875年(明治8年)に民間企業として初めて耐火煉瓦を製造した。単体の顧客業種別売上高の8割以上を鉄鋼業に依存しており、主力の耐火物の売上高は鉄鋼市況よりも粗鋼生産に連動する。今第2四半期おける鉄鋼メーカーの業績改善は、主要原材料の市況下落と鋼材価格の上昇によりメタルスプレッドが拡大したおかげであり、粗鋼生産は前年同期比1.0%減少した。

1. 2018年3月期第2四半期の業績は期初予想を上回る
2018年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比4.8%増の49,750百万円、営業利益が同15.0%増の3,009百万円、経常利益が同27.5%増の3,224百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同17.4%増の1,603百万円であった。予想比では、売上高が2.6%増、営業利益が20.4%増、経常利益が24.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が60.3%増となった。国内鉄鋼向け耐火物の需要は横ばいであったものの、国内外の子会社が好調であった。連結子会社のイソライト工業<5358>は、今第2四半期の営業利益を期初に前年同期比9.5%減の860百万円と予想していたが、実績は増収増益であった。また、オーストラリアの子会社が、東南アジア向けに鉄鋼並びにセメント向け耐火物の輸出を拡大した。

2. 2018年3月期通期予想は据え置き
2018年3月期通期の予想は据え置かれた。売上高で前期比1.7%減の102,000百万円、営業利益で同11.7%減の5,600百万円、経常利益で同10.5%減の5,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同25.1%減の2,700百万円の見通しだ。今下期の鉄鋼向け耐火物事業は、原材料価格が高騰しており、製品価格への転嫁にタイムラグがあることから、2018年3月期下期は収益が圧迫される。今上期に予想を上回った分が、下期に相殺されてしまう可能性があり、通期予想を据え置いた。

3. 次期中期経営計画
2009年の合併以降、第1次と第2次中期経営計画で事業統合の効果を生み出すため、「最適生産体制の構築」に専念した。続く、現在の第3次中期経営計画では当初計画を上回る設備投資を行い、「基盤整備と品種競争力の徹底強化」を行っている。最新鋭設備の導入による製品の性能向上だけではなく、同時にコスト削減、生産リードタイムの短縮、作業環境の大幅な改善を実現する。耐火物と装置を組み合わせた提案をすることで、鉄鋼ユーザーの安全操業とコスト削減に貢献する。生産設備の基盤強化だけでなく、生産・販売・開発一体活動で、顧客ニーズへの対応を迅速化・柔軟化を実現する。成長戦略に基づく人材力の強化も図っており、2019年3月期から始まる第4次中期経営計画ではこれらをベースにしたさらなる収益の拡大を目指す。

■Key Points
・2018年3月期第2四半期の業績は子会社の好調による好決算
・2018年3月期は、原材料価格高騰により期初予想を据え置く
・次期中期経営計画でさらなる拡大へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《TN》

 提供:フィスコ

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