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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~ETF期待も物色は中小型株中心に

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

14日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・ETF期待も物色は中小型株中心に
・ドル・円は下げ渋り、前日からの売りは一服
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はKDDI<9433>


■日経平均は3日続落、ETF期待も物色は中小型株中心に

日経平均は3日続落。31.31円安の22726.76円(出来高概算8億株)で前場の取引を終えた。米FOMCの結果は予想通りであり、また、利上げペースは当面加速しないとの見方が広がり、金融セクターには利益確定の売りが先行した。リバランスの流れからハイテク株の一角にはリバウンドが見られているが、一方で楽天<4755>が携帯電話事業に参入するとの発表を受けて、ソフトバンクG<9984>などが競争激化を警戒して売られており、日経平均の重しに。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは銀行が下落率トップだったほか、保険、情報通信、その他製品、空運、鉱業が軟調。一方で原油相場の上昇を背景に石油石炭が上昇率トップ。金属製品、医薬品、不動産、化学、繊維、卸売がしっかり。

日経平均は寄付きを安値にプラスに転じる場面もみられたが、ソフトバンクG<9984>の下げが重しとなっている。ただし、日経平均は5日、25日線での狭いレンジ取引が続いており、売り込みづらいところである。また、TOPIXがマイナスで前場を終えているため、後場は日銀のETF買い入れの需給が下支えとして意識されそうだ。

ただし、海外勢のフローは限られており、積極的に上値を買い上がる主体もいない。そのため、個人主体による中小型株での値幅取りが中心になりそうである。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は下げ渋り、前日からの売りは一服

14日午前の東京市場でのドル・円は下げ渋り。米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル売りは押し目買いなどで一服した。

前日発表された米11月消費者物価指数(CPI)の内容や連邦準備制度理事会(FRB)の見解は、大きな失望を誘うものではなかったが、やや過剰反応となってドル売りに振れたもよう。その流れを受け継ぎ、アジア市場でもドル売り先行となった。

ただ、ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移しており、目先の日本株の反転を見込んだ円売りに振れやすい。また、米10年債利回りは朝方から持ち直しており、午後の取引ではドルの売られすぎの修正に向かう可能性もあろう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は112円53銭から112円79銭、ユーロ・円は133円08銭から133円51銭、ユーロ・ドルは1.1822ドルから1.1841ドルで推移した。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄

・Gファクトリー<3474>や正栄食品<8079>がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はKDDI<9433>

■経済指標・要人発言

・米連邦公開市場委員会(FOMC)声明ポイント
「2018年の成長は加速、労働市場は依然強いと予想」
「経済活動は堅調に拡大」
「支出は緩やかなペースで拡大、投資は加速」
「インフレは中期的に2%前後で安定」
「短期的な見通しリスクは概ね均衡」
「緩やかな成長、強い労働市場が続くと予想」
「雇用の伸びは堅調、失業率は一段と低下」
「経済は緩かな利上げを正当化すると予想」
「カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁は据え置きを望み、利上げに反対」

・イエレンFRB議長
「利上げは、緩やかな引き締めが正当化されることを反映」
「Q2、Q3の成長加速へ、Q1の減速から」
「インフレの低下は、依然一時的な展開が影響」
「追加的な緩やかな利上げが今後数年、実施される可能性が強い」
「雇用市場は今後も強まると予想」
「バランスシートプログラムの正常化を変更する必要はない」
「税制改革は今後数年、成長をいくらか押し上げる」
「税制改革の影響は依然不透明」
「FOMCは低すぎるインフレを懸念」
「予測では、今後数年の成長が緩やかに加速することを示している」
「生産性の伸びが低いことは気がかり」
「賃金の伸びは依然低い」
「労働市場は強く、賃金が上昇すると予想」
「FRBはマイナス金利を用いることを真剣に考えていない」
「個人的には債務の状況を懸念」
「減税案は政府の債務を拡大させる」
「今年の資産市場は大きく上昇」
「高い価格が必ずしも過大評価を意味しているとは限らない」
「ビットコインは、かなり投機的な資産」
「当局の多くは税制改革がGDPを小幅押し上げると予想」
「GDPで4%成長達成するのは容易ではない」
「労働市場に過熱感はない」
「市場の参加者は米国経済がリセッションに陥る確率は低いと見ているが、自分も同意」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・13:30 10月鉱工業生産確報(速報値:前月比+0.5%)

<海外>
特になし

《WA》

 提供:フィスコ

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