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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 乱気流に勝つ一手! 狙うはスロー上昇銘柄

株式アドバイザー 北浜流一郎

「乱気流に勝つ一手! 狙うはスロー上昇銘柄」

●我慢は米税制の“霧”が晴れるまで

 まさに乱気流相場だ。高値波乱の典型、こう言えるほど上下動が激しい。

 急落、また急落。そして急反発。そしてまた急落……と展開を読みにくいのはもちろんのこと、歩調を合わせるのが容易ではない。

 いまはアルゴリズム取引による方向感無き変動の真っ只中にいるので、ここは少々のやりにくさはやむを得ない。

 それにこのような状況は、いつまでも続くものではないからだ。

 では、それはいつ終わるのか。米国の税制改革法案の行方がある程度定まる、その前後からになる。

 いまはちょうど下院が今月初旬に公表した税制改革案を可決したばかりだ。問題は上院の修正案と減税実施の時期だ。

 改革案の骨子については特に問題はない。ところが、上院で共和党は定数100議席のうち52議席を占めているに過ぎない。

 過半数ではあるものの、圧倒的ではないため、共和党議員の2~3人が反対する恐れもあり、トランプ大統領が期待している通りに「可決」されるとは限らないのだ。

 可決されたとしても、もう一つハードルがある。前述したように実施時期であり、今年中を望む下院と、1年先送りを目指している上院とですり合わせが必要になる。

 いまはこれらの不透明要因が東京市場を乱気流に巻き込んだ格好になっているが、仮に減税実施が1年先送りになったとしても市場は結果が出さえすれば落ち着く。こう見てよい。

 株式市場は常に「不透明状態」を嫌うからであり、答えが出さえすれば、不透明状態を警戒していたのが嘘のように状況は急好転する。

 今回もそうなると見てよいため、乱気流によるイレギュラーな上下動にはしばらく、「ザ・我慢」だ。

●無理は禁物の局面だが…

 そこで、このような局面では無理はできないため、スローな上昇を狙える銘柄に絞って投資したい。

 まずは、年末に向かって食品需要が拡大、それとともに調味料の需要も増加必至と見てよいためアリアケジャパン <2815> だ。畜産系エキスを原料とする調味料で首位の企業だけに現在は超繁忙状態。株価も当面、続伸を続けると見る。

 半導体製造に不可欠なマスクブランクス検査装置で国内シェア100%のレーザーテック <6920> も引き続き有望度が高い。なにしろ前述の製品はシェア100%なのだ。圧倒的な強みを持っていることになり、株は押し目を見逃さないようにしたい。

 放電加工機で世界首位クラスのソディック <6143> も同様に高技術を評価できる銘柄になる。地味な値動きながら、ここ数日の反落は拾っておくのが有利と見る。ただ、値動きはかなり緩慢なため、この点を計算に入れて投資を。

 最近大きく売り込まれた銘柄、大成建設 <1801> も逆張り投資に向く。7-9月決算が市場期待を裏切るものだったためながら、この会社は元来、収益予想を慎重に出す傾向がある。受注残も大量であることを考えると、株はここから見直し買いを期待できる。

 空調大手で、自動車塗装設備では国内首位の大氣社 <1979> も押し目を待ちたい銘柄になる。自動車販売は国内は伸びが止まっているものの、海外は伸び続けている。当然、塗装設備需要も拡大中であり、この会社はその恩恵をフルに受けている格好。株価は緩やかな上昇を続けていて、目先浅い調整はあっても、また続伸となる可能性が高い。

 最後に電子基板向けを中心に特殊薬品に強いメック <4971> だ。銅表面処理剤の需要好調はやはり株価の押し上げ要因になると見るのが自然だ。

2017年11月17日 記

株探ニュース

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