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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「調整一巡感でも、下値ポイント忘れずに」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は15日まで6日続落ときつめの調整を入れた。9日の2万3382円高値まで歴史的急騰を演じただけに、ここで「ヒヤリ」とした調整を入れるのも仕方ない。ただ、16日は2万1972円安値のあと大きく切り返して322円高の2万2351円で終えた。高値から6%調整して、25日移動平均線(2万2000円)に抵触したことで「調整一巡感」をにじませる。

◆カギを握るNYダウ平均は7日に付けた2万3602ドル高値から15日に2万3242ドルまで調整して25日移動平均線(2万3323ドル)を割り込んだが、16日に急反発(ザラバ段階で220ドル高)してこちらも調整一巡感を漂わす。日足は日経平均、NYダウとも短期上値抵抗線をクリアし、師走・クリスマスの12月に向け再び活気づく可能性はあるだろう。

◆とはいえ、テクニカル指標の過熱がすべて解消したわけではない。日足はスピード調整になったが、週足、月足ベースではテクニカル指標の高値警戒が続く。つまり、日米とも高値圏で乱高下の展開が続く可能性があり、注意すべき下値ポイントを忘れずに押さえておくことだ。それは25日移動平均線もそうだが、日経平均であれば16日の安値2万1972円、NYダウなら15日の安値2万3242ドルという波動上の下値ポイントであり、それをもし割り込むのならば「本格調整」を覚悟することになる。

◆日米とも業績好調で、景気も回復基調にあることはいうまでもない。ただ、そうした強気要因は投資家の多くが語っており、この1年間の上昇で株価にかなり織り込まれていることは否めない。日経平均のチャートは昨年11月9日安値から1年後の11月9日に高値を付けており、変化日としてポイントになりやすい。強い流れに乗り、買いで対応するのは当然としても、高値圏で乱高下しやすいことや、下値ポイントの安値を割るようであれば撤退することも踏まえておきたい。

(11月16日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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