【市況】5日の米国市場ダイジェスト:ダウは113ドル高、税制改革実現への期待強まる
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:ダウは113ドル高、税制改革実現への期待強まる
NYダウ ナスダック
終値 :22775.39 終値 :6585.36
前日比:+113.75 前日比:+50.73
始値 :22669.08 始値 :6552.87
高値 :22777.04 高値 :6587.21
安値 :22655.14 安値 :6547.65
5日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は113.75ドル高の22775.39、ナスダックは50.73ポイント高の6585.36で取引を終了した。週間新規失業保険申請件数が予想より減少したことで、ハリケーン被害に対する警戒感が後退したほか、堅調な8月製造業受注や、貿易赤字の縮小が好感され買いが先行。下院で18年度の予算案が可決されると税制改革案に関する審議が進むとの期待から上げ幅をやや拡大し、終日堅調推移となった。明日の雇用統計を見極めたいとの思惑から上値は限られているものの、主要株価指数は過去最高値を更新した。セクター別では、銀行やソフトウェア・サービスが上昇する一方でメディアや自動車・自動車部品が下落した。
アルコール飲料のコンステレーション・ブランズ(STZ)は決算内容が好感され、上昇。ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)は一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、堅調推移。ネット小売のアマゾン(AMZN)は自社配送サービスの導入を検討していることが報じられ、買われた。オンライン動画配信のネットフリックス(NFLX)は、約2年ぶりの値上げを発表して上昇。一方で競合するウォルト・ディズニー(DIS)やバイアコム(VIAB)などメディア各社が売られた。
雇用統計では、非農業雇用者数が8万人増、失業率は4.4%増が予想されている。最近の経済指標からハリケーンによる雇用情勢への懸念が薄れつつあり、予想を上回る内容となれば12月の利上げ見通しが高まるだろう。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:ドルは底堅く推移、年内米追加利上げ観測は後退せず
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、112円41銭から112円88銭まで上昇し、112円82銭で引けた。米国の8月貿易赤字の予想以上の縮小や予想を上回った製造業受注に加え、連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を受けて、年内追加利上げ観測を受けたドル買いが強まった。
また、共和党下院が税制改革の第1歩となる2018会計年度予算決議案を承認したことも好感材料となり、ドル買い・円売りを助長した。ユーロ・ドルは、1.1745ドルから1.1699ドルまで下落し1.1708ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)のハト派議事要旨、スペインの政局不安を受けたユーロ売りが継続。ユーロ・円は、131円84銭まで下落後、132円17銭へ反発。ポンド・ドルは、1.3175ドルから1.3108ドルへ下落した。メイ首相の年内辞任観測が浮上するなど、英国政局不安が引き続きポンド売り要因となった。ドル・スイスは、0.9764フランから0.9796フランへ上昇した。
■NY原油:反発、主要産油国による生産調整への期待広がる
5日のNY原油先物11月限は反発。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比+0.81ドルの50.79ドルで取引を終えた。サウジアラビアのサルマン国王とロシアのプーチン大統領が会談したとの報道が材料視された。原油需要の大幅な増加は期待できないものの、主要産油国が生産調整を進めることによって原油の供給過剰はある程度解消されるとの期待が広がり、短期筋などの買いが入った。米国株高も好感されたようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 26.13ドル +0.420ドル(+1.63%)
モルガン・スタンレー(MS) 49.63ドル +0.620ドル(+1.27%)
ゴールドマン・サックス(GS)246.06ドル +5.750ドル(+2.39%)
インテル(INTC) 39.53ドル +0.190ドル(+0.48%)
アップル(AAPL) 155.39ドル +1.910ドル(+1.24%)
アルファベット(GOOG) 969.96ドル +18.28ドル(+1.92%)
フェイスブック(FB) 171.24ドル +2.820ドル(+1.67%)
キャタピラー(CAT) 126.40ドル -0.340ドル(-0.27%)
アルコア(AA) 48.25ドル +0.340ドル(+0.71%)
ウォルマート(WMT) 79.41ドル +0.280ドル(+0.35%)
スプリント(S) 7.50ドル -0.080ドル(-1.06%)
《FA》
提供:フィスコ