【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、フェローテク、トヨタ
三菱UFJ <日足> 「株探」多機能チャートより
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が続伸、取引時間中としては8月16日以来約1カ月ぶりに700円台を回復したほか、第一生命ホールディングス<8750>が6連騰で戻り足を鮮明としている。引き続き米長期金利と連動した値動きをみせている。前日時点で米10年債利回りが2.23%台まで上昇、約1カ月ぶりの水準まで上昇していることを受け、シティグループやゴールドマン・サックスが買われており、東京市場でも両銘柄いずれも米国事業での利ザヤ拡大期待が買いの根拠となっている。
■フェローテク <6890> 1,891円 +71 円 (+3.9%) 本日終値
フェローテックホールディングス<6890>は6日続伸し、新値追いとなっている。同社は15日取引終了後に、中国杭州市の開発区委員会と同開発区への進出を前提とした8インチ(200ミリ)半導体ウエハー製造プロジェクトにおける資金支援に関する提携契約で合意したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。主な提携内容は、産業支援策としてウエハー開発・設備購入費用の補助金、財政支援策としてプロジェクト資金の借り入れ時の利子補給など。また、同社はこのプロジェクトに絡み、新たに半導体ウエハーの開発・設計・製造を手掛ける新会社を杭州市に設立する予定だとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 6,729円 +249 円 (+3.8%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が大幅続伸したほか、日産自動車<7201>、SUBARU<7270>、ホンダ<7267>など自動車株に大きく買いが先行。前日の米国株高を受け国内外投資家のリスク許容度が高まるなか、東京市場でも出遅れ感の強い輸出主力株に物色の矛先が向いた。足もとの外国為替市場で1ドル=111円台50銭近辺での推移と急速に円安ドル高に振れていることで、トヨタをはじめ為替感応度の高い自動車株は輸出採算改善に対する期待が株価にポジティブに作用している。
■ソフトバンクグループ <9984> 8,904円 +317 円 (+3.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸、株価は出遅れ感が強かったが、ここにきて水準訂正の動きを見せ始めた。日経平均が2万円大台を回復していることで、インデックス寄与度の高い同社株にとって追い風環境にある。ソフトバンクがサウジアラビア政府などと共同で設立した「ビジョン・ファンド」の動向が注目されているが、18日に米スラック・テクノロジーが同ファンドなどから日本円にして約280億円(2億5000万ドル)の出資を受けたことを明らかにしている。スラック社は法人向けチャットサービスなどを提供しており、ソフトバンクが注力の構えをみせるAI分野への投資とも親和性が高く、株価にプラスに働いた。
■東京エレクトロン <8035> 17,230円 +585 円 (+3.5%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が500円を超える上昇をみせ、6月9日以来約3カ月半ぶりに年初来高値を更新、アドバンテスト<6857>、SUMCO<3436>、信越化学工業<4063>なども軒並み上値追い態勢となるなど、半導体関連株物色の勢いが再び強まっている。スマートフォンの高機能化や自動車のエレクトロニクス化の進展、ビッグデータ時代の到来に伴うデータセンターの増設需要などを背景に半導体市況は引き続き好調に推移、米国では半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が前日に終値で1160.897まで上昇し2001年以降の最高値を更新、この流れが東京市場にも波及。
■ノーリツ鋼機 <7744> 1,491円 +49 円 (+3.4%) 本日終値
ノーリツ鋼機<7744>が大幅高。同社傘下の事業投資会社であるNKリレーションズが12%強の株式を保有し第3位の大株主となっているPKSHA Technology<3993>が、今週末22日に東証マザーズに株式上場する予定。PKSHAは東大発の人工知能(AI)ベンチャー企業として注目されており、同社のIPO接近とともにノーリツ鋼機に見直し買いが流入した。
■ディップ <2379> 2,550円 +78 円 (+3.2%) 本日終値
15日、ディップ <2379> が18年2月期上期(3-8月)の経常利益(非連結)を従来予想の40.1億円→50.7億円に26.4%上方修正。従来の6.7%減益予想から一転して17.9%増益を見込み、4期連続で上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。旺盛な求人需要が続く中、積極的な広告宣伝投資が奏功し、求人情報サイトの広告出稿件数が伸びたことが寄与。コスト削減を進めたことも上振れに貢献した。なお、通期の経常利益は従来予想の105億円(前期は91.4億円)を据え置いた。
■かんぽ生命保険 <7181> 2,387円 +72 円 (+3.1%) 本日終値
かんぽ生命保険<7181>はマドを開けての陽線を示現、25日移動平均線を上に抜けてきた。日本郵政<6178>が9月初旬に政府による追加売却の動きを嫌気して急落したが、それにツレ安する形となっていた。その後日本郵政は急速なリバウンドをみせ、それに歩調を合わせる格好で戻り足を強めている。かんぽ生命は全国の郵便局を通じて保険商品を販売できる強みを持ち、配当利回りも2.7%前後と高くPBRも0.7倍台と割安感がある。買い手は実需の足の長い資金が主流とみられ、株式需給面でも信用買い残などに重さはなくリバウンドが速い。
■野村ホールディングス <8604> 631.7円 +16.9 円 (+2.8%) 本日終値
野村ホールディングス<8604>が続伸で底値圏離脱を鮮明としており、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前、既に前週に両移動平均線のゴールデンクロスを示現している大和証券グループ本社<8601>もマドを開けて買われるなど、証券株の戻り足が鮮明だ。日経平均は上昇基調を強め2万円大台を回復、足もとは売買代金も増勢で証券会社にとっての収益環境の改善が顕著となっている。投資家の市場回帰に伴う手数料収入の拡大や投信などの運用成績向上に期待し高いに厚みが加わってきた。
株探ニュース