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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

チタン <日足> 「株探」多機能チャートより

■チタン工業 <4098>  294円 (+80円、+37.4%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。チタン工業 <4098> が急騰、ストップ高の294円に買われる人気となった。同社はリチウムイオン電池向けにチタン酸リチウムを提供しており、その有力関連株として人気化した。10月に順次発表が行われるノーベル賞では、リチウムイオン電池は有力候補みられているが、とりわけ光触媒の活性物質である酸化チタンが改めて注目される可能性が高まっている。

■トランザス <6696>  2,817円 (+500円、+21.6%) ストップ高

 8月9日に東証マザーズに新規上場したトランザス <6696> [東証M]が3日ぶりに反発。同社は8日取引終了後に、18年1月期第2四半期累計(2-7月)の連結決算を発表。前期は四半期連結財務諸表を作成していなかったため比較はできないものの、営業利益が1億2200万円と従来計画(1億1800万円)を上回ったことが好感されたようだ。売上高は5億9300万円となり、計画(5億5700万円)を超過した。主力のIoTソリューション事業で映像配信分野の売り上げが伸びたことなどが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。また、同日には世界的モニターブランド「BenQ」を展開している台湾のQisda社と、トランザスが取り扱っているエンタープライズ向けウェアラブルデバイス「Cygnus(シグナス)」の世界展開に向けて販売協力することも発表している。

■エイチーム <3662>  2,928円 (+440円、+17.7%)

 東証1部の上昇率3位。エイチーム <3662> が3日ぶり急反騰。8日に決算を発表。17年7月期の連結経常利益は前の期比96.7%増の41.1億円に拡大して着地。続く18年7月期も前期比14.1%増の47億円に伸び、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期は昨年6月にリリースしたスマートフォン向けゲーム「ヴァルキリーコネクト」を中心に好調だったエンターテインメント事業が収益を牽引した。今期は金融メディア、引越し比較サイトなどを展開するライフスタイルサポート事業が前期比34.9%の大幅増収を見込む。業績好調に伴い、今期の年間配当は前期比5.5円増の32.5円に増配する方針としたことも支援材料となった。なお、配当実施は前期まで中間期と期末の年2回としていたが、今期から期末のみの年1回に変更する。

■明豊エンタ <8927>  307円 (+46円、+17.6%)

 明豊エンタープライズ <8927> [JQ]が続急騰。8日に発表した「板橋区に賃貸アパート事業用地取得」が買い材料。東京都板橋区東山町に賃貸アパート「ミハス」事業用地を取得。

■田中化研 <4080>  2,034円 (+297円、+17.1%)

 田中化学研究所 <4080> [JQ]、ニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]、オハラ <5218> 、ステラ ケミファ <4109> 、IMV <7760> [JQ]、ホソカワミクロン <6277> などリチウムイオン電池関連株に物色の矛先が向かった。日産自動車 <7201> が6日、電気自動車(EV)「リーフ」の新型を10月2日に国内で発売すると発表した。1回の充電で走れる距離が400キロメートルと先代と比べ4割も伸び、価格は約315万円からで、補助金の分を引くと実質275万円からということもあってEVの普及を牽引しそうだ。つれてリチウムイオン電池や急速充電器の市場も急拡大していくことが予想され、関連株に改めて注目が集まった。

■Bガレージ <3180>  1,719円 (+246円、+16.7%)

 東証1部の上昇率4位。ビューティガレージ <3180> が3日続急騰。11日午後1時頃に発表した第1四半期(5-7月)連結決算が、売上高27億800万円(前年同期比16.2%増)、営業利益1億3600万円(同19.5%増)、純利益1億3900万円(同2.5倍)と2ケタ営業増益となったことが好感された。物販事業でネイル・まつ毛材料をはじめとして、理美容化粧品やエステ化粧品など、化粧品・材料が好調に推移。特に、スマホ専用ECサイトやスマホ発注アプリ経由による受注が増加していることが寄与した。また、店舗設計事業やその他周辺ソリューション事業も堅調に推移し、売上高・利益を押し上げた。なお、18年4月期通期業績予想は、売上高110億7600万円(前期比14.9%増)、営業利益6億円(同8.0%増)、純利益3億8900万円(同23.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■トーシン <9444>  701円 (+100円、+16.6%) ストップ高

 トーシン <9444> [JQ] が続急騰でストップ高。8日に決算を発表。18年4月期第1四半期(5-7月)の連結経常利益が前年同期比3.6倍の1.3億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。同社は中部地盤の携帯販売代理店。第1四半期は主力の移動体通信関連事業の利益率が改善したほか、一般管理費や営業外費用が減少したことが大幅増益の要因となった。上期計画の1.8億円に対する進捗率は73.5%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■一工薬 <4461>  677円 (+49円、+7.8%)

 第一工業製薬 <4461> が大幅高で4連騰。時価は1996年以来約21年ぶりの高値圏に浮上、実質的な青空圏を突き進む展開となった。同社は水溶性高分子製品など界面活性剤の大手で業績は好調、14年3月期以降営業利益、経常利益、最終利益いずれも2ケタ増益基調を続けている。リニア中央新幹線のトンネル工事に使う固結材を手掛け、中長期的な収益面への追い風が期待されるほか、リチウムイオン電池正極材の高性能化および安全性を引き出すイオン導電性高分子電解溶媒を製造していることから、電気自動車(EV)の普及で需給逼迫が伝わるリチウムイオン電池関連の一角としてにわかに脚光を浴びている。

■丹青社 <9743>  1,341円 (+87円、+6.9%)

 ディスプレー大手の丹青社 <9743> が急伸し、年初来高値を更新した。8日に発表した18年1月期上期(2-7月)の連結経常利益は前年同期比2.5%増の29.6億円で着地した。4日に業績上方修正した数値とほぼ同値での着地となったが、足もとの業績好調を評価する買いが改めて入ったようだ。良好な市場環境を背景に、大型の企業PR施設やテーマパーク関連、ホテル分野の新改装案件のほか、アパレルや飲食店向けなどが伸びた。第1四半期(2-4月)は前年同期比30.2%の減益だったものの、第2四半期(5-7月)は2.4倍の大幅増益となり、累計で増益に転換した。通期計画の43億円に対する進捗率は68.9%にしており、通期業績の上振れを期待する買いも向かった。

■レーザーテク <6920>  2,154円 (+126円、+6.2%)

 レーザーテック <6920> が大幅続伸し年初来高値。クレディ・スイス証券は同社株の投資評価を「アンダーパフォーム」から「ニュートラル」に引き上げた。目標株価は1220円から1945円に引き上げた。「新規大型開発案件が株価を押し上げる」と指摘している。17年6月期決算説明会で、18年6月期に約140億円と推測される新規大型開発案件の受注計上の見通しが示された。売上高への計上は早くて20年6月期とみており、詳細は不明だが、株価は当面の間、同案件に支えられるとみている。

■安川電機 <6506>  3,445円 (+165円、+5.0%)

 安川電機 <6506> が大幅続伸し年初来高値を更新した。政府が8日に開催した未来投資会議で、「IoTやロボットへの投資促進」や「自動走行の実現」などの7分野を重点的に議論し、来年に新たな成長戦略を策定する方針を示したことを受けて、ロボット関連 として物色人気が高まっているようだ。このほか、産業用ロボット関連として、ナブテスコ <6268> 、不二越 <6474> 、キーエンス <6861> なども買われた。

■日立国際 <6756>  2,895円 (+127円、+4.6%)

 日立国際電気 <6756> が続伸。11日の午後に提出された大量保有報告書で、米投資ファンドのエリオットが5.01%の株式を保有する大株主として登場したことが判明した。保有目的は投資だが、状況に応じて重要提案行為などに関する協議を行うことを挙げている。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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