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【特集】植木靖男氏【円高、内閣支持率低下…、向かい風はいつまで】(1) <相場観特集>

植木靖男氏(株式評論家)

―決算発表本格化を前に、漂流するマーケットの行方―

 週明け24日の東京株式市場はリスク回避ムードのなか、日経平均株価が再び2万円大台を割り込むなど不安定な展開を強いられた。前週末の欧米株安に加え、為替が1ドル=110円台に入るなど円高に振れていることが嫌気されている。また、安倍政権の支持率が著しく低下していることも全体指数の先高期待に水を差している状況だ。決算発表本格化を目前に、強気と弱気の挟間で漂う相場の見通しやいかに。経験豊かなマーケット関係者2人にズバリ見解を聞いた。

●「円高も一時的で下値不安は限定的」

植木靖男氏(株式評論家)

 東京市場は上下どちらかに放れそうな局面に差し掛かっているが、外部環境に不透明感が漂い、強気優勢とも言い切れず判断に迷う地合いである。何といっても相場の方向性のカギを握っているのは為替の動向だ。企業の4-6月決算が今週から本格化する段階にあって、今の円高はマーケットの強気な見方に修正を強いる意味でマイナス要素が大きい。

 ドル・円相場は今年4月、そして6月(取引時間中)に1ドル=108円台をつけ2点底を形成した。日米金利差が明確となる現状で再びドルの安値(円の高値)を試しに行く展開は首を傾げるよりないが、これはショートポジションの買い戻しということなのだろう。ただし足もとは需給による部分が大きいが、ファンダメンタルズを考慮すれば、この円高歩調は長くは続かないとみている。1ドル=108円台を視野に入れるような円高は考えにくく、過度に懸念する必要はないだろう。

 したがって、日経平均の下値もそれほど深くはないだろう。日銀は先の金融政策決定会合で金融緩和政策の現状維持を決定、黒田総裁の記者会見をみてもETF買いの継続と合わせ、持続的な緩和姿勢は担保された状況にあり、為替も株価も早晩リスクオフの巻き戻しが訪れるとみている。安倍内閣の支持率低下が甚だしいとはいえ、これが政権基盤そのものを揺るがすとも思えない。一方、米国に目を向ければ、トランプ政権の打ち出す大規模インフラ投資や減税など、議会としても来年までに通過させなければならない案件であるということは承知しているはず。米国発の経済政策恩恵は日米の株式市場で再び意識されそうだ。

 当面の日経平均の下値は1万9500円。上値は2万500円の上下1000円幅の推移と見込んでいる。物色対象としては東京エレクトロン <8035> やアドバンテスト <6857> など半導体製造装置関連株の押し目を狙いたい。また、ツガミ <6101> や不二越 <6474> などの工作機械セクターはここから改めて注目となろう。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(うえき・やすお)
慶応義塾大学経済学部卒。日興証券(現SMBC日興証券)入社。情報部を経て株式本部スポークスマン。独立後、株式評論家としてテレビ、ラジオ、週刊誌さらに講演会などで活躍。的確な相場見通しと独自の銘柄観に定評がある。

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