【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 基本的に、個別物色の展開が継続する!
株式評論家 杉村富生
「基本的に、個別物色の展開が継続する!」
●強い銘柄を徹底して攻めるのがセオリー!
基本的に、個別物色の展開だろう。さて、株式投資には大別すると、短期・順張り(高いところを買って、より高いところを売る)と長期・逆張り(将来の値上がりに期待し、押し目を仕込む)がある。前者は徹底して値動きを追う。後者はじっくり安値を拾う。
短期・順張りの銘柄はフマキラー <4998> [東証2]、ビーマップ <4316> [JQG]、ビリングシステム <3623> [東証M]、買取王国 <3181> [JQ]、アズジェント <4288> [JQ]、enish <3667> 、TOKYO BASE <3415> 、インスペック <6656> [東証M]、イグニス <3689> [東証M]など。
ストップ高銘柄、値上がり率ランキングの上位銘柄を割り切って攻める。理屈抜きだ。ひたすら強い銘柄にマトを絞る。
一方、長期・逆張りでは車載用コネクターの第一精工 <6640> 、人材派遣のライク <2462> 、遠隔診療のテクマトリックス <3762> 、スマホ決済のアルファクス・フード・システム <3814> [JQG]、電子コミック配信のビーグリー <3981> [東証M]、ネット広告のソウルドアウト <6553> [東証M]などに注目している。
いわゆる、「杉村流FANG」だ。目先の値動きは追わず、先行きの“夢”に賭ける。要するに、“新”成長株である。
●海外情勢など外部環境のチェックを怠るな!
このほか、低位の思惑銘柄としてレナウン <3606> 、エンシュウ <6218> 、東天紅 <8181> 、日本鋳造 <5609> [東証2]などをピックアップしている。東天紅はパンダ人気に乗る。日本鋳造は業績の急浮上に加え、社会インフラ整備のメリットを享受できる。
全般相場については“高値しぐれ”状態に陥るだろう。積極的に上値を買う投資家が存在しない。個人投資家は材料株にマトを絞っている。彼らは賢い。森を見ず、木を見よ、というか、銘柄勝負に徹している。
外部環境では円高圧力(FRBの利上げペースの鈍化)、トランプ政権の迷走、安倍政権の支持率低下、中国経済の失速? 波乱含みのNY市場――などが懸念材料だろう。
中期的にはFRB、ECB、イングランド銀行、カナダ中銀の政策転換(引き締め→利上げ、余剰資金の回収)の影響を注視しておく必要があろう。もちろん、金融政策が正常に戻るには2020~2022年までかかる、と言われているが…。
2017年7月20日 記
株探ニュース