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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 円高に屈せぬ業績相場、狙うは“好転・向上”銘柄

株式アドバイザー 北浜流一郎

「円高に屈せぬ業績相場、狙うは“好転・向上”銘柄」

●日本株の意外な強さ

 猛暑が酷暑に進化しつつある。これに耐えるには、水と株高ではないだろうか。幸い、いまは両方とも揃っているので有り難い。

 もちろん、株高はある日突然どこかへ消えてしまうこともあり得るが、現在、その可能性は低いと見る。

 なにより好ましく、且つ意外でもあるのは、ドル円が111円台に突入しても日経平均株価が崩れないこと。

 水準的には大したことはない。2万円の大台を何とかキープしている程度だからだ。しかし、米国FRBが金利引き上げ方向にあるほか、欧州中央銀行(ECB)も金融緩和の縮小について秋になったら検討すると表明した。これは緩和縮小を匂わせた発言と見てよく、欧米がともに次第に緩和策を引き締め方向に転じる方向にある。こう見るのが自然だ。

 これらは教科書的に見るなら円安要因になるのだが、実際は逆の動きだ。特に対ドルでは強含み続けていて、たびたび111円台に入っている。

 これだけでも意外だが、それに加わるのが日経平均の堅調な値動きだ。どんどん上がるようなことはないものの、円が上昇しても日経平均は大きく下げることはなく、高値圏での保ち合いを続けている。

 TOPIXに至っては、20日には2年来の高値をつけたほどだ。それなのに市場では悲観的な見方が相変わらず幅を効かせているのは残念だ。折角の儲けのチャンスを逃してしまう恐れがあるからだ。

●投資家の関心は業績好調銘柄に

 では、なぜ意外に堅調な展開になっているのか。考えられるのは、個々の企業のファンダメンタルズが良好だから。こうなろう。それは為替が少々円高になろうが、簡単には失速しない。市場はこう見ていると考えられるのだ。

 その証拠に20日に「18年2月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.4倍の125億円に急拡大」という好決算を発表した安川電機 <6506> は、それが明らかになると吹っ飛んだし、エンプラス <6961> はこの原稿を書いている時点ではストップ高に貼り付いている。

 つまり、業績好転・向上銘柄に対する投資家の関心は非常に強い。こういうことであり、明らかに業績相場にあるいまは少々の円高は怖くない。こういうことになる。

 そこで、注目はまずはクラレ <3405> だ。主力製品のポバール樹脂とそれを加工した各種フィルムの需要増が続いているのだ。一時低迷が案じられた液晶用フィルムも、テレビの大型化により好調だ。

 FAXやプリンタなどデジタル複合機のメーカーながら、工業ミシンやスマホ向け産業機械の需要が好調なブラザー工業 <6448> も、株価が少しでも下げるところがあれば見逃さないようにしたい。

 圧力計や圧力センサーで世界首位の企業である長野計器 <7715> も実力にふさわしい評価がなされているとはいえない銘柄。私見ではもっと高評価されてもよいと思えるため、目先小反落はあるだろうから期待が持てる。

 工業用ファスナー(留め金)に強いニフコ <7988> も、高値もみ合い中の現在水準は狙いどころといえる。

 最後に高値を承知で液晶用偏光フィルムに強い日東電工 <6988> だ。

2017年7月21日 記

株探ニュース

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