【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「個別株のサマーラリーは続く」
株式評論家 富田隆弥
◆2万円±300円という日経平均株価の膠着が続く。だが、一方で個別株物色の勢いは衰えることなく、個人投資家の潤沢なマネーが小型株、中低位株に向かっている。ひと握りの値がさ株が日経平均を押し上げることもあるが、それに比べるといまの地合いは望ましく、日経平均のもたつきも歓迎と言える。
◆もちろん、個別株物色の流れは循環物色の流れを生み、幅広い銘柄が右カタ上がりとなるので、もみ合う日経平均も動き出す可能性は十分にある。値固めを経ての上放れであるほか、値がさ株が主導するなら2年前の2万0900円台奪回は難しくなく、先物主導でもう一段の上値追いを目指す可能性も出てこよう。その意味で、いま節になっている2万0300円処の突破に注目しておきたい。
◆ただし、高値警戒が払拭された訳ではない。いま最高値を更新する米国株だが、マネーバブルで上昇期間は8年半に達する。トランプ・リスクや自動車ローンバブルなど懸念要因も燻ぶったままだ。日本株は為替が一つポイントだが、個別株物色の流れは米国株上昇によるところが大きく「米国頼み」であるので、ナスダックの動向には注目しておきたい。
◆日経平均の下放れとしてのチェックポイントは、7月7日安値1万9836円を割り込む「1万9800円」をマークしておく。日経平均がその「1万9800円」を付けるまで、個別株物色の流れは続こう。もちろん、過熱感が漂えば調整を挟むだろうし、別の銘柄群に物色の矛先を移すだろう。それが循環物色である。夏本番、個別株のサマーラリーは続く。
(7月21日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース