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【特集】「IoT関連」浮上呼ぶ米FANG大復活、絶対に外せない20銘柄とは <株探トップ特集>

ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより

―夏枯れ相場のなか再燃した期待感、見えてきた有力物色対象―

 東京株式市場は2万円を軸とするもみ合いが常態化、狭いボックス圏内を往来する展開が続いている。売買代金も2兆円を下回る日が珍しくない状況で、今の微妙なバランスは“売り買いがっぷり四つ”によってもたらされているというイメージには遠く、夏枯れを思わせる地合いといってもよい。

●FANG株人気復活で米国発のIoT相場へ

 しかし、個人投資家はしたたかである。個別株単位では旺盛な物色人気を背景に株価水準を切り上げる銘柄が相次ぐ。ゲーム関連リチウム電池関連などのテーマ株や低位の中小型株をランダムに掬(すく)いあげる動きは健在であり、個人投資家や一部ファンド筋を中心とする短期資金の主戦場は、日経平均株価と距離を置いたところにある、という現実を如実に物語っている。

 そのなか、新たに急浮上の気配を漂わせているのが「IoT関連株」だ。その伏線として挙げられるのは、米国株市場でネットフリックスやアマゾンドットコム、アルファベット(グーグル)など「FANG株」の物色人気復活である。東京市場は良くも悪くも、先駆して株価を上昇させる米国市場の地合いを引き継ぐ傾向が強い。特に、あらゆるものがネット接続されるIoTの概念は人工知能(AI)クラウドコンピューティングなどと融合して、株式市場でも成長株の物色テーマとして最右翼に位置しており、ここにきて改めて期待感が再燃している。

●14兆円市場の内側で500億台のIoT端末

 世の中のあらゆるモノがオンライン化されコンピューターとつながることで、これまでにはなかった新たな価値創出が泉のように湧き出てくる。国内IoT市場は2015年時点で6兆円超と推定されたが、これが東京五輪開催年である20年には約14兆円規模の巨大市場に拡大するとの予測がある。この14兆円市場に広がる光景は、接続されるIoT端末が約500億台、搭載されるデバイスは中核となるセンサーだけで2000億個を超えるとも試算されている。いうまでもなく、経済的なインパクトは絶大だ。

 IoT先進国の米国やドイツに負けじと、日本も民間企業だけでなく政府機関や自治体も含め、“全員参加型”で最先端のテクノロジーを活用したインフラ整備が進む方向にある。家電や自動車はもとより、工場などの生産設備、医療機器、道路インフラに至るまでネットとの接続によりクラウドを介して膨大なデータが蓄積され、それを活用することによって質の高いサービスや生産性が生まれることになる。

●米独に追随、国策追い風に成長ステージへ

 米国では2014年にIoTで世界の先陣を切るべく、AT&TやGE、IBM、インテルといった錚々(そうそう)たる企業がIIC(インダストリアル・インターネット・コンソーシアム)を立ち上げている。また、ドイツでは産学連携の戦略的プロジェクト「インダストリー4.0」が有名で、ボッシュやシーメンスなどが中心となって製造業の高度なデジタル化を推進し、ビッグデータ解析による生産性の飛躍的な向上を目指す構えだ。

 一方、日本でも安倍政権は昨年9月に米国やドイツと国際規格や技術標準などの策定を前提に協力していくことを発表しており、グローバルスタンダードのなかでIoT分野を開拓していく体制を構築している。

 関連銘柄は裾野を含めて幅広いが、有力な物色対象として以下の20銘柄を絞り込んだ。

●ソフトバンクはここでもセンターポジション

 IoTはAI技術と同次元かつ同じ時間軸で日常と融合すると考えられる。したがって、AI関連分野への投資で群を抜くソフトバンクグループ <9984> の存在感は大きい。システム開発を手掛けIoT関連サービスに積極展開するISID <4812> や、業務ソフト開発が主力で、IoTを利用したアプリケーションの開発から運用まで支援するプラットフォーム「KEYAKI」を提供するクレスコ <4674> なども注目される。

 IoTサービスへの積極展開を標榜、傾注するクラウドプラットフォームを活用してソリューションビジネスを展開するNSW <9739> も要マーク。また、電子デバイスに組み込みソフトを実装し自動監視および遠隔操作システムを展開するJIG-SAW <3914> [東証M]はIoT関連の課金サービスを展開しており、NSWとはIoTプラットフォーム分野で業務提携している。

●キーエンスなどセンサー関連株は要注目

 前述したようにIoTの根幹を支えるデバイスとしてセンサー関連株は注目度が高い。FA用センサーなど計測制御機器のトップメーカーで直販体制に優位性を持つキーエンス <6861> や赤外線センサーで国内9割のシェアを有する日本セラミック <6929> 、オプトエレクトロニクス分野に強みを持ち測量機を主軸に世界展開するトプコン <7732> 、独立系の分析・計測器メーカーで自動車向けに圧倒的シェアを持つ堀場製作所 <6856> 、抵抗器が主力ながら超小型加速度センサーの量産化に成功している北陸電気工業 <6989> などは要マークとなろう。いうまでもなく、大手電機メーカーではCMOSセンサーやカメラ向けイメージセンサーなどで実績を積むソニー <6758> の実力も高く評価される。このほか、大手の電子デバイスメーカーである村田製作所 <6981> や日本電産 <6594> 、オムロン <6645> などにも活躍余地が広がっていく。

●IoTと相性抜群の次世代回路「FPGA」

 IoTと相性抜群の“次世代電子回路”としては、これまでのASIC(特定用途向け集積回路)に代替するかたちでFPGAが注目されている。 FPGAは、搭載した集積回路の設定を後から自由に変更することが可能であるうえ、演算もプログラムとの組み合わせで処理せずに、回路そのもので処理できるため計算速度が速いという強みを持つ。LTE分野でFPGAを活用しているアルチザネットワークス <6778> [東証2]や、FPGAを活用した高速処理装置の実用化に注力する日本ラッド <4736> [JQ]などが株高思惑を内包する。

 一方、IoT時代に通信インフラとして次世代高速通信技術である「5G(第5世代移動通信システム)」は欠かせない。通信計測器トップメーカーのアンリツ <6754> や、次世代通信網のコントロールシステム開発を手掛けるネクストジェン <3842> [JQG]などに上値妙味が膨らむことになる。

●IoT周辺でチャンス広がる穴株2銘柄

 これ以外に穴株としては、ピーバンドットコム <3559> [東証M]やロックオン <3690> [東証M]などが挙げられる。ピーバンドットコムは電子機器に不可欠なプリント基板の設計・製造を請け負う通販サイトを運営、IoT関連の受注が増勢で、中小企業だけでなく、大企業向けの取り扱いも増える傾向にあり収益環境の追い風が強まりそうだ。また、ロックオンはeコマース サイト構築ノウハウが凝縮されたオープンソースパッケージ「EC-CUBE」で注目されている。さまざまなIoTに対応するキーテクノロジーを担うことで株価も見直される可能性が高まろう。


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