【特集】檜和田浩昭氏【再浮上2万円、上値のフシ“突破”はあるか?】(3) <相場観特集>
檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)
―ボックス継続か上放れか、見通しを聞く―
日経平均株価はここ2週間ほど上値の重い展開を強いられていたが、前週末に5日ぶり反発に転じ、きょうは返す刀で目先筋の戻り売りをこなし続伸、2万円大台に再浮上してきた。内需成長株の好調な値動きやハイテク株などへの買い戻しが反映された格好だが、果たして相場の需給関係にこれまでと変化は生じているのか。洞察力に優れ相場の先読みにも定評のあるマーケット関係者に、今後の東京株式市場の見通しについて聞いた。
●「日経平均株価は2015年6月高値を意識した上昇軌道に」
檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)
週明け19日の東京株式市場は、日経平均株価が9日以来6営業日ぶりに、終値で2万円の大台を回復し、2日につけた終値ベースの年初来高値2万177円に肉薄する展開となってきた。今後の日経平均株価は、2万円台固めから2015年6月24日につけた終値ベースの高値2万868円を意識した上昇相場が想定される。
6月後半は、3月期決算企業の株主総会開催が佳境を迎えることから、配当政策など株主還元に対する企業の姿勢がクローズアップされることになりそうだ。そうした意味からも、高配当利回りや高ROE(自己資本利益率)といった銘柄群に改めて感心が寄せられる可能性もある。
6月に入って米株式市場では、インターネット関連や半導体関連などハイテク銘柄への売りが継続し、やや変調ぎみとなっていたが、早晩こうした動きも沈静化してきそうだ。NYダウ平均株価自体は、過去最高値を更新し続ける力強さをみせている。最近やや停滞している、日本株への海外投資家の買い攻勢も近い将来復活する可能性が高い。
ここしばらくは、日経平均株価採用の値がさハイテク銘柄中心の物色が続くことになりそうだが、全体相場で2万円固めによる安定感が確認された段階では、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、自動運転といった将来展望のあるテーマ関連銘柄や、業績好調な小売り株などに物色対象が広がりをみせそうだ。
(聞き手・冨田康夫)
<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。
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