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【特集】いま、最強選抜「10銘柄」―成長ロード走る“特等席”株に照準 <株探トップ特集>

コスモス <日足> 「株探」多機能チャートより

―メジャーSQ通過で大台再挑戦へ下地、戦果得る「来期続伸」候補株は―

 東京株式市場は、メジャーSQの通過が号砲となってにわかに活気が蘇ってきたようにもみえる。日経平均株価1万9000円台半ばは滞留出来高も多く、戻り売りを浴びやすいゾーンだったが、先物の売りポジションが外れたことで上値が軽くなり、一気に昨年来高値を更新。いよいよ2万円大台再挑戦への下地が整ってきた感触だ。

 来週は15日に米FOMCの金融政策発表やオランダの議会選挙、さらにこれに前後してトランプ政策現実化の入り口となる予算教書提出が行われる。株式市場にとってスケジュール的にも正念場となるが、株価は新年度入りを前に売り方の手仕舞いから本格浮上の気配を高めてくる可能性が高い。

●株価は企業の近未来図、来期業績に勝利のカギ

 3月期末を控え、企業業績にマーケットの関心が向かいやすくなるが、投資家にとっては着地目前の今3月期業績だけでなく来期の業績がどうなるかが非常に気になるタイミングとなる。株価は常に実態の一歩先、もしくは近い将来の業績を反映する、というのが基本的なメカニズムだ。今期までは高成長企業であっても来期にその反動が出るかたちとなっては、投資対象として魅力があるとはいえない。

 有力なターゲットとなるのは今期に飛ぶ鳥を落とす勢いの業績推移をみせ、なおかつ来期もその勢いを失うことなく成長ロードを駆け抜ける銘柄群だ。その観点から絞り込んだ別掲の10銘柄は、今期業績予想(経常利益)を大幅に上方修正したうえ、来期も引き続き増益が見込まれる選りすぐりの出世株候補だ。大型株、中型株、小型株が入り交じり、業態も多種多様だが、それぞれの株価特性を考慮した投資スタンスで臨めば大きな戦果が期待できる。

●低位で株心くすぐる神栄、上昇一直線の菱ガス化

 神栄 <3004> は繊維商社の老舗だが、電子部品事業などに多角化を図り奏功している。直近、宅配便の荷物増加の対策で浮上した宅配ロッカー関連の一角として人気化したが、業績面でも今期経常利益を従来予想の4億5000万円から8億5000万円に増額しており、注目された経緯がある。それほど天井の高い銘柄ではないものの、時価200円未満は短期資金も食指の動く水準だ。

 スーパーバッグ <3945> [東証2]は買い物袋の大手で紙袋のほかポリエチレン製のレジ袋なども製造する。今期経常利益は6億5000万円から9億円予想に修正。原料価格の低位安定や物流コストの削減などで来期は今期予想比2割以上の伸びが見込まれる。商い薄だがその分だけ上値も軽い。

 三菱ガス化学 <4182> は機能化学品などの採算改善で利益が上乗せされており、今期経常利益は370億円から550億円予想に修正、さらに上振れて着地する可能性もある。株価は昨年8月以降半年以上にわたり13週移動平均線をサポートラインとした綺麗な上昇トレンドを描いているが、時価PERは13倍前後で割高感はなく、なお先高期待が強い。

●米中インフラ投資追い風のJFE、急回復期待でコスモス

 ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> は今期経常利益を300億円から700億円予想へ2倍以上に増額し、大幅減益見通しが一転2ケタ近い増益見通しに変わった。

 米国では10年間で1兆ドルのインフラ投資を行う方針を、トランプ大統領が先の議会演説で掲げている。また、中国でも公共投資拡大による景気刺激に積極的な姿勢を続けており、同社を取り巻く環境も大きく変化しつつある。来期も今期予想比6割近い伸びが見込めることから、株価面の見直しが続きそうだ。

 東京コスモス電機 <6772> [東証2]は既に1月末を境に大相場の様相をみせ、時価は2006年4月以来11年ぶりの高値圏に突入している。トヨタ自動車 <7203> から「車載フィルムヒーター」を受注しており、これが来期以降の業績拡大を後押しするとの思惑が広がっている。予防安全支援装置に装着することで、運転席カメラの曇りや凍結を防ぎ、視野を確保しブレーキシステムの動作をアシストする。トヨタ向けということもあって、同社にとっては収益インパクトが大きいとみられている。今期黒字転換で1000万円から9000万円予想に増額。利益水準は低いものの、来期については3~4倍の急回復が有望視される。

●ヨコオは圧巻の上昇波形成、設投需要取り込む日ケミコン

 ヨコオ <6800> は車載向けマイクロアンテナが好調で収益を牽引、コネクターも高付加価値品が伸長して業績に寄与している。自動運転車が普及する過程で同社のビジネスチャンスもさらに広がっていくことは必至だ。今期経常利益は従来予想の15億円から23億5000万円に大幅増額し前期比2.9倍の高変化。この発射台の高さで来期も2ケタ増益の公算が大きい。株価も圧巻の上昇トレンドを構築、昨年7月以降の週足チャートは目を見張るものがある。

 大真空 <6962> は水晶デバイスの大手メーカーで、台頭著しい中国スマートフォンメーカー向けに需要を取り込んでいる。今後はIoT時代を迎え、車載向けでも商機を捉えそうだ。今期は3億6000万円から8億6000万円予想に上方修正し2割増益。来期は3割を超える増益が視野に。

 日本ケミコン <6997> はアルミ電解コンデンサーの大手で、産業機器や自動車業界向けに高水準の需要を確保している。世界的に設備投資ニーズが回復するなかで、同社の大型コンデンサーが生産ライン向けなどに成長局面に入っている。今期は従来予想の10億円から20億円に倍増させ、減益予想から一転して7割増益予想の高変化をみせる。来期も伸び率こそ鈍化するものの成長路線を走る。

●曙ブレーキ来期9倍化も、株高スイッチ入る任天堂

 曙ブレーキ工業 <7238> は国内最大手の独立系ブレーキメーカーで世界シェア開拓に意欲的。前期減損で大幅赤字計上も一過性にとどまり、今期は黒字転換で1億円から4億円予想に増額している。来期については北米のトラブル改善による生産安定化が寄与、今期の発射台が低いこともあって9倍近い高変化が見込める。

 任天堂 <7974> は常に市場の注目度が高く、値がさ株ではあるが個人投資家の参戦も活発だ。最近は今月3日に発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」への評価が株価にも大きな影響を及ぼしているが、同商品は予想を大きく上回る好調な出足をみせ、投資マインドを強く刺激している。今後の売れ行きについても強気の予想が目立ち始め、来期業績拡大を見込んだ買いが流入、株価は約2ヵ月にわたる2万円台前半でのもみ合いを経て上放れの様相だ。今期経常利益は従来予想の100億円を300億円に大幅増額しているがこれは円安による為替差益によるもの。しかし、来期は本格的に“増益スイッチ”が入り3~4倍の高変化が見込めそうだ。

◆今期大幅上方修正かつ来期も成長継続の最強選抜10銘柄◆

           今3月期経常   来期
銘柄 <コード>    増益率(増額後) 増益率
神栄 <3004>        3.3倍     6
スーパーバッグ <3945>   3.4倍     22
菱ガス化 <4182>      21       7
JFE <5411>        9      57
コスモス電 <6772>     黒字転換   3.6倍

ヨコオ <6800>       2.9倍     14
大真空 <6962>       23      37
日ケミコン <6997>     72      25
曙ブレーキ <7238>     黒字転換   8.8倍
任天堂 <7974>        4      3.4倍

(単位:%)

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