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【市況】日経平均は大幅続伸、SQに絡んだ売買でレンジ上限に/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は大幅に続伸。256.76円高の19575.34円(出来高概算13億7000万株)で前場の取引を終えた。9日の米国市場は原油相場が50ドルを割り込んだほか、ドル高進行や米国債利回りの上昇が嫌気されるものの、雇用統計の結果を見極めたいとの思惑から引けにかけて上昇に転じていた。シカゴ日経225先物清算値(6月限)は大阪比120円高の19290円。先物の配当分を考慮すると19400円を超えており、これにサヤ寄せする格好から19400円を回復して始まった。SQに絡んだ売買の影響から寄付き直後にいったん上げ幅を縮める場面もあったが、その後は再び上げ幅を広げている。

 セクターでは空運、保険、医薬品、証券、サービス、食料品、ゴム製品、電気機器、その他製品、水産農林が上昇。半面、鉄鋼、海運、石油石炭、鉱業が小安い。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。売買代金上位はほぼ全面高であり、SQの影響もあってメガバンク3行のほか、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、ソニー<6758>、ファナック<6954>などが上位に。

 SQ概算値は19434.30円となった。225型がやや売り越しだったようであるが、ファーストリテ<9983>をみると、小安く始まったが、寄付き直後に急速に上げ幅を広げており、SQに絡んだ買いオーダーの一部が遅れた感はある。これが日経平均を押し上げる一因になったともみられる。この強い動きに円相場も引きづられる格好で円安に振れている状況か。

 これにより日経平均はもち合いレンジの上限レベルに接近している。ただ、後場については雇用統計の結果を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすいほか、来週には米連邦準備理事会(FRB)は14、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを議論する。一段高というよりは、FOMC待ちといった流れの中で、こう着感が強まりそうだ。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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