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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):栗田工、牧野フ、資生堂

栗田工 <日足> 「株探」多機能チャートより
■栗田工業 <6370>  2,855円  +175 円 (+6.5%)  本日終値  東証1部 上昇率10位
 栗田工業<6370>が大幅反発。この日寄り前に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入った。上限を400万株(発行済み株数の3.45%)、または100億円としており、取得期間は3月2日から5月31日まで。経営環境に応じて機動的な資本政策を実行し、資本効率の向上を図るためとしている。

■東海カーボン <5301>  481円  +26 円 (+5.7%)  本日終値
 東海カーボン<5301>が急動意。同社はカーボンブラックや炭素・セラミクスなどを手掛けており、17年12月期営業利益は前期比4.6倍の52億円予想と急回復を見込む。市場では「同社は収益構造改革に取り組み、今期業績はV字回復期待が強い。12月決算企業ということで、会社側が開示している予想は、3月決算企業の来期業績を買うような感覚に近く買う側に安心感がある。直接的には、岡三証券が投資判断を『買い』に引き上げ、目標株価を400円から520円に上方修正したことが株価を押し上げたようだ」(準大手証券ストラテジスト)という。

■牧野フライス製作所 <6135>  1,102円  +57 円 (+5.5%)  本日終値
 野村証券が2月28日付で牧野フライス製作所 <6135> の目標株価を980円→1160円に増額したことが買い材料視された。投資判断は「ニュートラル(中立)」で据え置いたものの、その中では相対的にポジティブに評価。その要因として、(1)工作機械需要が世界全体で底入れし、18年3月期に回復が予想されること、(2)金型、自動車部品、航空機部品の加工に適した特徴ある機械を揃えており競争力は健在であること、などを挙げている。そのうえで現在の株価は18年3月期末予想基準PBRで0.9倍とPBR重視の投資家には魅力があろうと指摘した。なお、同証券では17年3月期の連結営業利益を従来予想の80億円→90億円(会社計画は84億円)、18年3月期を90億円→108億円、19年3月期を95億円→118億円にそれぞれ上方修正している。

■資生堂 <4911>  3,069円  +114 円 (+3.9%)  本日終値
 資生堂<4911>がマドを開けて買われ、2月10日以来となる3000円大台を回復。同社は28日、有効成分「レチノール」にしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて厚生労働省から取得したことを発表、これが材料視された。レチノールはヒアルロン酸の産生を増加させ皮膚に柔軟性を与えて、しわを改善するという。同成分を配合した商品発売に対する期待の大きさが株高に反映されている。

■アスクル <2678>  3,335円  +115 円 (+3.6%)  本日終値
 アスクル<2678>が高い。2月28日の取引終了後、埼玉県・三芳町にある物流センターで発生した火災について、焼失・損壊した資産の帳簿価額が121億円強になると発表した。一方で、火災保険や運送保険から保険金が支払われた場合、損失額は最大で約46億円減る見通しで、損失額のメドが示されたことが好感されたようだ。なお、17年5月期連結業績への影響は判明し次第公表するという。同時に発表した2月度(1月21日~2月20日)の月次売上高(単体ベース)は、前年同月比7.2%増となり、23カ月連続で前年実績を上回った。火災の影響はあったものの、主力分野のBtoB事業が4.0%増となったことに加えて、成長分野のLOHACOは31.8%増と高い伸び率を維持した。

■三井金属 <5706>  384円  +13 円 (+3.5%)  本日終値
 SMBC日興証券が2月28日付で三井金属鉱業 <5706> の投資判断を「1(強気)」、目標株価を500円に新規設定したことが買い材料視された。リポートでは、主力の極薄銅箔は携帯電話での使用単位が急速に伸び、出荷数量が20年3月期までに17年3月期比で2倍強に拡大すると指摘。また、立ち上げに苦戦し、多額の減損損失を計上したカセロネス銅鉱山の赤字は19年3月期に解消すると予想している。

■グンゼ <3002>  427円  +14 円 (+3.4%)  本日終値
 グンゼ<3002>が堅調。この日、野菜や菓子の包装などに使われるOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムについて、4月1日出荷分より約10%値上げすると発表しており、採算改善への期待感から買いが入った。昨年後半から原油価格が上昇に転じ、また、為替の円安シフトによる国産ナフサ価格が急騰した影響で、樹脂原料メーカーから原料値上げの申し入れを受けていることが要因。また、電力などの燃料費や副資材費の上昇も避けられない状況となっており、生産効率向上や経費削減などで吸収することが難しくなっていることから、値上げに踏み切るとしている。

■コマツ <6301>  2,798.5円  +88 円 (+3.3%)  本日終値
 コマツ<6301>など中国関連株はしっかり。日立建機<6305>やファナック<6954>、ユニ・チャーム<8113>が値を上げた。為替市場で円安が進行しているほか、この日、中国国家統計局が発表した2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.6と1月に比べ0.3ポイント上昇し、市場予想(51.2)も上回ったことが好感された。続いて発表された2月の財新・中国製造業購買担当者景気指数(PMI)も予想を上回った。これを受け、中国景気回復期待からの関連株への見直し買いの動きが出ている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,583円  +221 円 (+2.6%)  本日終値
 2月28日、ソフトバンクグループ <9984> が出資先の米衛星ベンチャーであるワンウェブと米同業のインテルサットを合併させることで合意したと発表したことが買い材料。同社はインテルサットに17億ドルの出資を行い、議決権ベースで合併新会社の39.9%を握る筆頭株主となる。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが稼働後は同社保有の合併新会社の株式は同ファンドに移管される見込み。発表を受けて、野村証券が2月28日付で投資判断「バイ(買い)」と目標株価1万1790円を継続したことも好感された。リポートでは、買収した英半導体設計大手アームのIoTビジネスに加え、低軌道衛星群によるブロードバンド通信網も新たなグローバルベースの成長事業となる可能性が高まったと指摘している。

■アンリツ <6754>  883円  +18 円 (+2.1%)  本日終値
 アンリツ<6754>は続伸、昨年12月に上放れを明示して以降、急勾配の25日移動平均線に一度も接触することのない強力な上昇波動を形成している。17年3月期は主力の計測器が低調だったことから営業利益段階で前期比6割減の22億円と落ち込む見通しだが、株価には既に織り込まれており、18年3月期以降の急回復期待が直近3カ月の株価上昇に投影されている。あらゆるものをネットでつなぐIoT時代に、同社はそのイノベーションの源泉となる次世代通信方式5G関連の特需を取り込む可能性が指摘されている。既にIoT向けソリューションに積極的に取り組み、商機到来に備えている。株式需給面では、直近2月24日申し込み現在で信用売り残が減少し、買い残が増加しているものの、信用倍率は1.4倍台と依然として良好でミニ踏み上げ相場の素地を内包。株価は900円台に乗せてくると滞留出来高も一気に減少することで、2014年7月以来となる4ケタ大台も視野に入る。

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