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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

シャープ <日足> 「株探」多機能チャートより

■シャープ <6753>  293円 (+23円、+8.5%)

 シャープ <6753> が大幅高。2014年11月下旬以来、約2年2ヵ月ぶりの300円台回復を視野に捉えてきた。台湾・鴻海精密工業傘下で経営再建を進めているが、ここ最近になって損益は改善方向にあることが確認され投機資金の買い攻勢につながった。鴻海と共同出資する液晶パネルメーカーの堺ディスプレイプロダクトが、世界最大級の液晶パネル工場を中国の広州市に新設することを発表しており、これが物色人気を増幅させている。攻めの経営姿勢を背景に業績本格回復への期待感が高まっている。売買代金は東証2部で4日も断トツの水準をこなしており、個人投資家中心に市場の注目度の高さを反映している。

■住友重機械工業 <6302>  794円 (+41円、+5.4%)

 住友重機械工業 <6302> が昨年来高値を更新したほか、東芝機械 <6104> 、日精樹脂工業 <6293> など機械セクターで射出成形機を手掛ける企業が買いを集めた。東海東京調査センターは昨年12月30日付で射出成形機に関するリポートを発行している。同調査センターではプラスチック加工機械(主に射出成形機)の受注高は16年の2000億円から17年は2060億円と前年比3.0%の伸びを見込んでいる。16年にはなかったスマートフォン向け射出成形機の受注増加を予想しているほか、17年も電気自動車などの生産増強が予想され、二次電池部品など関連製品の増産投資は継続することを見込む。また、日本の重機械メーカーによる事業の選択と集中は当面続きそうであり、(16年は射出成形機業界で3つの大きな再編があったが)17年も業界再編に注目したいとしている。

■日立キャピタル <8586>  3,020円 (+143円、+5.0%)

 日立キャピタル <8586> が大幅続伸。4日、三菱UFJリース <8593> および三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 傘下の三菱東京UFJ銀行と共同で、ジャパン・インフラストラクチャー・イニシアティブを設立したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。新会社は、主に日本の機器メーカーやエンジニアリング会社などに対して、グローバルベースでインフラプロジェクトにおけるエクイティ性の資金またはメザニン性の資金を含む資金提供などを行う、オープンな金融プラットフォームとして設立。資本金200億円で、出資比率は日立キャピと三菱Uリースが各47.55%、三菱東京UFJ銀行が4.90%。早期に1000億円規模の投融資を目標としている。

■太平洋セメント <5233>  386円 (+16円、+4.3%)

 太平洋セメント <5233> が急動意、昨年来高値を更新した。 セメントで国内シェア40%近くを占める最大手企業だが、国内は安倍政権の総額28兆円規模の経済政策による内需活性化が追い風材料。「来期から19年にかけては2020年開催の東京五輪特需が売り上げに乗ってくる」(国内中堅証券)と指摘され、投機資金の買いを助長した。また、売り上げの4分の1を海外で稼ぐなど輸出比率も高い。海外ではベトナムやフィリピンなど東南アジア向けが伸長しているほか、巨額のインフラ投資に踏み込むトランプ次期政権の政策恩恵が期待されている。

■信越化学工業 <4063>  9,447円 (+380円、+4.2%)

 信越化学工業 <4063> が昨年来高値を更新。長期波動でも2007年7月につけた上場来高値9580円が視界に迫ってきた。シリコンウエハーの最大手ベンダーとして、最近の半導体関連相場に乗り株価は上値追いを鮮明化させた。このほか、SUMCO <3436> も買われたほか、東京エレクトロン <8035> などの半導体製造装置株も軒並み上昇した。産業革新ともいわれる3次元NAND型フラッシュメモリー関連投資にメーカー各社は一斉に増強に動いており、半導体関連株はかつてない高揚感を伴って買い進まれている。米国のフィラデルフィア取引所が発表している半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数は昨年末にひと押し入れたものの、年明けは25日移動平均線を足場にプラスに切り返し、最高値近辺での推移が続いている。

■カナモト <9678>  3,210円 (+115円、+3.7%)

 建機レンタル大手のカナモト <9678> が大幅高。好業績・低PER銘柄の一角として見直し買いが入ったようだ。同社は12月9日に、17年10月期通期の連結業績予想を発表。売上高1530億円(前期比5.6%増)、経常利益155億8000万円(同8.2%増)を見込む。北海道の新幹線延伸工事や豪雨災害の復旧・復興工事、東北地方の震災復興工事、東京五輪に向けたインフラ関連工事、そのほか民間の首都圏再開発プロジェクトなどから建設機械のレンタル需要は底堅く推移するとみている。また、年間配当を前期から5円増額の50円とする方針を明らかにしている。加えて、PER12倍台と依然割安水準にあるうえ、東証信用倍率0.58倍と取組妙味も買い支援材料となりそうだ。

■三菱UFJ <8306>  745.2円 (+25円、+3.5%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> など メガバンクが物色人気を集めた。3日の米国株市場では、金融の規制緩和期待などを背景にJPモルガンやゴールドマン・サックスなど金融関連株が買われ全体相場に貢献、この流れが東京市場にも波及した。米国で展開する日本のメガバンクも規制緩和や米長期金利上昇の恩恵を受けるとみられており、海外投資家の市場回帰で物色人気が再燃する可能性もある。

■高島屋 <8233>  996円 (+32円、+3.3%)

 高島屋 <8233> が8日ぶり反発となったほか、松屋 <8237> 、三越伊勢丹ホールディングス <3099> 、J.フロント リテイリング <3086> 、松屋 <8237> 、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> 、丸井グループ <8252> など 百貨店株が軒並み高い。高島屋に限らず百貨店株は昨年12月相場で調整トレンドにあったが、信用取組は売り残が買い残を大幅に上回る“売り長銘柄”の宝庫でもあり、目先買い戻しの動きが顕在化した。市場では「百貨店の今年の初売りはどこも好調な動きが伝わっており、昨年末にかけて株価水準を切り下げていたこともあって、全体相場のリスク選好ムードのなかでリターンリバーサル狙いの買いも誘っているようだ」(準大手証券ストラテジスト)という。

■野村ホールディングス <8604>  711.2円 (+22.1円、+3.2%)

 野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> が高い。証券セクターは業種別騰落率で4位。日経平均株価は2017年大発会となる4日、大幅高でスタートし大引けは479円高と急伸、東証1部の売買代金も2兆6800億円台と高水準に膨らんだ。これを受け、昨年12月相場で調整色を強めていた証券セクターに見直し買いが流入した。株価上昇による運用成績向上に加え、売買代金の拡大に伴う手数料収入の伸びが期待され、足もとは収益面でポジティブな環境が素直に好感された。野村は昨年12月末まで下値模索が続き、実に11日続落となっていた。4日は外国人の買いがメガバンクなどに観測されているが、3日の米国株市場ではゴールドマン・サックスなどが買われていることもあり、米国展開で強みを有する野村などを中心に証券セクターにも海外資金流入の思惑がある。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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