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【特集】高橋春樹氏、2017年【株式相場を大胆予測!】(3) <新春特別企画>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

―株高シナリオに狂いはあるか? 第一線の識者に聞く―

 2017年相場がいよいよ始まる。16年相場は年初に波乱安に見舞われたものの、後半巻き返しに転じ、特に11月の米大統領選を境にトランプ・ラリーが繰り広げられ、株価の居どころは大きく変わった。果たして17年はどのような波動を形成するのだろうか。強い米国経済に支えられたトランプ相場、ここからの株高シナリオに狂いが生じる可能性はあるのか。年間を通じての見通しを、市場第一線で活躍する識者3人に聞いた。

●「バブル崩壊後の日経平均株価高値2万2666円を試す展開に」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 今年の東京株式市場は、トランプ次期米大統領の積極的な経済政策に伴う米国景気の好調に連動した日本企業の業績向上を織り込むかたちでの堅調な推移となりそうだ。

 トランプ新政策の基本は、ドル高に象徴される強いアメリカの実現にあり、大幅減税に、大規模な財政出動によるインフラ投資も加わってくる。こうした大胆な経済政策により、米国景気は順調に拡大を続けることになりそうだ。米国景気の復調は、日本の主力産業である輸出企業にとって追い風で、米長期金利の上昇は、円安・ドル高を持続させることにつながりこれも大きなプラスとなる。今年の外国為替市場の円相場は1ドル=110円台~120円台での推移となりそうだ。

 日本国内の景気に目を転じてみると、14年4月の5%から8%への消費税率引き上げによるマイナス影響は2年8ヵ月を経過するなかでかなり薄れてきており、自動車や家電をはじめとして個人消費は足もとで戻りつつある。生鮮食料品やガソリン価格が上昇しているため、生活実感としての好転は感じ難いが、景気は徐々に回復に向かっている。

 新年を迎えて、来期の18年3月期企業業績の株価への織り込みが本格化してくる。17年3月期末の日経平均株価の1株利益は1200円水準と予想される。来期は円安の追い風なども作用して、増益率がもし15%増になると想定すれば、日経平均株価の1株利益は1380円程度に増加し、PERを17倍としても2万3500円を試す可能性がある。

 この水準は、1996年6月につけたバブル崩壊後の 日経平均株価の高値2万2666円を上回ると同時に、1989年の過去最高値3万8915円からバブル崩壊後最安値の7000円水準までの下落幅の歴史的な半値戻しの水準である2万3000円台回復を意味する。

 物色対象としては、2つの分野に注目している。1つは銀行株に代表されるバリュー系の銘柄群。2つ目は、いよいよ業績面での本格化な寄与が想定されるAI(人工知能)関連の銘柄だ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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