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【市況】米国株式市場見通し:FOMCが開催予定


来週は13-14日に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。大統領選後に株式相場が大幅上昇しているほか、9月FOMC以降に発表された2回の雇用統計が堅調な内容となったことから利上げ実施は確実だろう。利上げ自体はほぼコンセンサスとなっているものの、声明文やイエレンFRB議長の会見で、今後の利上げやそのペース、方針について具体的な示唆が得られるかどうかが注目点となるだろう。

FOMCが通過すると年末にかけて大きな不透明要因はなく、長期金利及びインフレ期待の上昇や原油価格の上昇も緩やかなペースで進む限りは、株式相場にとってはプラスの影響が大きい。来年1月に就任するトランプ次期大統領の政策に対する期待感は引き続き根強く、出来高が細る中でも過去最高値を更新していく展開が予想される。14日にはトランプ氏がテクノロジー業界幹部をニューヨークに招いて意見交換を行う予定だ。ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズや、ソフトウェアのオラクルはCEOが出席を表明しているが、同業界幹部の多くはクリントン氏を支持していたこともあり、関係構築に向けてどのような話し合いが行われるのか注目が集まるだろう。

個別企業では、ソフトウェアのオラクル(15日)、グラフィックソフトのアドビ・システムズ(15日)、クルーズ客船運航のカーニバル・コーポレーション(16日)などの決算発表が予定されている。オラクルは従来のソフトウェア販売・サポートからクラウドベースの新サービスへの移行を進めているものの、同社の6-8月期のクラウド事業の売上は10億ドルと全体の11%に過ぎない。同社に対する投資家の見方をソフトウェア企業からクラウド企業へと変化させる為には、全体に占めるクラウド事業の売上の割合が顕著に拡大する必要があるだろう。

経済指標では、11月輸入物価指数(13日)、11月小売売上高(14日)、11月生産者物価指数(14日)、11月消費者物価指数(15日)、12月NAHB住宅市場指数(15日)、11月住宅着工・建設許可件数(16日)などの発表が予定されている。全米小売業界(NRF) によると感謝祭週末の小売店舗及びオンラインでの買い物客は昨年を上回る高水準となり、年末商戦の滑り出しは良好とみることができる。11月小売売上高も高い伸びを記録することが予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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