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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

黒田精 <日足> 「株探」多機能チャートより

■黒田精工 <7726>  286円 (+80円、+38.8%) ストップ高

 黒田精工 <7726> がストップ高。11月30日に値幅制限いっぱいまで買われた流れを引き継ぐかたちとなった。同社は30日に、独自開発した金型内接着積層工法「Glue FASTEC」を用いて製造したモーターコアが、最先端エコカーに相次いで採用されたと発表しており、これが引き続き材料視されたようだ。燃料電池自動車(水素燃料電池自動車)の駆動用モーター向けに採用され製造販売が始まったことに加え、米国の電気自動車のメーンモーターにGlue FASTECモーターコアが採用されることが決まったという。会社側では、Glue FASTECによる接着積層コアは電機部品向けに量産の実績を積んできており、その実績と優れた特性が評価されて、このほど自動車の駆動用モーターとして初めて量産採用が決まったとしている。

■小僧寿し <9973>  115円 (+30円、+35.3%) ストップ高

 小僧寿し <9973> [JQ]がストップ高。11月30日、同社がアスラポート・ダイニング <3069> [JQ]と資本業務提携すると発表したことが買い材料視された。業務面では、寿司関連のPB商品開発や「小僧寿し」「茶月」のブランド再構築などで協業する。資本面では、アスラポートが小僧寿しの筆頭株主で資産管理業の東商から発行済み株式の13.7%を取得し、筆頭株主となる。発表を受けて、アスラポートとの資本業務提携による経営再建に期待する買いが殺到した。

■マルマン <7834>  314円 (+80円、+34.2%) ストップ高

 マルマン<7834>が5連騰で新値追い。足もとでは禁煙パイポを手掛けていることで禁煙関連として人気化していたが、前日11月30日には孫会社でゴルフ場運営事業を手掛ける西山荘C.C.マネジメントの全株式をユニマットプレシャス(東京都港区)に譲渡すると発表。これが新たな買い手掛かりとなったようだ。同社は財務体質の改善および強化のため、グループの収益構造の見直しを行っており、今回の譲渡はその一環。ユニマットプレシャスは、ゴルフ場および関連施設を経営しているほか、リゾートホテルやその関連諸施設の経営などを手掛けている。なお、譲渡価格は非公表としており、業績への影響は現在精査中だとしている。

■NEXT 原油ブル <2038>  1,020円 (+150円、+17.2%) ストップ高

 NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN <2038> [東証ETN]がストップ高。30日に開催された石油輸出国機構(OPEC)総会では、8年ぶりの減産で最終合意に達した。これを受け、同日の米原油先物相場のWTI(ウエスト・テキサス・インター ミディエート)の期近17年1月物は前日比4.21ドル高の1バレル=49.44ドルに急上昇。一時49.90ドルと10月下旬以来の水準に値を上げた。

■メタップス <6172>  3,085円 (+356円、+13.1%)

 メタップス <6172> [東証M]が4連騰。同社は人工知能「Laplace(ラプラス)」の研究開発に取り組んでいることから、AI(人工知能)関連としての物色人気が続いたもよう。また、1日はマーケティング事業を行うメタップスリンクスを設立したことを明らかにした。メタップスリンクスは、同社からアプリ収益化プラットフォーム事業におけるマーケティング事業を継承。幅広いサービスに関する知見を効率的に活用することで、意思決定の迅速化およびグローバル拠点を含めた経営管理の効率化、また新規事業の立ち上げやM&Aによりスピード感のある事業展開を目指すとしている。

■国際石油開発帝石 <1605>  1,193円 (+108円、+10.0%)

 東証1部の上昇率4位。国際石油開発帝石 <1605> を筆頭に、石油資源開発 <1662> やJXホールディングス <5020> など石油関連株が大幅高。注目を集めた30日に開かれた石油輸出国機構(OPEC)総会では、8年ぶりの減産で合意に達した。市場では、今回の総会での減産合意を危ぶむ見方もあっただけに、ポジティブ評価から石油関連株に買いが集中した。生産量は、9月の臨時総会で合意した日量3250万~3300万バレルの下限である3250万バレルで決定され、加盟国全体で約120万バレル減産する。市場には、「100万バレル前後の減産に期待したい」(アナリスト)との見方があっただけに、下限での決定は高評価された。また、OPEC非加盟国のロシアも減産に応じる見通しとなったことも、市場は好感した。

■タダノ <6395>  1,317円 (+99円、+8.1%)

 東証1部の上昇率5位。タダノ <6395> が大幅高。同社は建設用クレーンでトップクラスのメーカー。インフラ老朽化に対応した点検用の高所作業車などが好調で収益に寄与している。市場では「輸出比率が売り上げの約半分を占めており、トランプ次期米大統領が掲げる大規模インフラ政策でクレーン需要に恩恵が期待できるほか、足もと急速に進む円安進行も収益メリット要因として意識されている」(準大手証券ストラテジスト)という。信用倍率は0.5倍と売り長で株式需給関係の良さも値動きの軽さに反映されたもよう。

■日揮 <1963>  2,040円 (+152円、+8.1%)

 東証1部の上昇率6位。1日朝、日揮 <1963> が住友化学 <4005> が愛媛県新居浜市で計画しているメチオニン製造装置の建設工事を受注したと発表したことが買い材料視された。メチオニンは、鶏の成長促進に不可欠な必須アミノ酸の一種。新興国を中心とした鶏肉の消費拡大を背景に、近年、鶏の飼料添加物としての需要が拡大している。同社はメチオニン製造装置一式に係わる設計、機材調達、建設工事を請け負い、18年半ばの完成を目指す。発表を受け、住友化の製造装置受注による業績への寄与に期待する買いが向かった。

■コスモHD <5021>  1,547円 (+97円、+6.7%)

 コスモエネルギーホールディングス <5021> が反発。石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を受け、11月30日のNY原油先物が1バレル=49.44ドルまで上昇したことが買い手掛かりとなったもよう。同社の通期業績の前提レートである46.6ドルを上回ってきたことで、業績改善が期待されたようだ。また、同社は11月30日に、アラブ首長国連邦の製薬会社であるネオファーマ社がコスモエネルギーHD子会社のコスモALAに出資したと発表。一部の医薬用途で製品化のメドが立ってきたALA(5-アミノレブリン酸)を共同で製造・販売することが目的で、コスモALAの出資比率はコスモエネルギーHDが35%(譲渡前の比率は100%)、ネオファーマ社が65%となる。

■関東電化工業 <4047>  1,013円 (+63円、+6.6%)

 関東電化工業 <4047> が大幅続伸。半導体の大容量・高速化への需要が高まるなか3次元NAND型フラッシュメモリーの普及が本格化する方向にある。3次元NANDは足もとの需要拡大に加えて、チップ構造が複雑なため、同社が手掛ける特殊ガス、六フッ化タングステン(WF6)などの使用量も増勢を強めることが予想され、中期的な収益貢献が期待されている。そうしたなか、東海東京調査センターが30日付で同社株のレーティングを「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げ目標株価も1070円から1500円に大幅に引き上げたことで、これが株高を助長する格好となった。同調査センターでは3次元NANDのほか、リチウムイオン電池材料の大型投資にも期待を示している。

■野村ホールディングス <8604>  650.5円 (+36.5円、+5.9%)

 野村ホールディングス <8604> を筆頭に証券株が軒並み高。全般相場はリスク選好ムードが強まるなか上昇加速局面にある。トランプ次期政権では財務長官にゴールドマン・サックス証券出身のムニューチン氏が選出され、ドッド・フランク法など金融機関に対する規制緩和に積極的な姿勢をみせていることから、11月30日の米国株市場では金融関連株が買われた。東京市場にもこの流れが波及するとともに、証券株は直近の商いを伴った全体指数の上昇を受け、市場参加者が増加するとの思惑がポジティブに働いた。

■SUMCO <3436>  1,322円 (+69円、+5.5%)

 SUMCO <3436> が大幅高で年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が11月30日付で投資判断「アンダーウエイト」を継続しつつ、目標株価を540円から850円へ引き上げたことが好材料視された。第4四半期以降の為替前提を1ドル=100円から110円へ変更したことで、同証券の16年12月期営業利益予想を110億円から140億円へ上方修正したことに加えて、17年12月期の300ミリウエハーのドルベース価格を前年比+3%から+6%(円ベースでは0%→7%)へ変更したことで、17年12月期を同175億円から240億円へ引き上げたことが理由としている。

■住友化学 <4005>  544円 (+21円、+4.0%)

 11月30日、住友化学 <4005> が伊藤忠商事 <8001> と、同社が増強する愛媛工場の新系列で生産する飼料添加物であるメチオニンの販売提携に向けて検討すると発表したことが買い材料視された。新系列で生産するメチオニンの新設販売支援会社への伊藤忠による一部出資に加え、メチオニンの一部を伊藤忠経由で販売することを検討する。伊藤忠はメチオニンのアジア最大需要家であるCPグループと提携関係にあるほか、世界的な販売ネットワークを持っている。発表を受けて、伊藤忠との提携によるメチオニンの販路拡大などに期待する買いが向かった。

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