【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):オープンH、日金銭、キヤノン
オープンH <日足> 「株探」多機能チャートより
オープンハウス<3288>が急伸。同社は都心を中心に戸建てやマンションの分譲事業を展開しているが、マンション価格の上昇を背景に業績は大幅増収増益基調が続いている。米国ではトランプ次期米大統領が掲げる財政政策を背景に長期金利の上昇が顕著だが、国内は日銀のイールドカーブ・コントロールによる金利の低位安定が続く見通しにあることも同社の収益環境に追い風材料として意識されているようだ。17年9月期は連続増配で年60円配を計画するほか、自社株買いなど株主還元に前向きであり、昨年7月27日につけた上場来高値3060円奪回も視界に入ってきた。
■ステラ ケミファ <4109> 3,055円 +182 円 (+6.3%) 本日終値
ステラ ケミファ<4109>が急伸。欧州や米国などをはじめ排ガス規制強化の動きが強まるなか、電気自動車(EV)などの市場拡大が急速に進む兆しにある。つれて車載用電池としてリチウムイオン電池需要も増勢一途で、関連メーカーは増産投資に注力している。同社はリチウムイオン電池向け電解質などの電池材料を手掛け、市場で有力関連株としてマークされている。リチウムイオン電池の性能を高める新しい分子構造の添加剤開発などでも業界を先駆、「リチウムイオン電池関連としては、電池寿命を大幅に向上させる新技術開発をハヤして安永<7271>が仕手化しており、その連想も働いているのではないか」(準大手証券ストラテジスト)との指摘も出ていた。
■日本金銭機械 <6418> 1,581円 +71 円 (+4.7%) 本日終値
日本金銭機械<6418>、テックファームホールディングス<3625>、コナミホールディングス<9766>などカジノ関連が高い。カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)設備推進法案について、今週中に衆議院で審議入りする可能性が出ていることが報じられ、これを材料視する買いを誘導している。自民党の竹下国会対策委員長が27日に審議入りの可能性について言及したことが、各メディアを通じて伝わっている。
■ハーモニック <6324> 2,949円 +100 円 (+3.5%) 本日終値
ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が3連騰。半導体製造装置向けや産業機械向けに精密減速機を展開しており、増収増益基調が続いている。前週末25日付で東海東京調査センターが同社株のレーティングを「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価を3000円から4200円に大幅に引き上げており、これが物色人気を助長している。同調査センターでは、17年3月期半ばを境に四半期受注がボトムアウトし産業用ロボットと半導体製造装置向けに受注回復を想定している。来18年3月期業績については営業利益段階で104億円(今期会社側予想81億円)と大幅な伸びを予想している。
■TIS <3626> 2,395円 +67 円 (+2.9%) 本日終値
TIS<3626>が後場上げ幅を拡大。この日、生命保険会社向けソリューション「sosiego(ソシエゴ)」の提供を開始すると発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。「sosiego」は、同社が約30年間で20社以上の生命保険会社向けに培ってきた業務システム構築の技術・ノウハウに、「AI」や「ビッグデータ」などの先進技術を組み合せたトータルソリューション。対象領域として、新契約・保全・保険金などの「バックオフィス業務」、営業活動・保険申込・各種サポートなどの「フロント業務」、AIを活用した先進型分析などの「分析業務」の3領域で、第1弾としてバックオフィス業務向けサービス「sosiego BackOffice」の提供を12月より開始するという。なお、同社では、20年までに20社への導入と保険関連ビジネスを約70億円規模にすることを目指すとしており、中長期の成長力強化につながるともみられているようだ。
■大平洋金属 <5541> 391円 +8 円 (+2.1%) 本日終値
大平洋金属<5541>が4日続伸し新高値。足もとのニッケル価格の上昇を受け、同社株に買いが流入した。ロンドン金属取引所(LME)ではニッケル3カ月物が1トン当たり1万1500ドル台と年初来高値圏で推移している。トランプ米次期大統領のインフラ投資など景気拡大策への期待などでニッケル価格は上昇基調にある。同社株の信用倍率は18日時点で1.07倍と拮抗しており、取り組み妙味も膨らんでいる。
■バンナムHD <7832> 3,330円 +60 円 (+1.8%) 本日終値
バンダイナムコホールディングス<7832>が6日続伸、年初来高値を更新した。同社は25日、バンダイナムコエンターテインメントを通じてパックマンのIP認知拡大と新たなターゲット層獲得を目的として、パックマンの新ブランド「PAC-STORE」を立ち上げ、世界へ向けて展開することを発表した。ガールズマーケットをけん引し高い発信力をもつアソビシステムやツインプラネットと強力タッグを組み、ワールドワイドでパックマンのIP認知を拡大していくもので、「PAC-STORE」では、アソビシステムがクリエイティブデザイン、ツインプラネットがマーケティングプロデュース、バンダイナムコエンターテインメントがライセンスアウトを担当。イベント出展などを通じて、IP認知の拡大を行い、ライセンスアウトによるファッション、グッズ、イベントなど幅広い展開を目指す。
■キヤノン <7751> 3,219円 +55 円 (+1.7%) 本日終値
25日、キヤノン <7751> が配当修正を発表。従来未定としていた16年12月期の年間配当は150円(前期は150円)実施する方針としたことが買い材料視された。今期は円高やレーザープリンターの需要低迷などで3度にわたって下方修正し、連結最終利益は前期比25.1%減の1650億円に落ち込む見通しだが、安定的かつ積極的な株主還元を実現するため、前期の150円配当を維持する。同社は前提為替レートを1ドル=100円としているが、足元の為替相場はトランプ次期米大統領への政策期待から円安・ドル高が急速に進んでおり、通期業績の上振れ期待も高まっている。
■三菱UFJ <8306> 671.3円 +9.6 円 (+1.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが朝安から切り返したほか、千葉銀行<8331>、静岡銀行<8355>、スルガ銀行<8358>など地銀株も高いものが目立つ。きょうは、為替が円高に振れていることから、ここまで上昇相場を牽引してきた自動車など輸出関連株が利益確定売りに押される展開にある。一方で先行して買われていたメガバンクなどは、11月17日以降はほどよく調整を入れていたこともあって、ここ再び水準訂正狙いの買いを呼び込んでいる。「全体は強気相場に傾いており、きょうのメガバンクや地銀の押し目買いも上昇相場途上における循環物色の一環」(準大手証券ストラテジスト)との見方が示されていた。
株探ニュース