【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 北浜式投資術「7・5・3」の法則
株式アドバイザー 北浜流一郎
「北浜式投資術「7・5・3」の法則」
●期待先行で動くのが株式市場
いくらトランプノミクス相場が強烈だからと言っても、休みなく上がり続けるはずはない。これはいま誰しもが日経平均株価の連騰を見ながら思うところではないだろうか。
ところが、実際の日経平均は先週ほとんど休みなく上昇し、水準も1万8500円に迫った。今年の年初、大発会の終値は1万8450円。それをクリアするところまで回復したのは喜ばしい限りだ。
私はトランプ氏が大統領選に勝利する前々から、「10月から東京市場は黄金の3ヵ月相場に入る」と主張してきたこともあって、正直内心ニンマリなのだが、年内に年初来高値をクリアできる水準まで復活するとは思わなかった。それだけに戻りの早さには少々困惑もしている。
背景にあるのは、改めて書くまでもなく、もちろん「トランプノミクス」への期待だ。この点について最近、ある投資家さんに「先生、トランプ大統領がまだ正式に就任していないのに、市場はどんどん上げています。これは期待先行ではないでしょうか」、こう問われた。要するに行き過ぎ。こんな思いからのご質問の様子だった。
しかし、私にいわせれば、株は元々「期待先行」で動くもの。この点で現在の「トランプノミクス」相場は、実に株式市場らしい正常な展開を見せていると見るのが正解だ。
この点を勘違いすると、折角の「トランプノミクス」相場をただ外野席から眺めていなければならなくなってしまうので気をつけたい。
●利食いの準備も怠りなく!
ただ前述したように上昇ピッチが早すぎるのも確か。そこで日頃私が売買の手掛かりとしている基準を紹介させていただこう。
それは、「7・5・3の法則」だ。
実際のイベント「七五三(7・5・3)」は最近終わったばかりだが、株式投資でのそれは、
・3日続伸でニッコリ
・5日続伸で軽く警戒、売り準備に入る
・7日続伸で最大警戒、いつでも売れる体勢でいる
以上がある。そしてもう一つ、日経平均の25日移動平均線とのカイ離率について、
・カイ離率3%で安堵
・カイ離率5%で中警戒、軽く売り準備
・カイ離率7%で大警戒、いつでも売れる体勢でいる
このように利用している。カイ離率についてもっと具体的な数値(24日終値ベース)を紹介しておくと、
・日経平均のカイ離率3% 1万7965円
・同 5% 1万8314円
・同 7% 1万8663円
以上のような数字になり、すでにカイ離率3%、5%は超えた。「7・5・3」の「3・5」はクリアしたことになるため、いまは持ち株の中に利食えそうな銘柄があるのなら、いつでも売れる体勢でいることが求められる状況ということになる。
さて、ここでの注目銘柄。まずはエレベーターなど昇降機に強いフジテック <6406> を。トランプ次期大統領がインフラ整備に注力すると公約している以上、関連株としてこの株に注目だ。
ホッチキスのメーカーとしてよく知られているが、釘打ち機械に強いマックス <6454> もインフラ整備に不可欠な製品となるため株価も期待が持てる。
配管つなぎ目の気体・液体漏れを防ぐシール材に強い日本バルカー工業 <7995> も同様の観点から押し目は拾っておきたい。
いまや世界的に著名になったピコ太郎さんが所属しているのはエイベックス・グループ・ホールディングス <7860> 傘下のレーベルなので、同社株も当然魅力的になる。
最後に新興銘柄にも目を向けておくと、製造業向け中心の人材派遣や製造請け負いに強いUTグループ <2146> [JQ]がある。
2016年11月25日 記
株探ニュース