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【市況】今週の【早わかり株式市況】 「トランプショック」で大波乱、乱高下も政策思惑で一時9ヵ月ぶり高値奪還

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

今週の株式市場は大波乱の展開。「トランプショック」で急落したものの、経済政策思惑による米金利上昇と円安で大きく買い戻され、日経平均株価は一時9ヵ月ぶりの高値を付けた。

 週初の7日は、米大統領選の民主党候補クリントン氏の私用メール問題についてFBIが訴追を見送ったことが伝わり「トランプリスク」が後退。為替も円安に振れたことを受け、日経平均は急反発した。

 翌8日は9日午後に判明する米大統領選の結果を見極めたいとの思惑から終始小動きな展開となった。9日はクリントン候補が優勢との見方から朝方は高く始まったものの、開票状況が伝わり始めると様相が一変。前場後半から共和党のトランプ候補の優勢が明らかになるにつれ日経平均は下値を切り下げ、トランプ候補の勝利がほぼ確実な情勢になったことで日経平均は「英国EU離脱ショック」で1286円安と急落した6月24日以来の下げ幅となる919円安となった。為替も1ドル=101円台前半まで円高が進んだことで下げ足を加速させた。10日は大統領選で勝利したトランプ氏が掲げる経済政策に対する期待から前日のNYダウが大幅に上昇。さらに米長期金利が上昇したことで為替も一気に1ドル=105円台まで円安方向に大きく振れたことから買い戻しが殺到。日経平均は1092円高と今年最大の上げ幅となり、前日の急落分をわずか1日で取り戻した。

 11日も米株高と円安進行が好感され、日経平均は上値の節目とみられていた4月25日の高値1万7613円を一時上回り、2月2日以来ほぼ9カ月ぶりの高値を付けた。ただ、その後は利益確定売りに押され、伸び悩んだ。

 日経平均株価は乱高下したものの、前週比469円(2.78%)高の1万7374円と大幅に反発して取引を終えた。週間の振れ幅は1509円と「英国EU離脱ショック」で揺れた6月4週以来の大きさとなり、前週の671円から2.2倍に急拡大した。


 来週は、トランプ政権の政策動向に揺れる不安定な相場展開となりそうだ。ただ、インフラ投資や金利上昇で恩恵を受けるトランプ関連銘柄への物色は続く可能性がある。
 重要イベントとしては、国内では14日朝に発表される7-9月期GDPが注目される。海外では14日発表の中国10月鉱工業生産や17日に行われるイエレンFRB議長の議会証言に注視が必要だろう。また、17日にニューヨークで行われる安倍首相とトランプ次期米大統領との初会談にも注目したい。

◆マーケット・トレンド(11月7日~11日)

【↑】 11月 7日(月)―― 急反発、「トランプリスク」後退や円安で買い戻し
 日経平均 17177.21( +271.85)  売買高17億6163万株 売買代金 1兆9716億円

【↓】 11月 8日(火)―― 小反落、米大統領選を前に、手控えムード強く小動き
 日経平均 17171.38( -5.83)  売買高16億5971万株 売買代金 1兆7766億円

【↓】 11月 9日(水)―― 900円超安、「トランプショック」激震で一時1000円超の下げ
 日経平均 16251.54( -919.84)  売買高38億1019万株 売買代金 3兆9242億円

【↑】 11月10日(木)―― 1092円高と今年最大の上げ幅、トランプリスク後退で買い戻し急
 日経平均 17344.42( +1092.88)  売買高32億0033万株 売買代金 3兆4125億円

【↑】 11月11日(金)―― 一時9ヵ月ぶり高値、米株高・円安で上値追いも後半伸び悩む
 日経平均 17374.79( +30.37)  売買高33億9544万株 売買代金 3兆6150億円

◆セクター・トレンド(11月7日~11日)

(1)米金利上昇で三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険といった金融株が急反騰
(2)新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった素材株が大きく買われた
(3)コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株も買い戻された
(4)三井不 <8801> 、菱地所 <8802> など不動産株も堅調
(5)JT <2914> など食品、ニトリHD <9843> など小売りといった消費関連株はさえない

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