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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ソフバンテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■シルバエッグ <3961>  3,825円 (+700円、+22.4%) ストップ高

 27日に東証マザーズ市場に新規上場したシルバーエッグ・テクノロジー <3961> [東証M]とチェンジ <3962> [東証M]がともにストップ高。シルバーエッグはEC(電子商取引)サイトやウェブサービス企業向けに、人工知能(AI)技術をベースにしたマーケティング・サービスを提供。また、チェンジは現場の業務を支援するシステムのITベンダーで、モバイル、セキュリティー、クラウド、IoT、ビッグデータ/アナリスティックスなどを用い、「NEW-ITトランスフォーメーション」と呼ぶ事業をそれぞれ展開している。「AI 」「 IoT」とともに市場の関心の高いテーマに関連していることに加えて、直近IPO銘柄ならではの需給面的にしこりがないことなどへの関心が高く、短期的な値上がりを期待した資金が流入したようだ。

■ソフバンテク <4726>  2,805円 (+500円、+21.7%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。ソフトバンク・テクノロジー <4726> が3連騰、2004年10月以来12年ぶりの高値に買われた。同社は29日、ソフトバンクグループ <9984> が傘下に収めた英半導体設計大手のアーム社とパートナー契約を締結したことを発表、電子認証やIoT向けセキュリティーおよびアプリケーション開発などで連携していく構えにあり、物色人気を支えている。

■岩崎電気 <6924>  168円 (+27円、+19.2%)

 東証1部の上昇率2位。岩崎電気 <6924> が後場急騰。同社は29日正午過ぎに、ミネベア <6479> と資本業務提携契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。両社は2014年から協業で無線機能付きLED照明器具の開発を進めてきた経緯があり、さらに相互連携を深めることで付加価値の高い次世代製品やサービスの開発、コスト競争力のある価格の実現が図れるとの考えから資本業務提携に至った。なお、岩崎電は自己株式300万株(この自己株式処分後の発行済み株式総数に対する所有割合は3.83%)をミネベアに割り当てるとしている。

■トクヤマ <4043>  421円 (+58円、+16.0%)

 東証1部の上昇率3位。28日、トクヤマ <4043> が多結晶シリコンの製造販売を手掛ける子会社トクヤママレーシアの全株式を韓国のOCI社に約98億円で売却すると発表したことが買い材料視された。同社は2009年にトクヤママレーシアを設立したが、設備の技術的な問題や市況悪化などで、これまで2度にわたる巨額な減損損失を計上していた。事業継続に向け、他社との提携などを検討した結果、太陽電池市場で幅広く事業を展開しているOCI社に譲渡することが最善策であると判断した。発表を受け、不採算事業からの撤退による収益改善に期待する買いが向かった。

■竹内製作所 <6432>  1,662円 (+166円、+11.1%)

 東証1部の上昇率5位。竹内製作所 <6432> が3日続伸。同社は28日の取引終了後、17年2月期の連結業績予想の修正を発表。営業利益を123億円から130億円(前期比19.9%減)へ上方修正、売上高は805億円(同5.5%減)、純利益は77億円(同20.7%減)で据え置いた。米国や欧州での建設機械の販売が期初見通しよりも増加し、為替も想定より円安に推移、未実現利益消去額が想定より減少したことが寄与している。

■国際石油開発帝石 <1605>  906.1円 (+48.8円、+5.7%)

 国際石油開発帝石 <1605> 、石油資源開発 <1662> 、日本海洋掘削 <1606> など資源開発関連や、NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN <2038> [東証ETN]など原油価格に連動するETNなどが軒並み大幅高。石油輸出国機構(OPEC)が28日、アルジェリアで行われた臨時総会において増産凍結で合意した。会合前にはサウジアラビアとイランの利害対立から合意は困難との観測が強かっただけに、ポジティブサプライズとなり、28日のWTI原油先物価格は2ドル38セント高の1バレル=47ドル5セントと急反騰した。加盟14ヵ国は8月時点で日量3324万バレルを生産していたが、これを3250~3300万バレルに制限する方針で実質的には減産の方向となる。OPECが減産するのはリーマン・ショックが起きた2008年以来のこととなり、市場関係者の間でも驚きをもって受け止められた。これを受けて前日の米国株市場では、エクソンモービルが4.4%高、シェブロンが3.2%高に買われるなどエネルギー関連株が急伸、全体指数の上昇を牽引した。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、原油市況と株価連動性の高い銘柄に物色資金が集中した。

■イーレックス <9517>  2,940円 (+150円、+5.4%)

 イーレックス <9517> が後場一段高。同社は29日午前11時30分に、福岡県豊前市で検討している バイオマス発電事業の準備会社設立を決議したことを明らかにした。この事業は、九州高圧コンクリート工業(福岡市)の敷地内に出力約7.5キロワットの木質ペレットおよびパームヤシ殻を主燃料とするバイオマス発電所を建設・運用し、燃料はイーレックスが全量供給するもの。2017年に建設に着手し、19年度に完成する予定で、完成時にはバイオマスを主燃料とする発電所としては国内最大級となる見通し。

■新日鉄住金 <5401>  2,120円 (+102.5円、+5.1%)

 新日鉄住金 <5401> 、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> 、神戸製鋼所 <5406> など鉄鋼株が軒並み高。鉄鋼市況は中国の過剰生産の影響を受けて低迷しているが、中国国営大手鉄鋼2社の経営統合が発表されたことで、生産設備の調整が見込まれ需給改善効果に期待が膨らんでいる。原料の石炭価格の上昇も頭打ち感が出てきており、風向きは徐々に変わってきていることから、見直し買いを誘ったもよう。

■日立国際電気 <6756>  1,893円 (+78円、+4.3%)

 日立国際電気 <6756> が年初来高値を更新。あらゆるものをインターネットとつなぐIoT時代の到来で、データセンターの大容量化・高速化投資が加速する流れにある。半導体も従来型の平面型ではなく立体方向に積層化された3次元NAND型メモリー関連の設備投資需要が高まりをみせている。そのなか、同社は熱処理技術で高実績を誇り、サーマルプロセス装置(熱処理成膜装置)で群を抜くシェアを持っている。これが来18年3月期以降の業績に大きく反映される可能性が指摘されている。17年3月期は営業利益段階で前期比22%減の126億円を見込んでいるが、国内中堅証券企業調査部では18年3月期について225億円(今期予想比78.5%増)を試算している。

■アドバンテスト <6857>  1,388円 (+57円、+4.3%)

 SMBC日興証券が28日付でアドバンテスト <6857> の投資判断を「3(弱気)→2(中立)」に引き上げ、目標株価を800円→1470円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、17年3月期第1四半期実績でリーマン・ショック以降で最も高い営業利益率を記録するなど収益性が大きく改善したとことを評価。今後もSoCテスタV93000などを軸に収益性改善に持続性があると指摘している。同証券では、17年3月期の連結営業利益を85億円→200億円(会社計画は110億円)、18年3月期を100億円→225億円、19年3月期を115億円→245億円にそれぞれ引き上げた。

■東電HD <9501>  453円 (+17円、+3.9%)

 東京電力ホールディングス <9501> が大幅高。同社は三菱重工業 <7011> と日立製作所 <6501> の火力発電部門の統合会社「三菱日立パワーシステムズ」と業務提携すると複数のメディアが報道した。あらゆるモノをインターネットでつなぐ「IoT」の技術を生かし、タービンやボイラーなどに取り付けたセンサーからタービンの回転数のほか燃料の消費量などのデータを解析し、最も効率がいい運転を自動制御するシステムを作る。このシステムの構築により燃料コストの抑制などを図る方針で、東南アジアなどの発電所に売り込み、収益源とするという。

■静岡銀行 <8355>  833円 (+27円、+3.4%)

 28日、静岡銀行 <8355> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.62%にあたる1000万株(金額で100億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は10月3日から11月18日まで。同時に17年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の330億円→250億円に24.2%下方修正したが、売り材料視されなかった。

■日立ハイテクノロジーズ <8036>  4,030円 (+125円、+3.2%)

 日立ハイテクノロジーズ <8036> が4日続伸、年初来高値を更新した。同社は29日、認知機能の維持・向上をめざした機能性表示食品の開発において、脳科学を活用した検証支援サービスを開始すると発表した。脳科学コンサルテーションサービスやニューロマーケティング事業の知見を元に、機能性表示食品の検証に向けた支援サービスを行うもの。具体的には、顧客の要望に基づいた検証の仮説設定から、計測時の課題検討、脳計測および行動計測、解析、検証後の論文執筆に関する支援や製品販売後の市場調査まで幅広いサポートを行う。これにより機能性表示食品の開発から発売後の市場調査まで、脳科学を活用したトータルサービスの提供が可能になる。

■住友金属鉱山 <5713>  1,424.5円 (+41.5円、+3.0%)

 住友金属鉱山 <5713> やDOWAホールディングス <5714> 、三菱マテリアル <5711> など非鉄株が軒並み高。石油輸出国機構(OPEC)は28日、臨時総会で原油生産量を8年ぶりに減産することで合意。原油価格が急騰し、リスク選好姿勢が高まるなか非鉄相場も上昇。28日のロンドン金属取引所(LME)で銅価格(3ヵ月物)は前日比31ドル高の1トン=4818ドルに上昇したほか、亜鉛やニッケル価格も値を上げた。これを好感する格好で、非鉄株への見直し買いが流入した。

■日立造船 <7004>  523円 (+15円、+3.0%)

 日立造船 <7004> が反発。同社は28日、埼玉県春日部市から春日部市豊野環境衛生センター基幹的設備改良工事を受注したことを発表した。この案件は、稼働開始後23年目を迎えた同施設の機能回復による延命化を目的に実施するもので、環境省の「二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金」を利用した事業となる。受注金額は48億4900万円で工期は2019年3月までを予定している。

■住友商事 <8053>  1,135.5円 (+31円、+2.8%)

 住友商事 <8053> が反発。同社は28日、駐車場シェアリングサービスを提供するakippa(大阪市西区)と業務提携することを発表した。今回の業務提携により共同で法人需要の本格的な開拓を目指し、約60万台のオートリース契約を有する住友三井オートサービスやジュピターテレコム、不動産関連子会社などの住友商事関係会社やその取引先におけるakippaの駐車場シェアリングサービス活用の可能性を追求し、営業活動における協業体制を構築していく。

■あすか製薬 <4514>  1,862円 (+42円、+2.3%)

 28日、あすか製薬 <4514> が難吸収性抗菌薬「リフキシマ」の製造販売承認を取得したと発表したことが買い材料視された。同薬は腸内細菌に作用し肝性脳症の主な原因となるアンモニアの産生量を減少させ、肝性脳症における高アンモニア血症を改善する薬剤。発表を受けて、肝性脳症治療薬の販売による収益貢献に期待する買いが向かった。

■ゼリア新薬工業 <4559>  1,716円 (+32円、+1.9%)

 ゼリア新薬工業 <4559> が反発。同社は28日の取引終了後、クローン病治療剤「ゼンタコートカプセル3mg」(一般名はブデソニド)の製造販売承認を取得したことを発表した。「ゼンタコート」は「Entocort」として全世界40ヵ国以上で販売されており、海外のガイドラインにおいてクローン病治療の第一選択薬として推奨されている。国内では医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議での検討を経て、アストラゼネカが開発を開始。2015年7月にスイスのゼリア新薬子会社がアストラゼネカから「Entocort」の米国を除く全世界の権利を取得したことに伴い、日本国内でゼリア新薬が昨年10月に製造販売承認申請していた。

■ファーストリテイリング <9983>  32,480円 (+440円、+1.4%)

 ファーストリテイリング <9983> が4日ぶり反発。28日の取引終了後、ユニクロが「ヒートテック」の2016年モデルを発表しており、主要商品で前年比300円程度値下げしたことが好感された。前年は税別1290円だった定番の「ヒートテックインナー」を990円にしたほか、「ヒートテックエクストラウォームインナー」などで前年比より価格を引き下げる。主力商品の値下げにより客数回復基調の継続を図るもようで、業績への貢献を期待した買いが入った。

■コナミホールディングス <9766>  3,895円 (+40円、+1.0%)

 コナミホールディングス <9766> が3連騰、オーイズミ <6428> も大幅高で年初来高値を大幅更新するなどカジノ関連の一角に買いが集まった。「秋の臨時国会でIR推進法案の審議が行われており、公明党とのパイプが太い二階自民党幹事長がIR推進の立場にあることから、今国会での法案成立に期待する声も強いようだ」(国内準大手証券ストラテジスト)と指摘されている。会期末は11月末で「成立の有無というよりは、期間限定の“日銀プレー”的なニュアンスで個人投資家などを中心とした短期資金の買いが入りやすい」(同)という。

■村田製作所 <6981>  13,295円 (+135円、+1.0%)

 村田製作所 <6981> 、アルプス電気 <6770> 、TDK <6762> 、日東電工 <6988> 、ローム <6963> など電子部品株が一斉に買われた。アップルの「iPhone7」が想定以上の人気を博したことなどで、アップルサプライヤーズに指定されている電子部品各社は今月に入り大きく買われる場面もあったが、高値では利益確定の売り圧力にさらされ上値の重さも意識されている。足もと原油市況急反騰によるリスクオンの流れを映して為替も円安方向に振れ、電子部品セクターにも追い風となった。なお、SMBC日興証券は28日付で電子部品セクターについてのレポートを発行、業種格付けを「中立」としている。そのなかで「iPhone7」や「iPhone7プラス」の売れ行きは、決して堅調ではないとみており、短期的に同関連銘柄の株価下落に注意が必要との見解を示している。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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