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【特集】電算システム Research Memo(6):海外展開の推進とストック型ビジネスへの収益構造転換

電算システム <日足> 「株探」多機能チャートより

■中計経営計画の進捗状況

(1)概況

電算システム<3630>は2020年度までの長期経営計画『PLAN2020』も公表している。2020年12月期において売上高500億円を目指すとしており、そのための成長エンジンとして3分野8事業をピックアップしている。これらの内容は、従来から変更はない。

この長期経営計画を着実に実現するための具体的な経営計画として、同社は向こう3ヶ年の中期経営計画を毎年ローリング(見直し)して発表している。現在の中期経営計画の業績目標は2016年2月に発表されたが、2016年12月期第2四半期を終えた段階では、これらの業績目標値に変更はない。前述のように、今第2四半期決算を終えた段階では、内訳にばらつきはあるものの、全体としては計画線上で順調に推移していると弊社では評価している。

2016年12月期から2018年12月期までの3ヶ年の重点施策として同社は、1)海外展開の推進と、2)フロー型ビジネスからストック型ビジネスへの収益構造の転換の2つを掲げている。

このうち2)のストック型ビジネスへの転換については、元来がストック型ビジネスモデルとなっている収納代行サービスセグメントが順調に成長を続けていることや、元来がフロー型ビジネスモデルの情報サービスセグメントにおいて、ストック型ビジネスであるクラウドサービスが高い成長を続けていることは、前述のとおりだ。フロー型の典型であるSI・ソフト開発も、一旦受注を獲得して納品すれば、その後は保守サービスというストック型ビジネスへと発展させるチャンスが生まれてくる。現状はフロー型ビジネスとストック型ビジネスが両輪として成長を続けながら、ストック型ビジネスの構成比が着実に高まりつつあるという、好循環のステージにあると弊社ではみている。

(2)海外展開について

もう1つの重要施策である海外展開について、同社はフィリピンでの収納代行サービスの事業開始を公表した。同社はかねてより海外展開について言及してきたが、具体的な内容が明らかにされたのは今回が初めてだ。

今回公表されたのは、フィリピンの国内最大の配電会社であるMERALCOの100%子会社CBCIと組んで収納代行サービス(日本における“収納窓口サービス”に相当するもの)を展開するというものだ。CBCIはMERALCOの子会社として請求書の料金回収業務を担当している。今回の事業提携は、回収効率を上げるために収納代行サービスしたいというCBCIのニーズと、海外で収納代行サービス事業を拡大したいという同社のニーズがうまく合致した結果と言える。

具体的な協業の内容は、同社は収納代行サービス向けのアプリケーションを提供し、システム利用料を課金するというビジネスモデルになる。また、実際の収納窓口店舗としては日系コンビニエンス・ストアと現地の小売店を想定しているが、同社はCBCIと共同で契約店舗の開拓にも取り組む計画だ。

このフィリピンでのサービス開始の時期は明らかにされていないが、早ければ今秋にも始まるとの見方もある。弊社ではフィリピン国内の事情なども踏まえれば実体的には2017年に入ってからのスタートになるのではないかとみている。

フィリピンの今回の案件は、同社の海外展開にとっては第1歩でしかない。これを足掛かりに、フィリピン国内での深耕という垂直展開と、フィリピン以外の国での事業推進という水平展開の両面で海外事業を展開していくとみられる。ただし、それを考えるのは時期尚早であり、まずはフィリピンでのCBCIとのプロジェクトの進捗見守るとともに、海外事業の収益貢献のポテンシャルや事業遂行の様々な課題を見極めたいと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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