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【市況】ポケモノミクス再燃、TOPIX型の出遅れ修正にも向かわせそう【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

9日の日経平均は続伸。114.40円高の16764.97円(出来高概算18億9000万株)で取引を終えた。8日の米国市場が利食い優勢の流れとなったことを受けて、小幅に下落して始まった。その後は、日銀のETF買い入れへの思惑等から下を売り込む流れにはならず、前日終値を挟んでのこう着が続いた。しかし、午後に入るとじりじりと上げ幅を拡大させている。日経平均に対する寄与度の大きいソフトバンクグ<9984>が日経平均を押し上げるなど値がさ株の一角が強い動きにより、日経平均は大引けにかけて上げ幅を拡大させていた。

東証1部の騰落銘柄は、前引け段階では値上がり、値下がり数が拮抗していたが、大引け段階では値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めていた。セクターではその他製品が上昇率トップ。任天堂<7974>が売買代金トップで7%を超える上昇となったインパクトが大きい。任天堂の上昇は他のポケモノミクス関連銘柄への物色に波及している。その他、鉱業、水産農林、鉄鋼、その他金融、パルプ紙、情報通信、卸売、食料品、海運が堅調。半面、空運、輸送用機器、ゴム製品、倉庫運輸、電力ガスが冴えない。円相場は1ドル102円40銭辺りでの推移が続いていた。

日経平均は本日の上昇でMACDなどテクニカルシグナルが陽転している。価格帯別出来高の商いが積み上がっている16600-16800円のレンジを捉えてきており、レンジ上限に接近している。日銀ETF買い入れに伴う思惑から売り込みづらい状況であるが、決算発表ピークで商いが膨らみづらい需給状況のなか、小さなエネルギーでもトレンドが出やすいとみられる。また、日銀のETF買い入れへの思惑から、利益確定の向きも、いったんは売り惜しみしやすいであろう。

明日は祝日前で商いはより限られるとみられ、本日のように任天堂<7974>などテーマ性の大きい銘柄に値幅取り狙いの資金がシフトしやすいだろう。また、日経平均をTOPIXで割って算出する「NT倍率」がほぼ17年ぶりの水準に拡大するなか、次第にTOPIX型の出遅れ修正にも向かわせそうである。

《AK》

 提供:フィスコ

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