【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):NEC、富士フイルム、ヤクルト、ソニー
NEC <日足> 「株探」多機能チャートより
NEC<6701>はしっかり。この日、日本信号<6741>と、成田国際空港の職員検査場で、歩いたままでの顔認証を可能とする「ウォークスルー顔認証システム」、および爆発物の微粒子を高速に探知する「ゲート内蔵型爆発物探知システム」の実証実験を実施すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。「ウォークスルー顔認証システム」は、NECの顔認証エンジン「NeoFace」を活用し、事前に撮影・登録した利用者の顔画像と、ゲートに設置したカメラで撮影した顔画像を照合して本人確認を行うもの。一方、「ゲート内蔵型爆発物探知システム」は、日本信号が文部科学省の「社会システム改革と研究開発の一体的推進」事業で日立製作所<6501>および山梨大学と連携し開発したもので、高度なセキュリティーが求められる空港における運用上の効果・課題を検証するとしている。
■富士フイルム <4901> 4,338円 +79 円 (+1.9%) 本日終値
富士フイルムホールディングス<4901>は堅調。6日付で岡三証券がレーティングを新規「強気」、目標株価を5200円に設定した。新規参入障壁が高いことや欧米を中心にさらなる普及が期待できることなどから、「チェキ」の好調は継続すると指摘。また、「チェキ」のビジネスモデルはカメラ本体の販売に加えて、消耗品の販売も伴うものとなっており、累積販売台数の拡大により、中長期的に消耗品の販売が加速するとしている。
■山陽特殊製鋼 <5481> 496円 +8 円 (+1.6%) 本日終値
山陽特殊製鋼<5481>が続伸、5月初旬に400円台前半に売り込まれたがその後戻り足を強めている。政府はアベノミクス推進の一環としてリニア中央新幹線の建設について全面支援する方針を明らかにしており、財政投融資の活用でJR東海<9022>が品川―名古屋開業後に速やかに名古屋―大阪間の工事に着手できるよう資金面でバックアップ体制をとる構えにある。リニアの延伸前倒しに国策が動き出したことで、関連企業への商機が膨らむ可能性が高まっている。そのなか、「同社は超電導コイルの締結用ボルトを手掛ける銘柄として注目する動き」(市場関係者)があるようだ。
■ヤクルト本社 <2267> 5,260円 +60 円 (+1.2%) 本日終値
ヤクルト本社<2267>が小幅ながら3日続伸。SMBC日興証券はリポートで、同社のアジア・オセアニアセグメントに含まれるインドネシア事業は、ルピア安などを背景としたマクロ経済の逆風下でも、販売数量が前年を10%以上超えていると紹介。インドネシアでは、ヤクルトの販売量のうち、店頭販売と宅配販売の割合がほぼ5:5で、宅配の構成比が上昇傾向にあり、顧客との対面販売である宅配は景気変動の影響を受けにくいと指摘。一方、中国は宅配依存度が15%程度と低く、店頭チャネルのほうがマスマーケティングの手法を活用して販売数量を拡大し易い半面、ディフェンシブ性は低いと解説。同社の広州での新たな取り組みの成果に注目している。投資評価は「2」(中立)を継続。目標株価は5820円から4670円へ引き下げている。
■日本M&Aセンター <2127> 7,030円 +50 円 (+0.7%) 本日終値
日本M&Aセンター<2127>が3日続伸。M&Aの成約件数が足もと増勢にあるほか、「手持ちの案件の数も高水準で今後の収益に反映される公算が大きい」(国内中堅証券)という。同社は中堅・中小企業のM&A仲介を主力とするが、業績好調ながら後継者が未定の企業は多く、潜在的な市場開拓余地は大きいとみられている。17年3月期営業利益は14%増益予想と前期に続き2ケタ増益を確保する見通し。
■ITホールディングス <3626> 2,701円 +17 円 (+0.6%) 本日終値
ITホールディングス<3626>が高い。6日の取引終了後、グループ会社のTISが、東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センターが来年1月から予定している次世代個人認証に関する大規模な実証実験「MITHRA Project(ミスラ プロジェクト)」に参画すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。「MITHRA Project」は、近年のスマートフォンやウェアラブル端末の広い普及によって整ってきた環境をもとに、人間の行動データを活用したまったく新しい「ライフスタイル認証」の技術に取り組むというもので、小学館(東京都千代田区)、凸版印刷<7911>、ヤフー<4689>などが参加。TISは実証実験サーバーの構築を行うとともに、その中核となる認証データベースに「ブロックチェーン技術」を適用する実験も合わせて行うとしている。
■ソニー <6758> 3,102円 +17 円 (+0.6%) 本日終値
ソニー<6758>が3日続伸で年初来高値に買われた。為替の円安を受けた電機株買いの流れに乗っている。ただ、ドイツ証券では6日、同社株のレーティングの「ホールド」を継続する一方で目標株価を3500円から3300円に引き下げた。同証券では「株価上昇には新しい利益成長ストーリーが求められる」と指摘している。具体的には、同証券では今後3年間の平均EPS成長率は20%と予想し18年3月期に向けてゲーム事業、映画事業がけん引する利益成長を想定している。しかし、「足もとの株価に割安感はなく、想定するポジティブ要素はおおむね織り込まれた」とし、一段の株価上昇には新しい成長ファクターが必要とみている。
■カシオ計算機 <6952> 1,641円 +8 円 (+0.5%) 本日終値
カシオ計算機<6952>が小幅に続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はリポートで、従来のエクイティストーリーを弱めると紹介。同社業績は時計以外の事業の収益改善の遅れや、リスト端末の先行投資費用の拡大から増益率は低下、最高利益更新時期も従来の16年3月期更新から18年3月期へと変更している。ただ、1)営業利益の為替感応度が最も低い、2)ムーブメントの外販がない、3)時計以外に景気敏感事業がない、4)特に海外でのブランド力が高い、の4つを理由に、時計3社の中では外部環境に対する抵抗力が強く成長力は高いとの見方は変更しないと解説。目標株価を3600円から2600円へ引き下げているものの、レーティングは「オーバーウエイト」を継続している。
■クミアイ化学工業 <4996> 830円 -107 円 (-11.4%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
クミアイ化学工業<4996>は午後一段安。この日正午ごろ、16年10月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の743億円から660億円(前期比8.0%増)へ、営業利益を45億円から32億円(同14.0%減)へ、純利益を52億円から40億円(同39.1%減)へ下方修正したことが嫌気されている。円高の進行や国内の販売が低調に推移したことで売上高が計画を下回ることに加えて、試験研究費などが従来予想に比べて増加していることなどが要因としている。
●ストップ高銘柄
宮越ホールディングス <6620> 610円 +100 円 (+19.6%) ストップ高 本日終値
リプロセル <4978> 512円 +80 円 (+18.5%) ストップ高 本日終値
コラボス <3908> 4,690円 +700 円 (+17.5%) ストップ高 本日終値
ホットリンク <3680> 721円 +100 円 (+16.1%) ストップ高 本日終値
グリーンペプタイド <4594> 1,092円 +150 円 (+15.9%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース