【特集】円高「逆境」に打ち勝つ“好取組&好業績”銘柄リスト <株探トップ特集>
ゼンショHD <日足> 「株探」多機能チャートより
―経常利益10%増以上の信用需給良好株をピックアップ―
前週末の米5月雇用統計の内容が市場予想を大幅に下回ったことで、外国為替市場で円高・ドル安が急速に進行。これを受けて、6日の東京株式市場は採算の悪化を懸念して、輸出関連の主力銘柄を中心にほぼ全面安のスタートとなった。ただ、その後円高進行が一服商状となると日経平均株価は下落幅を縮小した。今回は、東証信用倍率で取組妙味があり、今期経常利益が10%増以上の好業績予想銘柄に注目した。
●ゼンショーHDは、新規出店を一段と積極化
ゼンショーホールディングス <7550> の17年3月期の連結業績予想は、売上高5588億6100万円(前期比6.3%増)、経常利益167億7200万円(同47.4%増)を見込む。今期の新規出店件数は前期の出店実績140店舗に比べて65%増の231店(国内105店舗、海外126店舗)の出店を計画している。「はま寿司」や海外の「すき家」を中心とした新規出店および既存店売上高の拡大などにより、増収増益となる見込み。
●日空ビル、17年3月期業績は2ケタ営業増益予想
日本空港ビルデング <9706> の17年3月期の連結業績は、売上高は2210億円(前期比8.3%増)、経常利益は156億円(同14.3%増)と2ケタ経常増益を見込む。訪日外国人観光客数が順調に増加していることなどを背景に、航空旅客数増加により施設利用料収入が伸びたほか、1月に開業した三越銀座店の空港型市中免税店が、今期は通年営業となることが収益に寄与する。さらに、機内食売り上げの増収も見込まれる。
●WSCOPEが16年12月期業績予想を上方修正
リチウムイオン電池セパレーター専業メーカーのダブル・スコープ <6619> は、5月10日に16年12月期の連結業績見通しについて、売上高は従来予想の100億円(前期比34.3%増)を据え置きつつも、経常利益を21億円から25億円(同21.7%増)へ上方修正した。EV(電気自動車)やEVバスなど車載用途の需要拡大を背景に、リチウムイオン2次電池用セパレーターの需要は上昇局面が継続する見通しだ。中国の車載用途および民生機器用途の主要顧客からの受注が安定的に推移している。
●エフピコは、PET容器リサイクル促進で効率化
食品トレー、弁当・総菜容器最大手のエフピコ <7947> の17年3月期の連結業績は、売上高1760億円(前期比3.4%増)、経常利益155億円(同10.5%増)を見込んでいる。16年3月から稼働を開始した中部エコペット工場では、回収したPETボトル・PET透明容器をエコAPET容器の原料として再利用する「ボトルtoトレー」のエフピコ方式リサイクルを推進し、グループで生産するAPET透明容器のうち、エコAPETの販売比率を16年3月時点の74%から87%まで引き上げる。また、関東エリアで、リサイクル製品の生産能力の拡大を図るために、新たなPETリサイクル工場建設を検討している。
◆今期大幅経常増益の信用好取組銘柄◆
今期 信用
銘柄(コード) 増益率 倍率 株価 PER
パナホーム <1924> 35.5 0.20 882 10.7
日本M&A <2127> 12.4 1.17 6670 51.4
スタートトゥ <3092> 23.9 0.42 4995 35.5
レンゴー <3941> 44.3 0.34 655 11.7
ファンケル <4921> 2.2倍 0.50 1403 47.2
丸一鋼管 <5463> 17.2 0.06 3650 19.9
洋缶HD <5901> 23.8 0.13 2293 19.0
WSCOPE <6619> 21.7 1.24 6210 37.6
日新電 <6641> 23.6 1.23 1326 13.7
ケーヒン <7251> 58.9 0.77 1793 8.8
ゼンショーHD <7550> 47.4 1.67 1440 31.9
エフピコ <7947> 10.5 1.11 4815 19.0
京急 <9006> 2.1倍 0.10 1035 16.1
日本空港ビル <9706> 14.3 0.66 3700 26.4
オートバックス <9832> 14.4 1.39 1682 23.8
※東証信用倍率は5月27日申し込み現在
※株価は5月27日終値(単位:%、円、倍)
株探ニュース