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【特集】【今週読まれた記事】週替わりで沸騰のテーマ物色、今週はバイオに

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 株探でその週によく読まれた記事を紹介する【今週読まれた記事】のコーナー、今週は3月26日から4月1日までの株探へのアクセス状況を元に人気の記事をご紹介します。

 週初の相場は3月初めからのもちあいが継続、日経平均株価は1万7000円を挟んだ往来となりました。しかし、週半ばから為替は円高方向に。週末は日銀短観の悪化が決定打となり、日経平均はまさかの594円安。寄り付き天井で一本調子に下げ続け、新年度を迎えた今週の相場は春の嵐に見舞われました。

 一方で、594円安の週末も個別株の値上がり上位にはバイオテクノロジー関連がぞろぞろ。リボミック <4591> [東証M]やアンジェス MG <4563> [東証M]が10%を超える上昇となったほか、東証1部銘柄でもアイロムグループ <2372> が5.5%高と、全体相場とは離れた熱狂が続きました。アクセス上位の記事にもバイオ関連が並びました。ランキング1位が「2倍3倍続出『バイオ株』、次なる“変貌候補”」、そして2位が「急騰劇相次ぐ、バイオ株繚乱! <うわさの株チャンネル>」と、テーマ株物色の矛先が先週までのフィンテックからバイオに移ったことが如実に表れていました。

 人気テーマランキングでもバイオ関連だけでなく、iPS細胞再生医療創薬など、関連性の高いテーマが上位に並びました。

 人工知能フィンテックバイオ関連と物色テーマが移ってきた背景には、新興市場の復活があります。マザーズ指数は3月29日に1000ポイントの大台を約8ヵ月ぶりに回復。2012年12月に始まるアベノミクス相場のなかで何度か跳ね返されてきたボックス相場上限に到達しています。これを受け、バイオ関連以外の有望株を探った「マザーズ“沸騰前夜”、関門突破ならこの銘柄が来る!?」、マザーズ上場銘柄の中から連続経常最高益更新銘柄で、なおかつ増益率が20%以上の銘柄をピックアップした「快進撃続く、マザーズ【最高益】銘柄リスト 45社選出 <成長株特集>」も多くのアクセスを集めました。後者のマザーズ最高益銘柄リストは、新興市場の醍醐味である成長株の発掘に直結するもの。週末に相場が崩れたことで、このところの新興市場の過熱が冷め、思わぬ安値で成長株を拾えるチャンスかもしれません。

 新興市場という枠組みを離れると、「10万円以下で買える『お宝候補 低PER株』 <割安株特集>」、「増益基調が続く、低PBRの『お宝候補』最新リスト <割安株特集>」、「“円高リスク”ない内需株、16年3月期【業績上振れ】有望リスト 30社選出 <決算特集>」が人気を集めました。「“円高リスク”ない内需株」は再び為替が円高方向に振れていることを合わせると、さらに注目の度合いが高まっているかもしれません。

 さて、ここまで有望株紹介の記事が上位に並んだことを報告してきましたが、そうは言っても週末の大崩れと来週以降の新年度相場が気になるところ。連載陣では「富田隆弥の【CHART CLUB】」が前週末3月26日に「新年度、流れを要チェック!」で、「新春の如く期待とは裏腹にマーケットはヘソを曲げることもある」と、年初の下げ相場再現の可能性に警鐘を鳴らし、多くの方に読まれました。さらに引用すると、「2月12日安値から引く下値抵抗線が1万7000円処にあり、24日は終値1万6892円とそれを割り込みかけている。25日線が1万6620円処、18日安値が1万6613円であることから、1万6600円を割ると『陰転懸念』が再び台頭することになる。抵抗線割れはその前兆」とあり、既に前週末、週末ショック安の気配を感じ取っていたようです。さて本日(4月2日)の「富田隆弥の【CHART CLUB】」最新記事での分析が気になるところです。

 毎日連載の「伊藤智洋が読む『日経平均株価・短期シナリオ』」もまた、下げ相場転換の可能性を訴えています。4月1日朝の記事では、3月18日安値1万6613円を割り込めば、「3月1日安値の1万5857円まで下げる公算」を指摘。全体相場は難しい局面にあるようです。

 識者の見方はどうでしょうか。前週末に行ったインタビューのため、状況は変わってしまいましたが、今週によく読まれたのは「大谷正之氏【新年度相場のリード役を探る!】(2) <相場観特集>」「小川英幸氏【新年度相場のリード役を探る!】(1) <相場観特集>」の2本で、ともに共通して指摘されたのが消費増税延期、景気対策、選挙が与える影響です。市場ではこのところ、現在の相場は政策催促相場との指摘が大きくなっています。金曜夜配信のため、今週のアクセス上位には入っていない記事ですが、「来週の株式相場見通し」も「今回の株価下落を“政策催促相場”と受け止める向きもあり」「政府主導の経済対策が前倒しされる議論が浮上すれば、全体相場の買い戻しを誘発する可能性」を指摘しています。

 どうやら現在のマーケットは個別企業の業績ではなく、政府の動向に目を向けているもよう。アベノミクス相場が始まって3年余り。有効な経済政策が打ち出され、上昇相場に復帰できるかどうかの分かれ目に来ているようです。

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