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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「新年度、流れを要チェック!」

株式評論家 富田隆弥

◆配当と分割の権利取りを終え、29日から4月新年度商い。新年度マネーの流入や、伊勢志摩サミット控え政府の緊急経済対策など市場からは先高観測が聞こえてくる。ただし、相場は流れに従うもの。新春の如く期待とは裏腹にマーケットはヘソを曲げることもある。

日経平均株価は2月12日安値(1万4865円)から直近高値1万7291円(3月14日)まで戻りを進めた。だが、その後は年度末でありながら足踏みが続く。チャートは25日移動平均線をクリアし、一目均衡表の「雲」(1万6211~1万7439円)に突入したものの、75日線(1万7411円処)には届かず、週足の13週線(1万6920円処)や遅行線の位置する「雲」下限(1万6945円)を意識している状況だ。新年度相場で躍進するには、少なくとも1万7400円台にある75日線と日足「雲」上限を上抜く必要がある。

◆一方で、下値のポイントも押さえておかねばならない。2月12日安値から引く下値抵抗線が1万7000円処にあり、24日は終値1万6892円とそれを割り込みかけている。25日線が1万6620円処、18日安値が1万6613円であることから、1万6600円を割ると「陰転懸念」が再び台頭することになる。抵抗線割れはその前兆であり、日足のチェックが怠れない。

◆世界のカギ握るNYダウは22日1万7648ドルまで上昇。2月11日安値1万5503ドルから1ヵ月半で2145ドル(13.8%)とほぼ一本調子の上昇を演じ、52週線(1万7300ドル近辺)をクリアした。年初来でプラス圏に浮上し、昨年の高値1万8351ドルも視野に入ってきた。ただし、1万7000ドル台は昨年来の厚い節で、昨年来の上値抵抗線1万7750ドル近辺にも近づく。連騰に伴いテクニカルは過熱を帯びており、2月安値から引く下値抵抗線(1万7400ドル近辺)を割るなら、それなりの反動(調整)を覚悟することになるので、こちらも下値抵抗線に対する注視が必要だ。

◆景気や金利、原油や為替、そして地政学リスクとマーケットを取り巻く環境は依然慌ただしい。新年度とあって市場関係者から楽観論が多く出てくる。日経平均が上昇基調にあるならその声を参考にすべきだが、日足がもし陰転するなら楽観論にフタをし好転を待つことになる。日経平均の上下のポイントをしっかりチェックしていきたい。

(3月24日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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