【特集】新年10大テーマ (7) 米大統領選挙 <株探トップ特集>
―トランプ当選なら米国株は大暴落?―
今年は4年に1度の米国大統領選挙イヤー。全世界の政治・経済に多大な影響を与える米国大統領に誰が就任し、どんな政策を実施するかは市場関係者にとっては、見逃せない重要テーマだ。今回は、現職のオバマ大統領が2期の任期を終了するため、8年ぶりの現職不在の選挙となる。市場には「今後の選挙レースの行方次第では相場の波乱要因となる可能性も」との見方が出ている。
●混迷続けば相場の波乱要因に
米大統領選挙の投開票日は11月8日。これから、長丁場の大統領選挙レースが始まる。
今後のスケジュールを確かめると、2月1日にアイオワ州党員集会があり、9日にニューハンプシャー州の予備選挙が実施される。
続いて3月1日のスーパー・チューズデー(米大統領選予備選・党員集会集中日)が大きな焦点となる。党員集会や予備選挙は6月まで続き、7月に共和・民主党の全国大会で大統領候補を選出。10月の大統領候補討論会を経て、11月8日の決選に向かうことになる。
現時点では、民主党の大統領候補は前国務長官のヒラリー・クリントン氏が有力視されている。
一方、共和党の台風の目となっているのが、不動産王のドナルド・トランプ氏だ。「イスラム教徒の入国を禁止することを呼びかける」など、歯に衣着せぬ発言が人気を集め、共和党の候補者として世論調査の支持率でトップを走っている。現時点では、候補者間での本格的な政策論争に至ってはおらず、市場関係者からは「米大統領選後の政策が見えにくい」という声が多い。
このなか、リスクファクターとなっているのが、トランプ氏の躍進だ。“トランプ旋風”は今回の米大統領選のキーワードだが、大統領選が本格スタートを切ってからも同氏の人気が維持できるかが、市場の注目点となっている。米国政治に詳しいエコノミストは「万が一、トランプ氏が米大統領に当選するようなことがあれば、NYダウは暴落する」という。
また、民主党の有力候補であるクリントン氏も「党内の支持基盤は磐石ではない」(アナリスト)とも言われている。絶対視される有力候補が不在のなかで、16年の中盤を経てもトランプ氏が有力候補としての地位を確保していた場合、マーケットは大統領選挙でのリスク要因として受け止め始める可能性がある。
●追い風の要素多い軍事関連株
共和党の候補が誰になるか不透明感が強いが、それでも「現状ではヒラリー氏が優勢」とみる声が多い。一般的に民主党が勝利なら、環境重視で電気自動車や太陽光発電などグリーンテクノロジー関連株が買われ、ITベンチャー企業などが評価される傾向が強い。
米国企業では「FANG」とよばれるフェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)の4銘柄が注目されているが、IT関連銘柄は依然、強含みの展開も期待される。また、電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)などの環境関連銘柄も注目されそうだ。
日本企業でも、ソフトバンク <9984> や楽天 <4755> などに連想買いが入る可能性がある。
一方、共和党は温暖化防止政策などに慎重であり、重厚長大産業に追い風とも言われる。共和党勝利ならゼネラル・モーターズ(GM)やゼネラル・エレクトリック(GE)などの銘柄が見直されそうだ。
また、民主・共和のどちらの党が勝利しても「オバマ政権に比べ中東のイスラム国(IS)などにより軍事的な強硬路線を取る可能性がある」(アナリスト)という。このため、新大統領の政策を先回りし、ロッキード・マーチン(LMT)のような防衛関連銘柄が買われる可能性がある。日本でも三菱重 <7011> やIHI <7013> などが再評価されるかもしれない。
※新年10大テーマ<株探トップ特集> 配信予定時間
●1月4日(月)
「マイナンバー制度」
「参院選関連」
●1月5日(火)
「北海道新幹線」
「伊勢志摩サミット」
●1月6日(水)
「オムニ家電関連」
「民泊関連」
●1月7日(木)
20:00 「米大統領選」
20:30 「スマホ新機種」
●1月8日(金)
20:00 「自動運転」
20:30 「電力自由化」
なお、都合により、配信内容や配信時間を変更することがございます。
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