【特集】新年10大テーマ (8) スマホ新機種 <株探トップ特集>
アルバックの日足チャート 「株探」多機能チャートより
―iPhone7登場か、有機ELも視野―
携帯電話などに関係するIT・エレクトロニクス業界の恒例の話題は、米国・アップルの動向だ。今年は「iPhone7」の登場が有力視されており、スマートフォン(スマホ)関連は大きな話題を集めそうだ。また、スマホに絡んでは、18年からiPhoneのディスプレーに有機ELを採用する観測が浮上。新型iPhoneと有機ELを視野に電子部品など関連銘柄への関心が高まっている。
●新型iPhoneは夏から秋口にお披露目も
米アップルは15年には、iPhoneの新機種「6s」と「6sプラス」を販売した。6sでは、指先の圧力を認識する「3D Touch」などの新機能が話題を集めたことは、記憶に新しい。
同社は、ニューデザインの「iPhone6」を14年に発売していることから、次の「iPhone7」は1年置きの今年にもお披露目となるとの期待が強い。iPhone7に関しては、市場ではディスプレーの曲面化や防水化、カメラデュアルレンズ搭載、一段の薄型化によりヘッドフォン端子は廃止――などの噂が流れている。iPhone7の登場は、「秋口が有力だが、早ければ夏にも」とも予想されている。
一方、直近では「米アップルがiPhone6s/6sプラスの1~3月期生産量を計画に比べ3割程度減らす」との報道が流れたことから、村田製 <6981> などの電子部品関連株には警戒感が出ている。当面は円高やiPhone減産懸念で電子部品株は軟調な値動きも予想される。しかし、年後半の新型iPhoneへの期待も膨らみ、徐々に村田製やアルプス <6770> 、航空電子 <6807> 、フォスター <6794> などのアップル関連銘柄は再評価されそうだ。
●有機EL採用で電子部品業界に激震
また、新型スマホを睨み台風の目となりそうなのが、「有機EL関連」銘柄だ。昨年11月下旬に「米アップルがiPhoneに有機ELを採用する」と報じられたことがきっかけ。18年発売予定のiPhoneで有機ELパネル搭載の新モデルを売り出す方針、とされている。
有機ELの採用は、アップルのディスプレー周辺などに携わる業者にとっては、経営環境が一変する話であり、日本の電子部品業界には激震が走っている。液晶関連では需要がシフトする懸念がある一方、有機EL関連銘柄では、材料関連や設備機器を手掛ける企業に需要増でのメリットが期待できる。
保土谷 <4112> は正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料を主力とし、長年の販売実績がある。出光興産 <5019> は有機ELの発光材料などを手掛け、韓国のLGディスプレーとも提携している。また、ケミプロ <4960> [東証2]も有機EL材料の開発を進めている。
製造設備関連では、アルバック <6728> が発光層製造用の成膜装置やスパッタ装置などを手掛けている。また、日新電 <6641> はLTPS(低温ポリシリコン)製造用のイオンドーピング装置で実績を持つ。Vテク <7717> は有機EL製造用の超高精細蒸着マスクを手掛ける。平田機工 <6258> [JQ]も製造装置などで関係する。
一方、液晶関連銘柄には、逆風となるとの懸念も出ている。液晶パネルを手掛けるJディスプレ <6740> やシャープ <6753> 、液晶の偏光板最大手の日東電 <6988> 、液晶バックライトのミネベア <6479> などへの影響と各社の対策などが市場の関心を集めている。
※新年10大テーマ<株探トップ特集> 配信予定時間
●1月4日(月)
「マイナンバー制度」
「参院選関連」
●1月5日(火)
「北海道新幹線」
「伊勢志摩サミット」
●1月6日(水)
「オムニ家電関連」
「民泊関連」
●1月7日(木)
20:00 「米大統領選」
20:30 「スマホ新機種」
●1月8日(金)
20:00 「自動運転」
20:30 「電力自由化」
なお、都合により、配信内容や配信時間を変更することがございます。
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