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【市況】今週の【早わかり株式市況】 レンジ相場を脱出、「郵政」効果でリスクオンの流れ

日経平均の日足チャート 「株探」多機能チャートより

 今週の株式市場は、日本郵政グループ3社の上場を控えて積極的な買い手が不在の中、前週末の場中に日銀による追加金融緩和が見送られたことが海外で改めて売り材料視され、4営業日ぶりに大幅反落してスタート。接近していた8月後半からのレンジ相場(1万7500円-1万9100円)上限から跳ね返された格好となった。
 祝日明けの4日は同時上場した郵政3社の初値が公開価格を大きく上回る好発進となったことで買い安心感が広がり、上昇相場に反転。イエレン議長などFRB高官から「12月に米利上げの可能性がある」との発言が相次いだことを受けて円安・ドル高が進んだことも追い風となり、再びレンジ上限まで値を上げた。
 週末も「郵政」効果でリスクオンの流れが継続、日経平均は3日続伸し、8月28日高値(1万9192円)、10月30日戻り高値(1万9202円)に加え200日移動平均線を突破、レンジ相場を脱した。

 日経平均は、前週比182円(0.96%)高の1万9265円と3週続伸し、8月21日以来2ヵ月半ぶりの高値水準で取引を終えた。3週続伸は5月以来。週間の振れ幅は652円と前週の441円から拡大した。

 来週は、レンジ相場を上抜けした日経平均が8月21日、8月24日の急落で開けたマドを埋められるかが注目される。今年最大のイベントである郵政3社の上場も無事こなし、相場のムードは明るい。また、10月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回ったことで早期利上げが意識され、ドル高・円安が進んだことも追い風になりそうだ。一方で東証1部騰落レシオは135%に達しており、高値警戒感もくすぶりつつある。重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される9月の機械受注統計が注目される。海外では10日と11日に相次いで発表される中国の10月経済指標に注視が必要であろう。

◆マーケット・トレンド(11月2日~11月6日)

【↓】 11月 2日(月)―― 399円安と4日ぶり反落、米株安・中国景気懸念で利益確定売り
 日経平均 18683.24( -399.86)  売買高21億7162万株 売買代金 2兆4645億円

【-】 11月 3日(火)―― 休場(文化の日)

【↑】 11月 4日(水)―― 大幅反発、郵政3社が好スタート
 日経平均 18926.91( +243.67)  売買高26億9455万株 売買代金 3兆3892億円

【↑】 11月 5日(木)―― 189円高と続伸、2ヵ月ぶり高値回復
 日経平均 19116.41( +189.50)  売買高24億5389万株 売買代金 3兆0411億円

【↑】 11月 6日(金)―― 2ヵ月半ぶり高値、3日続伸し1万9200円回復
 日経平均 19265.60( +149.19)  売買高20億3608万株 売買代金 2兆4248億円

◆セクター・トレンド(11月2日~11月6日)

(1)ガイシ <5333> 、特殊陶 <5334> などガラス・土石が値上がり率トップ
(2)円安で村田製 <6981> など電機、テルモ <4543> など精密といった輸出株が続伸
(3)先週大幅高の武田 <4502> など医薬品株は買い継続
(4)セブン&アイ <3382> など小売り、JT <2914> など食品といった消費関連株は堅調
(5)金融株は第一生命 <8750> など保険、大和 <8601> など証券は反発も
  新生銀 <8303> など銀行、日本取引所 <8697> などその他金融は低調続く
(6)三井不 <8801> など不動産、清水建 <1803> など建設株はさえない
(7)王子HD <3861> 、日本紙 <3863> などパルプ・紙株は急反落

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