【経済】直撃Q&A 「郵政IPO」(3) 植木靖男氏に聞きました!
植木靖男氏
郵政グループ3社が4日、東京証券取引所に株式上場を果たした。日本郵政 <6178> とゆうちょ銀 <7182> 、かんぽ生命 <7181> の初値は公開価格に対し大幅に上昇する好調なスタートを切った。この郵政3社のデビューを株式市場関係者はどう評価しているのか。また、郵政グループが抱える課題とは何か。株式評論家の植木靖男氏に聞いた。
Q1 郵政3社の初値をどう評価するか?
まずは成功であったといえるのではないか。というのもIPOの申し込みは別として、上場後に買うのは投資家の間に慎重なムードもあった。しかし、実際フタを開けてみると寄り後はうまく売り物をこなし、堅調な株価動向をみて個人の間でも次第に上値を買う動きが強まったようだ。特に下馬評で人気の高かったかんぽ生命保険についてはそれが鮮明でストップ高となったが、時価水準が買われ過ぎであるとはみていない。
Q2 今後予想される当面の株価展開は?
日本郵政とゆうちょ銀行については、初日の株価形成で良い部分は相応に出し切った感があり、伸びシロはそれほど大きくないだろう。下値では買いが厚いが上値も重く、機関投資家の組み入れニーズがあるとはいえ、結果的に狭いボックス圏のもみ合いに収れんしていくと思う。ただし、きょうストップ高した、かんぽ生命については、ここまで買われたのは先高期待の裏返しであり、一段の上値余地を残している可能性がある。
Q3 これからの郵政3社の課題は?
何といっても業績がポイントとなる。成長性の低さがいわれているが、それだけに収益を伸ばすための経営戦略の提示が肝要となる。M&Aなのか新規事業の開拓なのかは現時点で定かではないが、投資家に民営化企業として成長に向けた取り組みをしっかりとアピールする必要がある。
<プロフィール>
(うえき・やすお)慶応義塾大学経済学部卒。日興証券(現SMBC日興証券)入社。情報部を経て株式本部スポークスマン。独立後、株式評論家としてテレビ、ラジオ、週刊誌さらに講演会などで活躍。的確な相場見通しと独自の銘柄観に定評がある
直撃Q&A 「郵政IPO」(1) 秋野充成氏編から続く
直撃Q&A 「郵政IPO」(2) 清水三津雄氏編から続く
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