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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「下値抵抗線に注視」

株式評論家 富田隆弥

◆「郵政3社」が上場した。3社とも初値は公開価格を上回り、翌5日も出来高を伴って上値追いとなるなど順調にスタートしたことで、政府、証券など関係者はホッと胸をなでおろしたに違いない。だが、大型IPOは当初に活況を呈すのはいつものことで、問題は活況が続くかどうかだ。

◆郵政上場を成功させるために証券自己などは10月から地合い作りに勤しみ、日経平均株価を10月だけで1500円超上昇させた。そして、11月になり日経平均は1万9200円を回復、200日線や75日線、一目均衡表「雲」などの節に差し掛かり、テクニカル指標はサイコロやRCIなど警戒信号が出始めている。つまり、地合い作りに勤しんだ証券会社(自己)は11月4日の上場でもって「お役御免」、「宴のあと」としてこの高値圏で利益確定売りに動き出す可能性は否定できない。

◆10月の好地合いにはNYダウの堅調も見逃せない。1万6000ドルから1万7700ドルまでほぼ一本調子に8.5%上昇し(10月相場)、夏場の急落をほぼ取り戻した。この上昇の背景は「利上げ観測の後退」だが、過剰流動性を背景に「イイとこ取り」で上げていることが否めず、1万8000ドルの節目に差し掛かりテクニカルに過熱信号が出ている点は日本株と同じ。

◆つまり、強い回復地合いが続いており、その流れに逆らう必要はないものの、日米ともチャートは「夏場の急落あとのアヤ戻し」で、「いつ頭打ちしてもおかしくない状況」に来ていることは承知しておくべきだろう。その意味で、10月の上昇相場で引ける「下値抵抗線」に注視しておきたい。

(11月5日 記、毎週土曜日9時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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