貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9468 KADOKAWA

東証P
2,807.0円
前日比
-50.5
-1.77%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
50.9 2.02 1.07 2.39
時価総額 3,980億円
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決算発表予定日

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娘の晴れ舞台の日に見た地獄、その教訓から信用2階建ても乗りこなす技

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 @random_dash23さんの場合-最終回

登場する銘柄
KADOKAWA<9468>

編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

【タイトル】@random_dash23さん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
1990年代後半の26歳の頃に、200万円を元手に株式投資を開始。2022年に、それまで続けた図書館司書の職を早期退職し、専業投資家として再スタートする。
中学生の頃から日本経済新聞を愛読しており、大学も経済学部で金融やマクロ経済について学んだ知識を生かし、株式市場で注目されるテーマを見極めるのを得意とする。
さらに最近は企業の開示情報から「変化」を見出し銘柄選択眼に磨きをかけ、23年は60%の好パフォーマンスをマークした。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「テーマ重視」、日本株投資の腕前は「中級者」となる。

第1回記事「あのソシオで400万円負けても、3つの『イ』戦略で日経平均に大勝ち」を読む

昨年は日経平均に大勝ちした@random_dash23さん(ハンドルネーム、以下、ランダムさん)も、過去にはKADOKAWA<9468>で800万円を1日で溶かしてしまった黒歴史もある。

それまでの成功体験に溺れ、レバレッジ全開のまま一点集中買いで向かったことが傷口を広げた原因だ。この大ヤラレからランダムさんは2つの教訓を得た。

その後、勝ちを積み重ね、今では専業投資家として億り人を目指す日々を送る。ランダムさんを変えた、2つの改善策とは。

娘の晴れ舞台を見る――からの大暴落

天国から地獄へ――

ランダムさんが、カドカワ株の急落で地獄を味わったのは、13年8月9日だった。実はこの日、ランダムさんにとっては天国にのぼるかのような日でもあった。

愛娘が、とある晴れの舞台に立つからだ。娘の栄えある姿を見とどけるため、有給休暇を取り、胸躍らせながら会場に出向いた。その矢先のことだった。

株式市場が開くと、ウキウキ気分は一気に失せることになる。信用2階建ての一点集中状態でポジションを持っていた同社株は、朝の寄り付きから引けにかけて10%以上も暴落した。

ランダムさんは、娘の晴れ姿を見るまでの間、携帯していたパソコンで、売却ボタンを連打する。背中を刀で切られるような緊迫感の中、どうにか保有株をすべて売り切ることができた。

場中に逃げ切れたのは、不幸中の幸いだった。もしこの日、職場で仕事をしていたならば、信用取引の追証にかかり、株式投資からの退場を強いられることもあり得たからだ。

■13年当時のカドカワの日足(13年2月7日~10月8日)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


過去の成功体験が油断を誘う

こんな状況を招いた最大の要因は、知らず知らずのうちに本人の心に隙ができてしまったことがある。

カドカワに買いを入れたのは、13年3月。当時、同社の子会社であった角川ゲームスなどが開発した「艦隊これくしょん」、通称「艦これ」という新しいブラウザゲームに注目したのがきっかけだ。

同年4月のサービス開始に先立って、ランダムさんは、まずは試し買いから始める。その後、自身でゲームを操作してみると、「2年は流行が続くのでは」との感触を持つ。

その期待を胸に、上場会社で唯一の関連銘柄と見たカドカワ株を買い増していく。それが、地獄を味わうことになったのは、欲の皮を突っ張らせてしまったことだ。

初めは「最悪、これくらいなら全額失っても良い」と思える金額からスタートしたのが、いつしか「早く資金を増やしたい」と信用枠をパンパンになるポジションまで膨らませてしまったのだ。

もう1つの要因は、ろくに企業分析をしないまま、突進したことだ。過去に「同じようなひらめき集中買い」で、たまたま成功した体験が脇を大甘にさせてしまったのだ。

SNSの反響にも酔いしれる

購入してから当初のカドカワ株は、思惑通り株価が大きく上昇したが、その後は逆方向に動き始めた。だが、本人は、急上昇の反動で、再び大きく反発に向かうと高をくくっていた。

信用フルレバの一点集中買いならば、反落した時点で慎重かつ冷静に事態を見るべきだった。それなのに根拠なき自信を捨てられなかったのは、自身のSNS(交流サイト)の存在がある。当時、大きな値動きに一喜一憂する様子を書くと、フォロワーの反応が格段に増していた。

特に株価が下落した日の自虐ネタはフォロワーの反応が良く、ひとり悦に入っていた。投資としては決して喜ばしい状況ではないのに、「人の不幸は蜜の味」の状況になることを楽しんでいた。

後から思えば、この時のカドカワは仕手株のような動きをしていたのだが、ブログの反響に警戒心が麻痺してしまっていた。

■13年に起こったカドカワの失敗までの経緯
時期状況
3月「艦これ」が流行るとひらめき、買い始める
4月「艦これ」を操作して「2年は流行る」と妄想
5月株価は急上昇するも、天井をつけて大きく下落
6~7月ブログの自虐ネタへのコメントを楽しむ
8月9日とどめの大暴落で撤退

さすがに、800万円の損失を食らった衝撃で、正気を取り戻したランダムさんは「二度とこんなヘマを繰り返すまい」と心に誓い、2つの改良にとりかかることにした。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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