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6257 藤商事

東証S
1,258円
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業績
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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.2 0.63 4.37 30.44
時価総額 307億円
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藤商事 Research Memo(3):2024年3月期第2四半期累計業績はパチスロ機が好調で概ね会社計画どおりに進捗


■業績動向

1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
藤商事<6257>の2024年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比6.6%増の18,293百万円、営業利益で同1.6%増の2,583百万円、経常利益で同3.0%減の2,590百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同2.5%減の2,407百万円となり、概ね会社計画どおりに進捗した。

売上高の内訳は、パチンコ遊技機が前年同期比29.1%減の10,747百万円と減少したものの、パチスロ遊技機が同276.8%増の7,546百万円と急増したことにより増収を確保した。営業利益の前年同期比増減要因を見ると、研究開発費が923百万円、人件費が15百万円、販売手数料が18百万円それぞれ増加したが、売上総利益の増加669百万円、広告宣伝費の減少19百万円、その他経費の減少308百万円で吸収し、全体では40百万円の増益となった。売上総利益率は前年同期の55.6%から55.8%と若干上昇した。ほぼ想定どおりの価格で新機種を販売できたことが要因だ。

営業外収支が119百万円悪化したが、主にシンジケートローン手数料の増加78百万円と前年同期に計上した違約金収入75百万円が無くなったことによる。また、特別損失として関係会社株式評価損※を52百万円計上し、この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は若干ではあるが減益となった。

※パチンコ・パチスロ遊技機のソフトウェア開発を行う関係会社の株式評価損。



同社初のスマートパチスロ「Lゴブリンスレイヤー」がヒットし、今後のシェア拡大が期待できる状況に
2. パチンコ・パチスロ遊技機の販売状況
2024年3月期第2四半期累計のパチンコ遊技機の販売台数は前年同期比24.4%減の28.8千台となった。前年同期は「Pサラリーマン金太郎」が当初計画を上回る販売台数を記録したが、当第2四半期累計に投入した機種については概ね想定どおりの販売台数となった。市場環境がスマートスロット(以下、スマスロ)ブームとなったことで、ホール側がスマスロを優先して導入する傾向にあり、投入機種数を戦略的に絞ったものと見られる。新規タイトルとしては、「Pゴブリンスレイヤー」(2023年4月発売、ミドル機)、同社初のスマートパチンコ(以下、スマパチ)「スマパチ RAVE 覚聖ループ」(同年6月発売、ライトミドル機)、「Pリング 呪いの7日間3」(同年8月発売、ミドル機)を市場投入したほか、前期以前に発売したシリーズ機種の継続販売を行った。

新規タイトルの稼働実績については、スマパチを除いて順調だったと同社では評価している。スマパチについては、従来機種とスペック面での違いが無く差別化が図りにくかったため、業界全体でもヒット機種はコンテンツそのものに力のあった2~3機種にとどまるなど、各社ともまだ試行錯誤の段階だったと見られる。同社においても、ライトミドル機で参入したが、投入の時期が悪く低稼働にとどまったようだ。

こうしたなか、同社のパチスロ遊技機の販売台数は前年同期比234.7%増の16.9千台と急増した。新規タイトルは「パチスロ 戦国†恋姫」(2023年6月発売、AT6.5号機)の1機種のみだったが、前期末に投入した同社初のスマスロ「Lゴブリンスレイヤー」(同年3月発売)が業界最高峰の出玉性能を有したスペックと強力なコンテンツ力※が相まって高稼働を記録したことが主因だ。

※原作のライトノベルの発行部数は累計900万部を超え、漫画、アニメも人気となっている。



手元資金は180億円超と潤沢、人気IPの新規・継続契約により長期前払費用が増加
3. 財務状況と経営指標
2024年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比1,095百万円減少の50,065百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産は棚卸資産が893百万円増加したのに対して、現金及び預金が1,754百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,255百万円それぞれ減少した。固定資産では有形固定資産が163百万円、無形固定資産が87百万円増加したほか、人気コンテンツのIP取得(新規及び継続)により長期前払費用が752百万円増加した。また、繰延税金資産も271百万円増加した。

負債合計は前期末比2,915百万円減少の8,456百万円となった。流動負債で買掛金が1,434百万円、未払法人税等が372百万円それぞれ減少した。純資産合計は同1,820百万円増加の41,608百万円となった。配当金支出522百万円があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益2,407百万円の計上により利益剰余金が増加した。

財務指標を見ると、自己資本比率は前期末の77.8%から83.1%と再び80%台に乗せた。無借金経営で手元キャッシュも180億円超と潤沢なことから、財務の健全性は確保されているものと判断される。なお、同社は資本効率の向上と機動的な資本政策を遂行することを目的に、2023年2月28日付で150万株、2,361百万円の自己株式取得を実施し、合わせて自己株式を活用した第三者割当による行使価額修正条項付第1回新株予約権を2023年3月17日付で発行した(行使期限:2026年3月19日)。新株予約権の総数は15千個(株式数で150万株相当)で行使価額は直前取引日の終値の90%とし、下限行使価額を1,574円と今回の自己株式取得単価と同値に設定した。下限行使価額ですべて行使されれば同社は自己株式取得費用を回収できる。新株予約権を発行した目的は、調達資金をスマパチ・スマスロの研究開発費に充当することに加えて、新株予約権の行使により株式の流動性を高め、将来のプライム市場上場への布石とすることにあると弊社は考えている。現状の株価水準は下限行使価額を下回った水準にあるため、資金調達が進まない可能性もあるが、既に潤沢なキャッシュを持つことから開発戦略には影響を与えないものと考えられる(現状の行使率は0%)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HH》

 提供:フィスコ

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