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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ "非製造業&円高メリット"の有望株を発掘!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「“非製造業&円高メリット”の有望株を発掘!」

●円高への市場の反応は神経質すぎる

 NYダウが羨ましい限りの動きをしている。この原稿を書いている15日時点で、実に6連騰。しかも、連日の史上最高値更新だ。

では、こんなに上げるほど、なにか良い話しがあったのか?

 もちろんあったのだ。13日まで開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備制度理事会)は3回連続で政策金利の現状維持を決めたばかりか、パウエルFRB議長が今後の金利動向について、引き下げ方向にあることを匂わせる発言までした。

これで米国市場が上がらないとすれば、それこそ「?」だろう。当然、米国市場は上がり、東京市場も連動高するだろう――パウエル議長の発言を聞いた直後に私はこう読んだのだが、東京市場に関する部分は完全に外れてしまった。

 東京市場は連動高するどころか、14日は240円安と反落してしまった。為替市場で急速に円高が進み、ドル・円が1ドル=141円を割り込んだためであり、自動車などの輸出株が一斉に売られてしまった。ドル・円は7日に一時141円台まで急上昇していたが、すぐに反落。11日には146円台半ばまで戻していたため、円高への耐性はできていると見たのだが、そうではなかったようだ。日経平均株価は14日に一時400円以上も下げてしまった。その後は持ち直し、週末15日は284円高と反発したものの、市場はドル安・円高にまだ困惑中といったところだ。

 しかし、振り返ってみると、昨年のいま頃は1ドル=130円台前半だったのだ。それからすると、いまはまだかなりの円安水準となる。1年前は130円台前半の円高に耐えていたことを考えると、現在の145円~141円前後の値動きであたふたするのは神経質過ぎるのではないか。ここはいずれ130円台くらいまでの円高はあるものと想定して、株式投資に取り組んでいきたい(ちなみに、2年前のいま頃はどうだったかというと、115円台だった)。

●景況感は良好ながら評価不足の非製造業銘柄

 では、どの方向に資金を投じたらよいのか。そのヒントを教えてくれるデータが13日に発表された。12月の日銀短観だ。内容を覚えておられるだろうか。「大企業製造業」の景況感はプラス12。前回9月の調査を3ポイント上回り、3期連続の改善だった。

 通常、市場が強い関心を持つのはこの「大企業製造業」の景況感だが、「大企業非製造業」の景況感は実に7期連続の改善となり、プラス30ポイント。1991年11月以来の高水準となっていた。つまり、非製造業は製造業よりも遥かに良好な景況感となっているのだ。

 ところが、非製造業の銘柄に対する現在の市場の関心は低すぎて、その分評価も不十分なものとなっていると考えられるため、今回は非製造業の中から有望銘柄を発掘したい。
 
そこで、まずは西松屋チェーン <7545> [東証P]だ。ベビー・子供用の衣類や生活雑貨を大量に取り揃えた店舗を運営。わが子たちもその息子や娘 (私にとっては孫)を連れて行き、あれこれ購入している。リーズナブルな価格帯の商品が揃っており重宝していることから、全国でも同じような現象が見られているはずだ。しかも、2024年2月期は年間50店舗増を計画と出店ペースを加速しており、まだ発展途上といえるほど。株価が目先少し下げたのも好ましい。

 玩具の卸に強いハピネット <7552> [東証P]も、私に言わせると実力以下の評価となっている銘柄になる。なにしろ、PERは16倍に過ぎない。この会社は玩具だけでなく、 ゲームやDVD・ブルーレイの卸にも強く、いまは特にゼルダの新作ゲームが好調。年末年始の需要拡大は必至であることから、株価も期待が持てる。

 東京都は「高校の授業料の実質無償化」を実施するという。まだ正式決定ではないものの、実現すれば子育て世帯は教育費の負担が減り、当然他のことに回せるようになる。

 その先はどこになるか。もちろん様々だろうが、予備校に通わせる世帯も多いことだろう。こんな予想からは早稲田アカデミー <4718> [東証P]だ。株価はひとしきり上がって目先一服の兆しをみせている。下げ止まりからの反発を待っての投資を考えたい。

 DX (デジタル・トランス・フォーメーション)関連のコンサル事業に強く、国内ナンバーワンの評価もあるベイカレント・コンサルティング <6532> [東証P]にも注目だ。一般的な知名度は高いとはいえないが、コンサル業界ではよく知られた存在。株価は調整局面から浮上に転じたところなので、しっかり捕まえたい。

最後に、やまみ <2820> [東証S]を。広島県三原市に拠点を置く豆腐メーカーで、中国地方で圧倒的なブランド力を背景に需要を取り込んでいる。業務用おからにも強く、関東進出を目指していることから、将来の成長が楽しみな企業になる。

2023年12月15日 記

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