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【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 29社選出 <成長株特集>

スクリン <日足> 「株探」多機能チャートより
 本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額2000億円以上の銘柄を対象に、23年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

 下表では、本決算月にかかわらず、23年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している29社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

 上振れ率トップとなったのは、四国電力 <9507> [東証P]。23年7-9月期(第2四半期)の経常利益はこれまでの過去最高を97.2%も上回る491億円に急拡大し、実に17年ぶりに最高益更新を果たした。電気料金の引き上げに加え、燃料価格の低下や自社水力発電電力量の増加などで需給関連費が減少したことが利益拡大の要因となった。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の経常利益を従来予想の380億円→580億円に大幅上方修正した。1987年3月期に記録した過去最高益(510億円)を37年ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。

 2位のゼンショーホールディングス <7550> [東証P]は経済活動の正常化に伴う人流回復や個人消費の持ち直しを背景に、主力の牛丼チェーン「すき家」で既存店ベースの2ケタ増収が続くなど外食事業が好調に推移したほか、適切な価格政策やコストコントロールを実施したことも寄与し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は151億円と過去最高だった直前の4-6月期実績を64.2%も上回って着地。業績好調に伴い、24年3月期通期の業績予想と配当計画を上方修正した。これを受けて株価は11月15日に上場来高値9274円まで駆け上がったが、その後は調整が続いている。

 5位にリスト入りした朝日インテック <7747> [東証P]の7-9月期(第1四半期)は円安進行や症例数の回復を追い風に、米国、欧州、中国で主力のPCIガイドワイヤーや貫通カテーテルが好調に推移したほか、非循環器領域やOEMも大きく伸び、経常利益は前年同期比64.4%増の81.6億円に伸びて着地。上期計画の106億円に対する進捗率は76.5%に達しており、業績上振れが期待される。

 8位にはウエハー洗浄装置で世界首位のSCREENホールディングス <7735> [東証P]が入った。7-9月期(第2四半期)は半導体製造装置がメモリー向けは振るわなかったものの、ファウンドリー向けが中国や米国を中心に好調だった。採算性の改善が進んだことも大幅増益につながった。併せて、24年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正したほか、半導体関連株人気の波にも乗って株価は決算発表前から70%超に跳ね上がり、上場来高値圏を快走している。

 選出リストには、外食や食品メーカーなど値上げの浸透が利益を押し上げた企業が目立つ。外食ではゼンショHDと日本マクドナルドホールディングス <2702> [東証S]の2社、食品メーカーはキッコーマン <2801> [東証P]、東洋水産 <2875> [東証P]、アサヒグループホールディングス <2502> [東証P]、日清製粉グループ本社 <2002> [東証P]の4社がリスト入りしている。

 また、14位のNSD <9759> [東証P]、17位の野村総合研究所 <4307> [東証P]、18位のBIPROGY <8056> [東証P]はデジタルトランスフォーメーション(DX)関連などの旺盛なIT投資ニーズを追い風に業績を伸ばした。好業績を背景にビプロジーの株価は約24年1ヵ月ぶりの高値圏に浮上している。

           ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名     上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER
<9507> 四国電      97.2  49113  24903   13.7  58000  51022  5.1
<7550> ゼンショHD   64.2  15177   9243   70.9  48000  28081 35.8
<4151> 協和キリン    33.9  38293  28601   27.3  86000  67572 18.5 *
<4528> 小野薬      31.3  56918  43360   17.7  169000  143532  9.6 *
<7747> 朝日インテク   29.0  8168   6331   13.1  19951  17635 50.8
<7261> マツダ      28.7 115313  89629   13.6  254000  223563  5.6
<2702> マクドナルド   28.2  14079  10981   19.0  40000  33618 33.1
<7735> スクリン     25.4  25691  20484   11.1  86000  77393 17.7
<8425> みずほリース   24.1  15739  12679   12.2  45000  40110  7.5
<9706> 日本空港ビル   22.1  7467   6114   11.9  22800  20379 38.3

<2801> キッコマン    21.3  22048  18181   12.8  68600  60797 32.7 *
<2875> 東洋水      20.2  18369  15277   30.4  57000  43724 17.2
<2502> アサヒ      20.2  92852  77271    9.0  226000  207308 16.7 *
<9759> NSD      19.5  4035   3377   19.3  15100  12662 21.8
<6544> Jエレベータ   13.5  1705   1502   29.4   6600   5100 50.1
<5105> TOYO     12.1  25728  22960   23.2  70000  56814  6.1
<4307> 野村総研     11.4  30959  27789    8.8  118000  108499 29.3 *
<8056> ビプロジー     9.6  11012  10049    8.3  32500  30001 19.0 *
<7071> アンビスHD    9.4  2404   2197   20.7  10309   8541 43.2
<8113> ユニチャーム    8.6  40053  36895   12.7  137500  121977 35.6 *

<6368> オルガノ      8.0  5436   5034   29.2  20700  16020 17.5
<8424> 芙蓉リース     6.9  19358  18110    7.2  64000  59699  8.2
<4901> 富士フイルム    6.4  82777  77784    4.5  295000  282224 15.3 *
<7203> トヨタ       4.7 1800972 1720553   39.1 5550000 3990532  8.9 *
<5393> ニチアス      2.7  9363   9115    5.8  35000  33082  8.9
<2002> 日清粉G      2.4  13412  13099   42.2  47000  33051 19.0
<6841> 横河電       1.4  22109  21809   31.7  64000  48608 14.9
<3088> マツキヨココ    1.1  21423  21196   21.0  80700  66721 21.4
<8279> ヤオコー      0.7  10229  10160   0.01  25600  25597 19.7

※ 2022年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準または米国会計基準を採用する銘柄。

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