冨士ダイス Research Memo(4):2017年3月期業績は3.7%増収、24.5%経常増益を達成
■業績動向
1. 2017年3月期の業績概要
冨士ダイス<6167>の2017年3月期業績は売上高16,648百万円(前期比3.7%増)、営業利益1,161百万円(同20.6%増)、経常利益1,194百万円(同24.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益855百万円(同16.7%増)となった。超硬工具業界では円高影響や好調に推移していた中国スマートフォン向けビジネスの伸び悩み、国内設備投資の伸び悩みなどが影響、業界全体の出荷額が前年度比3.9%減の3322億円にとどまるなかで、同社製品の主要市場である超硬耐摩耗工具の出荷額は1.6%増の379億円に拡大、同社の売上高も堅調な推移をたどった。利益面でも完成品割合が高い同社は、業界平均より高単価の製品供給を行うことで付加価値を獲得しており、限界利益率の高さから、2ケタ増益を達成できた。なお、2016年5月12日に発表した期初計画は売上高16,571百万円、営業利益1,086百万円、経常利益1,145百万円、親会社株主に帰属する当期純利益827百万円であり、為替変動があった中でもほぼ期初計画どおりの着地となっている。
2. 自動車を中心とした輸送用機械、電機・電子部品、金型・工具向け素材供給が好調
製品別売上高動向では、超硬製工具類が海外向け熱間圧延ロール、混錬工具の販売が好調で前期比8.0%増と好調に推移。超硬製金型類は製缶工具が製缶の軽量化ニーズなどで堅調に推移したものの、電池関連金型が減少し0.8%減にとどまった。その他の超硬製品は粉末成型金型用や精密プレス金型用の超硬合金チップが堅調に推移し3.5%増、超硬以外製品では半導体用の封止材用混錬工具や引抜鋼管が堅調に推移し3.9%増となった。なお、四半期推移では大きな変動は見受けられない。
単独での顧客産業分類別では輸送用機械、半導体好調で電機・電子部品向け、精密製品ニーズの高まりで金型・工具向け素材業界向け売上が拡大した。
3. 財務状況と経営指標は健全性高い
同社は創業以来現在に至るまで黒字経営を継続、高い自己資本比率を維持している。手元資金も潤沢であり、ネットキャッシュ残高は高位に推移、フリーキャッシュフローもプラスで推移している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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提供:フィスコ