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5998 アドバネクス

東証S
1,210円
前日比
-57
-4.50%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.6 0.60 1.65
時価総額 50.3億円
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アドバネクス Research Memo(6):今期予想は業績回復も、為替レートなど厳しめの前提とする


■今後の見通し

1. 2018年3月期の連結業績見通し
アドバネクス<5998>の2018年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比12.0%増の20,000百万円、営業利益で同61.8%増の400百万円、経常利益で同9.7%増の380百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同257.1%増の240百万円と増収増益を見込む。予想の前提となる為替レートは、1米ドル当たり100円と前期比9.2円の円高を想定した。前期は、営業外収支の為替差損益が前々期の△40百万円から5百万円のプラスに転じて経常利益の落ち込み幅を小さくした。当期は、前期にあったような雑所得を想定せず、為替も差益から差損に転換することを前提に営業外収支を前期の99百万円のプラスに対し20百万円のマイナスとしている。また、前期に計上した特別損失、製品保証引当金繰入額(73百万円)は、今後の展開いかんでは繰り戻され利益を底上げする可能性がある。前期に業績予想の下方修正を行ったため、当期は為替レートなど厳しめの前提としてある。

2. 中期経営計画の数値目標達成時期を見直しへ
現中期経営計画は、最終年度の2020年3月期の売上高を35,000百万円、営業利益を4,000百万円、売上高営業利益率を11.4%としていた。営業利益目標は、今期の予想利益の10倍の規模になってしまった。そのため、目標年度を後ずれさせることを検討している。見直しに至った要因として、OA機器向けの売上高が計画比半減、新工場の進捗遅れ、円高が挙げられている。中計での想定レートは、1ドル当たり120円だった。

3. 新工場の現状と将来
中期経営計画のこれまでの進捗状況ははかばかしくないが、先々の見通しは明るい。売上高が想定よりも半減したOA機器向けは、従来の水準に戻ることは期待できないが、下げ止まり横ばい状態に移るとみている。自動車向けは、埼玉工場の外資系Tier1向けの量産化が遅れた。IATF(Internation Automotive Task Force)は、品質マネジメント規格を従来の「TS 16949」から「IATF 16949」にバージョンアップした。IATF 16949は、2015年に改定されたISO9001の構造や要求事項に沿って策定されており、TS 16949を取得している組織は2018年9月までにIATF 16949への移行を完了する必要がある。埼玉工場は、バージョンアップされた規格に対応することになり、品質マネジメント認証の認定と量産開始が当初計画より1年後ろ倒しとなっている。千葉工場は、携帯向けが終了して売上高が半減したが、自動車及び精密機器からの引合いは予想以上で稼働率は戻ってきた。買収したアメリカ第2工場は、拠点や製造技術及びオペレータ要員の確保になったものの、生産設備が老朽化していた。同社の生産方式を導入し、品質と生産性の向上を図っている。製品ラインナップに板ばねを加えることで、より多くの需要を取り込む起点とし事業機会を広げる。メキシコ第2工場は、主要顧客向けの移管が遅れ、米カリフォルニア工場で作りだめして対応した。ただし、カリフォルニア工場にはなかった日系メーカーからの大きな案件の引合いが想定以上にきている。買収したインドネシア工場は、日系Tier1の十数社が顧客となっており、黒字スタートを果たした。新規引合いも増加している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《TN》

 提供:フィスコ

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