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【特集】低位株“爆騰エリア”特選10銘柄、次の候補はこれだ! <株探トップ特集>

ジンズメイト <日足> 「株探」多機能チャートより

―全体相場とは“別世界”、株価200円未満の「変貌高予備軍」に照準―

 週末と月末が重なった6月30日の東京株式市場は、にわかにリスク回避の流れに晒された。前日の米国株急落を受けて主力株を中心に広範囲に売られ、日経平均株価は一時2万円大台を割り込んで推移した。米国市場ではこれまで牽引役だった半導体関連やネット関連などのハイテクセクターが売られ、東京市場でも強気一貫だった投資家心理に波紋を広げている。

 ただし、個人投資家の短期資金による個別物色意欲は旺盛であり、特にここにきて株価が低位に位置する銘柄群のボラティリティが一気に高まりをみせている。機関投資家のポジション調整の売りに軟化する主力株を尻目に、別世界ともいえる急騰パフォーマンスを演じる銘柄が相次ぐ。マネーゲーム的要素も多分に孕んでいるとはいえ、この流れを無視する手はなさそうだ。

●低位株はピンポイント&短期回転で強み発揮

 今の相場は、流動性が担保された値動きの大きい銘柄が好まれる。とりわけ低位株は、値幅効率(株価に対する変動率)が高い点が特長である。例えば株価が100円台であれば値幅制限は50円だ。仮に100円の銘柄がストップ高に買われた場合は上昇率50%、150円の銘柄がストップ高に買われた場合も上昇率33%と高く、これが低位株投資の魅力のひとつとなっている。

 全体相場が荒れ模様でマクロ面からの買い手掛かり材料が乏しい現状にあって、ピンポイントかつ短期回転で利ザヤを取りたいという投資家の本音が現在の地合いに表れている。

●ジンズメイトも初めは低位株だった

 直近、低位材料株で物色人気が集中し、大相場の扉を押し開いたのがオンキヨー <6628> [JQ]だ。20日に140円近辺に位置していた株価は連日のストップ高を交え、26日ザラ場には324円の高値まで買われた。その後は売り買いが交錯し波乱含みの動きとなっているが、個人投資家資金が健在であることを証明した。

 米国で大ヒットしているAI搭載のスマートスピーカーが早晩日本に上陸してくる。米国ではアマゾン・ドット・コムが断トツのマーケットシェアを誇るが、これにグーグルやマイクロソフト、アップルなどが猛追する態勢にあり、日本でのシェア争いになることが予想される。オンキヨーはアップルの「シリ」に対応したスピーカーフォン「レイズ ラリー」の発売を発表したことが急騰相場のトリガーを引いた。株価の上昇もさることながら、ジャスダック上場株にして23日は290億円の売買代金をこなすなど、その人気ぶりがうかがえる。

 このほか、ジャスダックではビットコイン関連のトレイダーズホールディングス <8704> [JQ]が大商いで動意している。また、東証1部のジーンズメイト <7448> は5月中旬まで200円台を地相場としていたが、ライザップ関連の一角として強烈な人気を博し、30日はストップ高で676円と大化けを果たしている。

●ジースリーは新値圏再挑戦、ルツボに意外性

 別表に掲げた10銘柄は、材料性に富み、株価変貌の期待を内包した200円未満の低位株を厳選したものだ。値動きが早ければ持続性に乏しく日足ベースでも上ヒゲをつけやすい傾向がある。また、値動きに派手さはなくても、ファンダメンタルズの良さを手掛かりに持続的な上昇波を形成する銘柄もあり、チャートを睨みながら自分の資金の性質に見合う銘柄を選別するのが望ましい。

 中央ビルト工業 <1971> [東証2]は「足場」などの建設工事現場の仮設機材を手掛ける。18年3月期は営業55%増益を見込んでいる。21年度(22年3月期)を最終年度とする中期経営計画では経常利益段階で6億3500万円(17年3月期実績1億3000万円)を掲げている。

 ジー・スリーホールディングス <3647> [東証2]は、若い女性層向け雑貨のほか、太陽光発電事業も手掛けている。17年8月期は売上高、利益とも大幅増予想にあり、上場来初の配当実施の公算も大きい。23日取引時間中に228円の高値をつけた後は調整中だが、25日移動平均線を足場に新値圏へのチャレンジが有望だ。

 日本坩堝 <5355> [東証2]は、社名の通り特殊耐火物の大手。主力の自動車部品向けが増勢、製造原価の低減努力も利益面で寄与する。エンジニアリングでは溶解炉のメンテナンス工事や新設が増加しており、18年3月期は営業2割増益が見込まれる。やや出来高流動性に乏しいものの、信用買い残も軽く意外な値幅も期待。

●上値慕うアマテイ、不動産IoTでシステムソフト

 アマテイ <5952> [東証2]は釘のトップメーカーで、釘打ち機も展開する。18年3月期業績は苦戦気味だが、今年2月に100円近辺から169円まで一気に7割高を演じた実績があり、底入れ確認後、再び上値慕いにある時価120円台の株価には食指が動く。

 宮入バルブ製作所 <6495> [東証2]は東証2部ながら、流動性に富む銘柄だ。LPガス容器用バルブ の大手で化学装置用バルブも展開。18年3月期最終利益は減益予想ながら、保険解約返戻金の計上や土地売却に絡み8200万円から1億5800万円予想へ増額している。

 システムソフト <7527> はアパマン系のシステム開発会社で、ウェブマーケティング支援事業や不動産情報サービスも手掛ける。不動産関連のIoTサービス強化で業容拡大への期待がある。16年9月期に続き17年9月期も増収増益見通し。株価は昨年10月の戻り高値201円が当面の目標となる。

 セブン工業 <7896> [東証2]は住宅用部材を全国展開する集成材の草分け的企業。低金利を背景とした住宅建設需要の継続が追い風。集合住宅向けの内装建材の販売拡大に努め、加工内製化でコスト削減にも注力する。PER10倍未満で、PBRは0.5倍前後と会社解散価値の半値水準にあり、依然として見直し余地が大きい。

●ホクシンは高ROE、電線地中化でコンセック

 ホクシン <7897> は兼松系の住宅用建材メーカーで、中質繊維版(MDF)に特化し市場シェアはトップ。ROEが18.1%台と高い一方でPBRは1.1倍台にとどまっており、高い自己資本回転率は評価される。18年3月期は減益見通しながら、保守的な予想を出す会社で、前期は最終利益ベースで期中に3回も上方修正している点も考慮したい。

 エリアクエスト <8912> [東証2]は不動産管理業務を手掛けるほか、借主への店舗開発提案も行っている。業績は13年6月期以降拡大の一途にあり、収益体質は格段に向上している点に注目。17年6月期はサブリース物件が順調に増加しており、営業6割増益予想。18年6月期も成長トレンドが続く見通しで、株価も見直し余地大。

 コンセック <9895> [JQ]は建設現場向けの切削工具ダイヤモンド工具)を手掛けるほか、建機や特殊工事を主力としている。安倍政権や小池都知事が積極推進の構えにあることでも話題となった電線地中化では、今後の需要に対応して電柱解体用のワイヤソーを展開、同関連の穴株として人気素地がある。18年3月期営業利益は前期比77%増予想と高水準の伸びを見込み、0.4倍台の超低PBRも水準訂正高の根拠に。

◆低位株”爆騰エリア”特選10銘柄◆

銘柄 <コード>         株価  急騰性
ビルト工 <1971> [東証2]   135   ☆☆
ジー・スリー <3647> [東証2] 190   ☆☆☆☆
ルツボ <5355> [東証2]    187   ☆☆
アマテイ <5952> [東証2]   123   ☆☆☆
宮入バ <6495> [東証2]    126   ☆☆

システムソフ <7527>      160   ☆☆☆
セブン工業 <7896> [東証2]  194   ☆☆
ホクシン <7897>        188   ☆☆☆☆
エリアクエス <8912> [東証2] 134   ☆☆☆
コンセック <9895> [JQ]   194   ☆☆☆☆

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