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【特集】清水洋介氏【都議選“自民大敗”、相場への影響は?】(2) <相場観特集>

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

―ポジティブかネガティブか、マーケットに生じた波紋の行方―

 東京株式市場は2万円大台近辺で売り買いが交錯する展開。下値では押し目買いが入るものの、相変わらず上値を買い進む動きにも乏しい。東京都議選は想定を大きく上回って「都民ファーストの会」が躍進を果たし、自民党が過去最低水準の議席数に落ち込んだことは安倍政権にとって打撃となった。この結果を含め、今後の相場展開に変化が生じるのかどうか、第一線で活躍する市場関係者に見通しを聞いた。

●「欧米市場の金利上昇で下値探る展開も」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 7月の株式相場は、全体的には弱含みの基調を予想している。最大のポイントは、米国と欧州の金利が上昇していることだ。この金利上昇トレンドはまだ続くとみられる。日本は超低金利状態は続くことが見込まれるが、少なくとも追加緩和は考えにくい。このように、日米欧の「カネ余り相場の修正」が波乱をもたらす可能性が高い。

 また、東芝 <6502> の8月からの2部降格に伴い、同社株は日経平均株価の採用銘柄から除外される。近く発表が見込まれる日経平均株価の臨時入れ替えでは、東芝に代わり任天堂 <7974> や村田製作所 <6981> が採用されることもあり得る。たとえば、低位株の東芝が除外され値がさ株の任天堂あるいは村田製が採用されれば、インデックスファンドなどは任天堂や村田製を組み込むため、他の日経平均株価採用銘柄を売却するだろう。このことが相場全体の波乱要因となる。新規採用が有力視されるセイコーエプソン <6724> でも日経平均株価には売り圧力がかかると思う。こうしたなか、7月の日経平均株価のレンジは1万9500円から2万300円程度を見込む。トレンドは下値を探る展開とみているが、下げ幅はさほど大きくないと思う。

 個別株の物色テーマでは、「株主優待」への人気が続きそうだ。8月の優待権利取りに向けては消費関連のイオン <8267> や高島屋 <8233> などに投資妙味がありそうだ。また、欧米の金利上昇を受け三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> やみずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクに投資妙味が膨らみそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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