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5998 アドバネクス

東証S
1,333円
前日比
-2
-0.15%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
109 0.71 1.50
時価総額 55.4億円
比較される銘柄
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パイオラック
決算発表予定日

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アドバネクス Research Memo(1):Tier1のメガサプライヤーに対するグローバル供給体制の拡充


■要約

精密ばねメーカー大手のアドバネクス<5998>は、優れた技術力と開発力により、国内ばかりか世界市場でもトップシェアを獲得する多くの製品を輩出している。同社最大の市場となる自動車産業向けでは、エリア、顧客、加工技術、参入領域の4軸を伸ばすことで事業を拡大してきた。メガサプライヤーの台頭と、それらの顧客のニーズに応えるべく、グローバル供給体制の拡充を急ぐ。2~3年先の量産計画に備えて供給体制を整備しておかなければならず、先行投資負担が収益の圧迫要因となっている。ただし、大型案件の引き合い増加や多くの新規顧客の口座開設など、先行きの見通しは明るい。自動車、OA機器に次ぐ第3の柱として、医療、インフラ・住宅設備機器向けを育成している。医療市場向けは、今後のイベントの見通しが立っている。

1. 自動車産業の構造的変化に対応する
アナログ時代の「すり合わせ技術」からデジタル時代では「組み合わせ技術」に移行しており、技術の標準化と部品の汎用品化が進んでいる。パソコンやデジタル家電で見られたこれらの現象が、自動車産業でも電子化やIT化により広がりつつある。車格や車種を超えて共通部品が使われることになり、厳格な品質管理が求められる。また、自動車メーカーは適地適量生産とジャストインタイムのサプライチェーンを築くため、部品会社にグローバル供給を求める。大手のTier1の部品会社はメガサプライヤー化することで、自動車メーカー以上の成長を遂げている。同社は、精密ばねなどの分野でグローバル供給体制を拡充する独自のポジショニングを採っている。

2. 2017年3月期の業績と2018年3月期の見通し
2017年3月期は、1米ドル当たり11円の円高と需要の減少により、6.4%の減収、63.0%の営業減益となった。自動車向けと規格品など「その他」は伸びたものの、OA機器向けが大幅に落ち込み、一時的な要因により医療機器向けも減少した。新設された埼玉工場は、バージョンアップされた品質マネジメント規格の認証を取得することになり、外資系向けの量産開始が1年後ずれし、収益悪化に拍車をかけた。2018年3月期は、1ドル100円の厳しめの社内レートを前提に、前期比12.0%の増収、61.8%の営業増益を予想している。

3. グローバル体制の拡充を急ぐ
大手メーカーと棲み分けた市場セグメントにおいて、他社と異なる製造技術を用いた性能とコストに優れる製品を、顧客が求める地域で供給するというグローバルニッチトップのブルーオーシャン戦略を進めている。自社の強みを発揮し、高い収益性を実現するために、グローバル供給体制の拡充を急ぐ。2019年3月期までの8年間で、生産面積を2倍とする計画でいる。

■Key Points
・“グローバルニッチ”のブルーオーシャン戦略
・2017年3月期は、円高、OA機器向け不振などにより減収減益
・8年間で世界の工場の生産面積を2倍へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《TN》

 提供:フィスコ

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