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5189 櫻護謨

東証S
2,341円
前日比
-34
-1.43%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.3 0.57 3.84
時価総額 47.4億円
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決算発表予定日

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NCD Research Memo(5):パーキングシステムは電磁ロック式駐輪場管理・運営が主力


■NCD<4783>の事業概要

5. パーキングシステム事業
パーキングシステム事業は、電磁ロック式の駐輪機器販売及び駐輪場管理運営を主力としている。ITを活用することで駐輪場の管理運営業務を省力化・効率化するだけでなく、全国の街から放置自転車等の駐輪問題をなくし、交通混雑緩和対策、土地有効活用、地域・街づくり、CO2(二酸化炭素)排出削減による地球環境改善などにも貢献するビジネスである。

放置自転車問題を解決することを目指し、1992年に当時の新技術であった2次元コードでの月極駐輪場管理方法を提案し、これをきっかけに1997年よりパーキングシステム事業を開始、1999年からNCD駐輪場の設置を開始した。当初は電磁ロック式駐輪機器や料金精算機の売り切りが中心だったが、培ってきたIT技術を生かして遠隔操作による駐輪場の無人管理を実現し、月極が主流だった駐輪場業界において、コイン駐輪場(時間貸し無人駐輪場)のパイオニアとして事業を拡大した。

具体的には主力の時間貸し無人駐輪場「EcoStation21」(1999年~)や、月極駐輪場「ECOPOOL」(2013年~)などの駐輪サービスを、首都圏の駅周辺を中心として、関西、中部、九州地区等に展開(関西、中部はパートナー企業に運営委託)し、駅周辺、商業施設、地方自治体管理の駐輪場を網羅している。売上分類は「機器販売」「管理運営」「その他」としている。管理運営の区分としては、商業施設等の民間企業との契約に基づいて自社で管理運営する「自営駐輪場」、自治体からの指定管理者として管理運営する「指定管理」、鉄道会社や自治体等が運営する駐輪場を管理受託する「受託」がある。2024年3月期第2四半期累計のフロー・ストック別売上高構成比は、フロー(駐輪機器販売)が6%、ストック(駐輪場利用料収入、駐車場管理運営等)が94%だった。

放置自転車削減に貢献するとして全国の自治体、鉄道会社、商業施設などに幅広く支持され、電磁ロック式の駐輪場設置台数として国内最大級を誇っている。2023年10月1日時点のNCD駐輪場管理現場数は2,193箇所、管理台数は663,500台となった。なお自治体との取引では、自治体から指定管理者に選定され、官民協働による施設の設置・運営を行って自治体と共に街づくりを支援している。

代表的な導入事例としては、2007年歩道上駐輪場の先駆けとなった渋谷区あおい通り(新宿駅)、2011年最大級3,000台規模の辻堂駅・テラスモール湘南、2018年渋谷地区再開発案件の渋谷ストリーム、2019年赤羽駅東口、2019年東急グループ再開発案件の南町田グランベリーパーク、2020年西武グループ再開発案件のグランエミオ所沢などがある。2021年4月には東京都江戸川区内の4駅(船堀駅、西葛西駅、葛西駅、葛西臨海公園駅)において、江戸川区が駅前放置自転車対策の一環として整備した駐輪場の指定管理者に選定され、15ヶ所22,900台分の駐輪場とレンタサイクル770台の管理運営を開始した。2022年4月には4自治体(新宿区、板橋区、品川区、川崎市)において駐輪場管理運営事業者に選定され、合計246ヶ所・約58,000台の駐輪場管理運営を開始した。また、野村不動産(株)と協業して大型商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」内に合計1,244台の駐輪場を開設した。2022年6月には立川市魅力発信拠点施設コトリンク内の自転車等駐車場合計1,820台の管理運営を開始した。また2023年3月には、櫻護謨<5189>との協業により、(株)ドコモ・バイクシェアが展開するシェアサイクル、(株)Luupが展開する電動キックボード・電動アシスト自転車のシェアリングサービスを備えた新しいタイプの駐輪場を渋谷区笹塚にオープンした。近年のシェアサイクルや電動キックボードの普及への対応を積極的に進めるとしている。

ユーザー利便性向上や運営管理コスト削減に向けて、2019年11月には駐輪場キャッシュレス決済サービスを開始し、その後、導入現場数を拡大させている。また、2023年12月には、現金の取扱いが不要となるキャッシュレス決済専用の精算機の導入を開始した。これらのサービスによって集金・メンテナンス回数が減少するため管理コスト削減が可能となる。2022年2月には駐輪場における利用者サービスの一環として、駐輪場への荷物受取専用ロッカー「Amazonロッカー」のサービスを開始しており、宅配便の再配達の削減につながることで環境にも貢献する。

パーキングシステム事業の収益力向上に向けたBPR(Business Process Re-engineering=業務改革)推進の進捗状況として、グループ子会社の役割強化による工事等周辺業務の内製化促進では、駐輪機器設置工事・周辺工事をNCDプロスに集約したほか、指定管理現場を中心に集金業務の内製化も進展している。利用料金体系の合理化(料金改定)及びキャッシュレス決済の拡大に向け、自営駐輪場を中心に価格改定やQRコード決済導入を推進している。さらに、デベロッパー・設計事務所など新たな販路開拓では、デベロッパーとの連携強化によって複数の再開発案件を受注している。おおむね順調な進捗と弊社では評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《HH》

 提供:フィスコ

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