貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4755 楽天グループ

東証P
752.2円
前日比
-2.8
-0.37%
PTS
749円
23:56 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.93 6.85
時価総額 16,129億円
比較される銘柄
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KDDI, 
SBG
決算発表予定日

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TrueData Research Memo(5):2024年3月期は増収増益見込み。新領域サービス強化で成長加速(1)


■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
True Data<4416>の2024年3月期の業績は、売上高1,600百万円(前期比11.1%増)、営業利益80百万円(同5.2%増)、経常利益77百万円(同5.9%増)、当期純利益62百万円(同82.6%増)を見込む。売上高はストック型売上高を着実に積み上げながら、新サービスも投入し2ケタ成長を計画している。売上高の通期計画に対する第2四半期の進捗率は49.1%とおおむね順調に推移しており、導入までのリードタイムが数ヶ月かかるサービスの受注を第2四半期までで積み上げていること、新サービスに対する引き合いも順調であることなどから、通期計画の達成確度は高い。また、利益面では2020年にリリースした基幹システムの減価償却負担が第1四半期で終了し、通期で減価償却費が軽減されるため、粗利率は7.3pt向上する見込み。一方、減価償却費の減少分を中長期的な成長に向けた人材投資や研究開発投資に振り向けていく方針であり、販管費は前期比28.6%増加し、営業利益は前期比5.2%増となる見込みである。人材投資、研究開発投資は第1四半期に先行投資したため、第1四半期は営業損失を計上したが、第2四半期(単独)は黒字転換している。下半期は大きな投資は見込まないため黒字が積み上がり、利益についても計画を達成できる可能性が高いと弊社では考えている。

2. 2024年3月期の重点施策と進捗状況
2024年3月期は、主力サービスである「ショッピングスキャン」「イーグルアイ」などのストック型売上高を着実に積み上げながら一定の利益を出しつつ、中長期的な成長に向けた競争力を強化するために以下の4つの重点施策を推進していく計画だ。

(1) 小売業の「面」の拡大・深耕
スーパーマーケットなどを含め、小売業の購買ビッグデータに関する「面」の拡大・深耕を目指す。重点KPIを「購買データ量」とし、2023年3月期の4兆8,309億円から2024年3月期は5兆1,500億円を目指している。「ショッピングスキャン」は2024年3月期第2四半期においてスーパーマーケットなど複数チェーンの新規受注や受注確度の高い案件が積み上がったが、顧客のシステム改修や予算確保のタイミングなどにより導入まで平均で3~6ヶ月のリードタイムが必要となるため、下期以降の業績に貢献する見込みだ。そのほか、第2四半期までに小売業向けの「Shopping Scan for LINE」「SalesSensor」といった新サービスをリリースしており、引き合いも順調で下期の業績に貢献する見込みだ。また、下期に入り、小売業向けAIツール「Potential Scan」をリリースするなど新サービスの発表が相次いでいる。「ショッピングスキャン」など小売業向けストック型売上高は通期で309百万円と前期比2.7%増を見込んでいる。

(2) 将来の成長の種である新領域の立ち上げ
ビッグデータホルダーの強みを生かして、ビジネスアナリティクス領域や広告領域を立ち上げていく計画だ。2024年3月期第2四半期はビジネスアナリティクス領域において「POS分析クラウド」が計画を超える受注を獲得し、導入にかかる初期設定などを進め、初期売上が業績に貢献した。導入後の利用料は安定したストック型売上に転じていく見込みだ。同サービスについては消費財メーカーの強い需要が確認できたため、下期は拡販に向けた開発・運用体制の整備、コスト構造の改革を行い、成長をさらに加速させる備えを進める予定だ。一方、広告領域においても、協業先とのエコシステムによる新サービスとしてYouTube広告の効果検証を行う「Poswell」や、楽天グループ<4755>のマーケティングソリューションにおけるメニュー「Instore Tracking」とのデータ連携をリリースした。これらは下期の業績貢献が期待される。

(3) ホワイトゾーン開拓、営業チャネル多様化
比較的データ活用が進んでいなかった準大手・中堅消費財メーカーにおいても、小売業と同様にDX化によるデータ活用が進展してきている。同社のリソースで多くのメーカーに直接アプローチしていくよりは、多くの消費財メーカーと取引関係にある協業先と連携しながら販売チャネルを広げ、ホワイトゾーンである準大手・中堅企業に「イーグルアイ」をはじめとした同社のソリューションの認知を広げ、契約を拡大していく方針である。現在、体制を構築しながら一部受注も進展している状況だ。「イーグルアイ」の売上高は通期で802百万円と前期比10.0%増を見込んでいる。

(4) 社内の事業運営基盤の整備・効率化
営業、オペレーション、人事など社内の業務・情報システムを整備・効率化していく方針である。具体的には、営業管理ツールの導入により営業の進捗状況をリアルタイムに可視化するなどの営業効率化や、システム開発の工数管理ツールなどによる効率化などを進めていく予定だ。2023年5月には経済産業省より「DX認定事業者」として認定され、経済産業省が定める「デジタルガバナンス・コード」に沿ったビジョンの策定や戦略・体制の整備、教育面での人材育成の取り組みを進めている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《HH》

 提供:フィスコ

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