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4726 SBテクノロジー

東証P
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16.5 1.97 219
時価総額 670億円
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ソフトバンテク Research Memo(1):SBTクラウドに注力3事業を融合したビジネスモデルを確立


ソフトバンク・テクノロジー<4726>が4月26日に発表した2016年3月期(2015年4月?2016年3月)連結決算は、売上高・利益ともに前期比2ケタ増となり、特に注力分野であるマイクロソフトソリューションやデータアナリティクスといった注力事業が大きな伸びを示した。注力分野の限界利益率は4割程度であり、これらサービス分野において大型のクラウド開発案件も獲得できたことから、売上高の伸び以上に営業利益及び経常利益が拡大した。加えて、プロジェクト管理体制が整備され、大型の不採算案件がゼロとなったことも利益を押し上げた。これらの結果、売上高営業利益率は前期比1.6ポイント増の5.1%となった。好業績を受け、増配も決めた。

2016年3月期の最も注目すべきトピックスは、過去最高の業績という“結果”だけではなく、このような結果を出せた“理由”にある。それは、マイクロソフトソリューションとデータアナリティクスにセキュリティソリューションを加えた注力3事業を融合した複合ソリューションを「ソフトバンク・テクノロジークラウド(SBTクラウド)」上で提供する、同社ならではのビジネスモデルが確立されたことである。現在、クラウドコンピューティングでは、マイクロソフトアジュール(Microsoft Azure)と、アマゾンウェブサービス(AWS)が市場を競っているが、このうちマイクロソフトアジュールに関して、ワンストップでサービスを提供できるようになった。「企業向けのクラウドならばソフトバンク・テクノロジー」という“企業ブランド”を打ち立てたのである。

今後の成長の青写真もかなりはっきりと見えてきた。2016年3月期で売上高構成比率をみると、シマンテックストアが中心のECサービス事業が約40%、プラットフォームソリューション事業とシステムインテグレーション事業が約35%となっており、注力3事業(=「SBTクラウド」)が約25%まで比率を高めてきている。同社によれば、注力3事業分野は年率で20~30%の伸びを見込んでいるという。マイクロソフトアジュール上でシステム開発を行い、その後のクラウド監視とセキュリティ運用を一手に担い、さらにデータ連携や解析等のビジネスを伸ばしていく領域も支援するワンストップソリューションが提供可能になったことにより、売上高の伸び率、ストックビジネス増加による利益率の向上が期待できる。注力分野の成長シナリオは、高い確率で実現可能と見てよかろう。

注力3事業を融合した複合ソリューションを「SBTクラウド」上で提供するビジネスモデルの確立によって将来における大きな成長戦略も、実現に向けて大きな一歩を踏み出した。「IoTビジネス」の開発である。同社によれば、「SBTクラウド」と子会社の要素技術を組み合わせることにより、デバイスに搭載されているセンサーデータをセキュアにクラウドに蓄積するためのIoTの基盤提供と、IoTデバイスごとのアプリケーション開発からビッグデータ解析までワンストップで対応できるという。自動車や農業、ヘルスケアなど顧客の業界によってカスタマイズが必要であり、追加の技術開発や提携などは必要になってくるが、同社グループでIoTに関わるコア部分を提供できることから、様々な業界との連携が期待できるだろう。デバイスが本格的に普及するようになれば、IoTビジネス分野での事業拡大は十分に可能なポジションにいるといえる。IoTビジネスは国内だけでも最低、年間数千億円以上の市場が見込まれており、将来的に同社が大きく飛躍する契機になる可能性もある。

同社は2019年3月期中にもIoTビジネスが本格的に立ち上がると見ており、2017年3月期には「SBTクラウド」の強化と併せて、人材確保と事業開発投資を積極的に行う。そのため、業績予想は過去最高を更新する予定となってはいるが、伸び率は決して高くない。しかしこれは、大きな飛躍に向けた体制を整えるためと前向きに捉えるべきであろう。

企業ブランドの構築によって、業績は堅調な成長を続けられる可能性が極めて高くなった。また、近い将来の大きな飛躍への芽も着実に育てている。グロース銘柄として中・長期にわたりいよいよ注目すべき時が来たと言えよう。

■Check Point
・「SBTクラウド」を活用するビジネスモデルの型を確立
・保守・運用などのストックビジネスは13/3期と比べ約1.7倍に拡大
・17/3期はSBTクラウドから発展する「IoT」ビジネスへの投資を優先

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《HN》

 提供:フィスコ

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