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4720 城南進学研究社

東証S
374円
前日比
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
1.51 1.34
時価総額 33.4億円
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決算発表予定日

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城南進研 Research Memo(7):オンラインと対面型のハイブリッド体制でサービス提供、生徒数獲得を目指す(1)


■城南進学研究社<4720>の今後の見通し

1. 新型コロナウイルス感染症の影響と2021年3月期の見通し
2021年3月期の業績見通しについて、新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが困難なことから未定とし、業績予想が可能となった時点で速やかに公表する方針を示している。新型コロナウイルス感染症の影響については事業部門ごとに異なるが、第2四半期まではマイナスの影響を受ける見通しで、売上高については第3四半期以降に回復トレンドに転じるものと予想される。一方、損益面では「城南予備校」の終了に伴う固定費(地代家賃、広告宣伝費、人件費等)の削減で10億円超の増益要因となるほか、本部勤務社員数についても子会社管理業務の吸収やRPAツールの導入による業務効率改善を進めた結果、2020年4月に前年比で約30%の人員スリム化(約100名→約70名)を実現しており、前期比では改善する可能性が高いと弊社では見ている。

(1) 個別指導部門
個別指導の「城南コベッツ」「城南予備校DUO」では2020年5月までWeb会議ツールを使ったオンライン授業に切り替えて対応し、6月以降は生徒の希望に応じてオンラインと対面型の両方で対応している(オンライン授業も料金は同額)。こうした取り組みにより、既存生徒の退会者については抑えられているが、4月-6月の新規入会生徒数については例年よりもやや低調だったと見られる。また、個別指導の売上高は例年、夏期講習が含まれる第2四半期にピークとなるが、2020年は公立学校の夏期休暇が首都圏で平均約3週間と平年の半分程度に短縮される見込みとなったため、夏期講習のプログラムも見直す必要があり、マイナスの影響を受ける可能性がある。なお、新規教室の開設については現段階では計画しておらず、既存教室の生徒数獲得に注力していく方針となっている。

(2) 映像授業部門
映像授業の「河合塾マナビス」は4月以降、在宅受講が可能となり、5月中旬まで学校が休校だったこともあって、2021年3月期第1四半期も好調に推移したもようだ。ただ、個別指導と同様、第2四半期は学校の夏期休暇短縮によるマイナス影響を受ける可能性がある。「河合塾マナビス」の新規校舎開設の予定は現時点でなく、今後、条件の良い立地場所が見つかれば検討する方針となっている。

(3) 予備校部門
予備校部門では、「城南医志塾」「城南AO推薦塾」ともに4月-5月はWeb会議ツールを使ったオンライン授業に切り替えて継続、6月以降は生徒の希望に応じてオンラインと対面型の両方で授業を行っている。「城南予備校」が終了したため、売上高については前期比で減少する見通しだが、費用面では「城南予備校」の固定費削減効果で約10億円の増益要因が見込まれる。

(4) デジタル教材・幼少教育部門
a) 幼少教育
幼少教育のうち、認可保育園や学童保育については4月以降も従来と変わりなく運営を継続しているものの、「くぼたのうけん」については、4月-5月を休講とし6月から教室での通常レッスンを再開している。また、「ズー・フォニックス・アカデミー」は4月に休講、5月より一部の教室でオンラインレッスンを開始し、6月からは教室での通常レッスンを再開している。保育園事業については特段の影響は出ていないものの、「くぼたのうけん」「ズー・フォニックス・アカデミー」については新規入会生徒数の減少などマイナスの影響が一時的に出ているものと見られる。

なお、乳幼児教育の新たな取り組みとして、育脳×STEAM教育※1の複合型スクール「城南ブレインパーク」を2020年4月に2校(自由が丘校、立川校)開校した。未来で活躍できる人材を育むことを目的に、育脳とSTEAM教育で子どもの「たくましい知性」と「しなやかな感性」を伸ばし、発想力や想像力、数学的思考力、コミュニケーション能力などの能力開発を進めていく。曜日ごとに「くぼたのうけん」「りんご塾」「そろタッチ※2」「アトリエ太陽の子」「ズー・フォニックス・アカデミー」「プログラミング(2020年夏開校予定)」の6つのサービスを提供する。複数のサービスを1拠点で提供できることから事業効率は高く、また、近隣にはグループで運営する保育園もあり、顧客獲得の面においてもシナジーが期待でき、今後の展開が注目される。

※1 STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字にArts(芸術)を加えたもので、これからの社会に重要な教育理念のことを指す。
※2 「そろタッチ」とは、そろばんの仕組みをタブレット端末で応用した、新しい暗算学習法。


b) デジタル教材
デジタル教材については在宅での学習需要の高まりを受け、今後の成長が期待される。2020年3月には神奈川県の競合学習塾の1つである(株)中萬学院と提携し、同年4月より中萬学院の生徒向けに中学受験用アプリ「デキタス・コミュ」の提供を開始した。同アプリ上に中萬学院と開発した中学受験用の理科と社会の演習問題を加えており、同コンテンツに関しては3年間、中萬学院が独占使用できる契約となっている。そのほかにも、2020年6月より経済産業省が実施する「EdTech導入補助金」の活用導入を希望する実証自治体・学校教育機関の募集を開始。この補助金交付対象に採択されると、「デキタス」と(株)137が開発した学校連絡・情報共有サービス「COCOO(コクー)」を組み合わせたシステムを無償で利用できる。また、スタディプラス(株)と業務提携し、「デキタス」とスタディプラスが提供する教育機関向け学習管理サービス「Studyplus for School」を連携して提供していくことを発表するなど積極的な取り組みを進めている。

「Studyplus」と「デキタス」を連携することで、導入する学習塾で学ぶ生徒は学習履歴を含めた自宅学習の進捗を把握することが可能となるほか、学校では先生が生徒の学習状況を容易に把握することが可能となり、「デキタス」の利便性が一段と向上することになる。既に城南予備校DUOで「Studyplus」が導入されており、その効果が確認されたことから、連携をさらに広げていくことにした。「デキタス」の月額料金は小学生が3千円、中学生が4千円となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

 提供:フィスコ

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