【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 投資家の範であり続ける、老いて凄み増す“オマハの賢人”
株式アドバイザー 北浜流一郎
「投資家の範であり続ける、老いて凄み増す“オマハの賢人”」
●アップル株投資で新たな伝説を積み上げたバフェット氏
アップル株の時価総額が2兆ドルに達したというニュースで、私が反射的に胸中でつぶやいたのは、
「バフェットはやはり凄いな」
だった。同氏が凄い人物であることは、投資家なら誰もが認めることで、いまさら改めて書くようなことではないだろう。
しかし、それでも、凄いとしか言いようがないのだ。バフェット氏はアップルの大株主。この点についても誰しも知っていることだろうが、私が感服したのは同氏が2016年頃からアップル株を買い始め、翌年年初にも大量に買い増したこと。
16年の買いは、もちろん驚きだった。バフェット氏といえばハイテク株嫌いということになっていたし、すでにアップル株はかなり高くなっていたからだ。しかも、バフェット式投資として日本でもよく知られている投資法では、割安低位株への投資が基本となっていた。
それが、明らかに高値圏にあるとみられていたアップル株を買ったのだ。そして、もう一つ驚いたのは当時、大量保有していたウォルマート株を売ってしまったこと。同社株からアップル株に乗り換えたことになる。
バフェット氏は、現在89歳。アップル株買いとウォルマート株売りは、86~87歳の時になされたことで、その決断力と実行力、そしてその正しさには驚嘆する他ない。私がこれまで多くの投資家に接してきた限りでは、85歳を越えてなお投資に積極的で、判断力、決断力、実行力が健在という人はごく例外を除き極めて少ない。
しかし、バフェット氏はそれらをキープし続けていることは明らか。これは、高齢に向かう個人投資家にとっては何よりの励みになるのではないだろうか。
スケールではバフェット氏に及ぶべくもないが、少なくとも投資意欲や判断力、決断力、行動力では、そのつもりになれば大きく遅れることはない。ぜひ同氏に1ミリでも近づける努力をしたい。
●モノ言う投資家が去ったソニー株の行方は?
さて、どんな銘柄への投資がよいのだろうか。まずは、ソニー <6758> になる。投資ファンド、サード・ポイントがソニー株を手放したとの報道をきっかけに急落してしまい、まだ浮上に転じていない。
サード・ポイントはいわゆる「モノ言う株主」として知られているが、株価の上昇を策しての提言は必ずしも経営にプラスになるわけではない。そんな株主がいなくなったからといってソニーの収益が大きく悪化するとも考えられず、株は回復する確率が高いと見る。
ソニー株が高値から急落しているのに対し、いまは戻り高値で足踏み中の銘柄が多い。ここからさらに上がるのかどうか、投資家の迷いにより方向感が定まらない。こんな状況にあるのだが、その中にはいまは単に一服しているところ、こう思える銘柄も多い。
たとえばパーク24 <4666> だ。コロナ禍により 駐車場の利用が落ちているのは否定できない。しかし、人々は動きはじめている。駐車場の利用は今後、増加必至と見るのが自然で、株は持ち直す可能性高い。
プレスリリース配信サイト「PR TIMES」を運営しているPR TIMES <3922> も、運営するサイトへのプレスリリース配信依頼が増加を続けている点を考えると、株価は再浮上に向かう可能性が高い。
同様の観点から、リクルートホールディングス <6098> がある。新型コロナの拡大が懸念材料になっているのだが、株価の基調は回復トレンド継続と見てよい。
やや出遅れている銘柄にも目を向けておくと、サイボウズ <4776> がある。働き方改革に加え、リモートワークの普及で得意とするグループウエア関連のサービス提供が伸びている。それにしては、株価は押し目をつけたところからまだ浮上に転じたばかりだ。
最後に、旅行商品の比較サイト「トラベルコ」を運営するオープンドア <3926> と、建機中堅の竹内製作所 <6432> を。いずれも目先の高値更新中のため、小反落を想定しての投資になる。
2020年8月21日 記
株探ニュース