大幸薬品 Research Memo(3):新製品「正露丸クイックC」で若年層を取り込み、シェア向上を図る
■中長期の成長戦略
大幸薬品<4574>が2017年4月に発売した新製品「正露丸クイックC」は、正露丸、セイロガン糖衣Aの主成分「木クレオソート」の単味生薬製剤であり、中身が液体のソフトカプセルで素早く溶け出すため、胃で吸収され急な下痢等のトラブルに効果がある。16カプセル入りで、希望小売価格1,000円。これまで正露丸を使った経験の少ない10代から30代の若年層を取り込み、市場拡大とシェア向上を目指している。
2018年3月期第1四半期の正露丸クイックCの売上高は69百万円であり、全国の小売店に配荷され、店内において一定の陳列スペース確保した段階だ。認知率向上はこれからの課題になる。同社は、新たなCMを夏の需要期から重点的に全国放映している。また、特設Webサイト「腹弱図鑑(はらよわずかん)」をオープンし、急なおなかのトラブルエピソードを、連続ドラマや街角で取材した体験談等で紹介している。WebサイトやSNSを通じて製品情報を発信することで、止瀉薬(ししゃやく)のエントリー層である、若年層に対して使用機会の浸透を図る狙いである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
《MW》
提供:フィスコ